刀神(とうしん)18

刀が出来たと連絡を受けた。

受け取りに行こうとすると、持ってきて下さると言う。丁寧な仕事人なのだと玄関で待っていると、裏からスーっと入ってきた。

勝手知ったる我が家とばかりに、真っ直ぐ新さんの元へ来た。

慌てて師匠と駆けつけた。

「お前か、今更何しに来た」師匠の怒りは凄まじかった。

烈火の如く捲し立てる師匠に、見向きもせず新さんのベッドの脇に椅子を寄せる。

「所望の刀を持ってきたぞ」鞘に入った刀をみせた。

さっきまで、眠っていたはずの新さんは、カッと眼を見開きまるで別人のような形相で睨み付けた。

私は背筋が凍りつき、全く動けなかった。

「憎きあやつはもういない。盟約の者よ覚悟はいいな」

私は、覚悟は決まっていた。

「わかりました。どうぞ私の命で善ければ・・・」

私は恐ろしさの余り涙が止まらなかった


ここまで




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