刀神(とうしん)12

初日は疲れすぎたのか、夢も見ずに眠ってしまった。翌日は刀剣神社縁の本殿にご挨拶をする。

昨夜は気にもならなかったが、巨大な岩がチリチリ、ジリジリ音をたてているように、感じた。

気のせいといわれれば、そうかもしれない
風の音を聴いたのかな?

足下の染みに気がつかなかった。

新さんが慌ててとんできた。

白装束はいつもながら、よく似合う。

「見つかった。急げ、師匠もはじめている。」

そのとき、普段落ち着いている新さんがはだしなのに驚いた。

何事だろうと足元をみると自分のそばだけ真っ黒になっていた。

間に合わない。足がもつれ、私が転んだ瞬間何かが頭上を抜けていった。

それは新さんに深くつき刺さった。

刀が唾なりをしているのがわかった。私はショックの余り気を失ってしまった。


ここまで

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