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近現代史・地政学(My favorite notes)

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近現代史・地政学をテーマにしたお気に入り記事をまとめています。スキさせて頂いただけでは物足りない、感銘を受けた記事、とても為になった記事、何度も読み返したいような記事を集めました…
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#自衛隊

在外勤務で学んだこと(第4回)

第3回では、領事関係のうち、事件・事故に係る安全対策及び邦人援護・保護教務についてについてお話ししました。   下図は前回お示しした脅威事象と対策の相関関係を表したものですが、今回は上段の緊急事態対策及びオペレーションの部分について概説していきます。 1 緊急事態とは 在外公館では、緊急事態を戦争、内乱、クーデター、暴動、テロ、大規模な事故や災害等、自国民に対する脅威事象と定義し、領事部がその対策を担当しています(在外公館の占拠、在外公館に対するテロ、要人の誘拐等、在外公館

海洋にまつわる話(第2回)

第1回では、日本をとりまく海洋や領域の基礎についておさらいし、海洋法制定に至る歴史的経緯及び現在の国連海洋法条約の要点について概説しました。第2回となる今回は、国際法が定める旗国主義、船籍制度、便宜地籍船の現状及び軍艦の地位等についてお話していきます。   1 属人主義と属地主義 法の考え方は、大きく分けて「属人主義」と「属地主義」に大別できます。簡単に言えば、戸籍法や旅券法のように「どの国や地域に居ようとも人についてまわるもの」は属人主義に基づく法(属人法)であり、道路交通

伊藤博文と明治憲法の発布

2月11日は、建国記念日(初代・神武天皇が即位した紀元節)ですが、明治時代に大日本帝国憲法が発布された日でもあります。   1 大日本帝国憲法 この憲法の下で、日本国民に初めて居住・移転や信教の自由、言論・集会の自由、私有財産の保護などが法的に認められるとともに、帝国議会が設けられ、近代民主国家の原型である三権分立が定められました。   憲法草案は、1886年からドイツの法学者ヘルマン・ロエスレルらの助言を得て、伊藤博文を中心に井上毅らにより作成され、1889年2月11日、