7. 回帰 … 光曼荼羅
回帰 … 光曼荼羅
光曼荼羅
起きあがる神人
時間がありさえすれば瞑想に没頭するという日々が続いていた。何をするより先にまず瞑想を行った。私の頭の中は瞑想と瞑想に関連する事柄で一杯だった。どのように進めていけば良いのか常に考え、あのようにしてみようこのようにしてみようと思案した。
私はまず、瞑想が順調に進むことを祈った。心の中から「私を導いて、導いて。」と自然に言葉があふれ出て私は泣いた。それは私にとって唯一の自分の中から溢れ出す真実の言葉だった。また、反復の作業の体験で自分を信じ受け入れれば確実に結果が出ることを知っていた私は修行順調の反復行を行った。こちらは習字用の紙に修業順調の文字を隅から隅まで繰り返し書き込み埋めるというやり方で毎日一枚ずつ行った。
光る一点に集中するというのもやってみた。光る一点をじっと見て目を閉じ、閉じた目に現われる残像が消えるまで集中し、次にそのまま眉間に集中するというものである。じいっとそのまま集中していると閉じてる目の中で薄紫の揺らめく光に気が付いた。更にその光をじっと見ているとそれは外側から内側へと収縮し、また外側から内側へと収縮しては消えるを繰り返した。その光は毎回、瞑想を行う度に現われ私の興味をそそった。やがてそれは少しずつ光の色と強さを増して外側から内側へと収縮する。薄紫から紫へ、収縮するに従って中心は更に輝きを増し、紫から蒼へ蒼から白へ…滝の水が滝壷へまだんなくなだれ込むようにそれは続く。蒼から続く輝く白色光は私を圧倒し、いつしか目を開けていてもそれは見えるようになった。
この頃、なぜか悶々とする日が続き、それが何を意味するのか掴めずにいた。確かに何かが変わり始めているようだった。それは確かな手応えとしてここにある…。それがなんなのかと私はまた自分の中を探る。それは表わしたいという気持ちだった、何を表したいのかそれが解らない。描いてみようとスケッチブックを取ったがあれこれ描いても納得がいかず、花も船も家もあれでもないこれでもない、思わず殴り書きをした絵、それは光の絵だった。私の現わしたかったものは光だったのだ。この光が私の中にある、この光こそ私なのだ。あふれんばかりの高揚感がそこにあった。私は初めて自分をつかんだように思った。後に、瞑想の恩師となってくださった橋本創造先生のユニバーサル曼荼羅を見せていただいた時に余りにも似ていて、これが曼荼羅だと知った。
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