マガジンのカバー画像

思想・哲学・宗教・人物(My favorite notes)

342
思想・哲学・宗教など心や意識をテーマにしたお気に入り記事をまとめています。スキさせて頂いただけでは物足りない、感銘を受けた記事、とても為になった記事、何度も読み返したいような記事…
運営しているクリエイター

2023年7月の記事一覧

「浄土」について②

「浄土」の場所  そもそも浄土は"どこ"にあるのでしょうか。  「浄土三部経」の一つである『阿弥陀経』にこう書かれています。 「これより西方の十万億の仏国土を過ぎて、ひとつの世界があります。その名を極楽といいます。その国に阿弥陀という名の仏があり、今も法を説いています」(『全文現代語訳 浄土三部経』大角修訳・解説) 反物質世界  ①の記事で書いたように、「西方」は「東方」の逆対応的な場所のことですから、浄土とは物質世界に対する反物質世界といえます。それは「十万億の仏国土

チベット仏教ゲルク派で正しい認識を修学する ツォンカパ大師の高弟より

前回はニンマ派の僧院大学にて修学する場合、4年目で学ぶ課程などにあるテキストの紹介をしました。 これがゲルク派ですと、第2章は入中論の時に修学します。およそ9年目前後から、年に2、3ヶ月間集中してになります。ツォンカパ大師の高弟、ダルマリンチェン師のテキストを意訳して紹介します。 尊いラマに礼拝致します 2 (正しい認識と)理解する(対象である)煩悩のない清々しさと一切相智、(それぞれ)そこに到る道を解説するのに ① 概論② 詳説 ① 概論に 1 ディグナーガ師が著し

仏教の哲学「唯識」が描く世界。私たちは共同幻想に生きている。近藤伸介氏インタビュー。

「唯識(ゆいしき)」という思想をご存知だろうか。大乗仏教を代表する哲学として知られる思想だが、この思想を西洋哲学と比較研究しているのが近藤伸介氏だ。最先端の物理学の文脈でも少しずつ注目されているこの「唯識」について、近藤氏にお話をお伺いした。 2500年の歴史がある仏教。-本日は「唯識」についてお聞きできればと思います。 近藤:どうぞよろしくお願いいたします。仏教には専門用語も多いですが、なるべく分かりやすく、興味を持っていただけるようにお話できたらと思います。 -まず