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ひとりごと 〜迷わず行けよ 行けばわかるさ

アントニオ猪木が死去してすでに数日経過する訳だが、
ショックのような、ぼんやりとした気持ちのような
なんとも言えない心持ちが続いている。
それはなんだろう。
他のレスラーが次々と亡くなっても
「猪木だけは死ぬことはない」
そんな馬鹿げた幻想にとりつかれていたからかもしれない。

さすがにいい歳である私はプロレス関係の書籍等も
随分と処分したものだが、
デスクの背中側にある本棚の中に
猪木の引退試合パンフレットだけは入れてあることを
思い出し、久々に取り出して眺めてみる。

'98.4.4と書いてある。
そうだ、この日に東京ドームで私は猪木の引退試合を見届けたのだ。
「プロレスと共に歩んだ自分の半生、
猪木の引退を目の前で見届けない等、あって良い訳はない」
その思いだけを胸に、東京ドームに赴いた日を思いだした。

「迷わず行けよ 行けばわかるさ」
引退時に猪木がセレモニーで発したこの言葉に
大きな勇気をもらった。
もちろんもらっただけで発揮できない勇気が無数にあるけれど。

猪木が歩いてきたおよそ常人ではできない様々な道のり。
それは上記のこの言葉の実践この上ない。
猪木の大きさとは、時には「石橋を叩かずに渡る」様なその行動。
それが全てのような気がしてならない。

闘うことは怖い。
怖いけど行ってみるか。どうなるかわからないが。
泣きながらも前に踏み出る男の子。
猪木はそれをずーっと体現し、そして逝った。

ありがとう、炎のファイター。
さようなら、燃える闘魂。

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