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41まで行ってた合コンの記憶

私は41歳で合コン終了宣言をした。

だいぶ遅いかもですが、まったく知らない人との出会いを増やしてもなんにもならないと41で気づいたんですよね。
コミュニケーションをどんなに頑張っても意味がない。
その頑張る自分は自分じゃないから。

ニコニコ笑う女が結局いいんじゃないか?と演じてみたり。
気をきかせなきゃと意気込んだり。
あと聞き上手じゃなくちゃ、ものわかりよさげじゃなくちゃ。
自分のことを端的に言語化しなくちゃとか。
下ネタに乗りすぎず、かといってドン引きもしない目の表情を探ったり…。
頑張っちゃうんですよ。
そんな健気な自分は嫌いじゃなかった。

あと頑張るといえば、なんたって「食事の取り分け」「空いたグラスに気づくこと」
サラダとかもトングで取り分けたことないし、家で。
パスタとかもぴっぴっとはねて、皿の縁にトマトソースがこびりつく。
見られてんのかなぁ〜見てもねぇのかなぁ〜。
どっちも嫌でした。

だけどいつからか「自分達でやるから、取り分け大丈夫ですよ」という男性が急速に増えた。
合コン相手に年下が入ってきたころ(自分30前半ごろ)。
それまでの年上・同世代男性からなかった声かけが、28歳とかの男性から「いいですよー」って出てきた感動は忘れられません。
グラスが空いてても、「自分たちの飲みたいタイミングで飲みますから」ってノーサンキューポーズ。
穏やかな神の制止に思えた。

ところが!
そういう若手に触発されるのか、いつの間にか年上世代がワインを注いでくれるようになってんですよ。
私より少し上だとバブルの影響を受けていて、だからなのかワインの注ぎ方がうまい。
なら、やってくれよ!と思った。最初から。
不器用にトングを震わせてたあの時間に恋愛モードが発動するわけもなく。

そう、合コン中は「取り分け」が重荷すぎて会話に集中できなかった。
次々と料理が運ばれてきて、人数分の均等イメージが脳内で始まる。
揚げ出し豆腐を6で割るなら…(ってか誰だよ、揚げ出し豆腐頼んだの)
職場の先輩と参加しようものなら、向かいの先輩から「あなたの隣の男性のグラス空いてるわよ」って目配せまでくる地獄。

合コンの自己紹介では、「好きなタイプ」を嵐縛りとかで言わされたりもした。
「ニ、ニノかな…」
「なんでなんで?」
「おもしろい、から?」
なんだよこの時間・・・

いや、経験としておもしろかったです。
全く知らない人とのコミュニケーション体験は貴重。
でもこんなこといくら繰り返しても、「実のある出会い」につながらなかった。

メアドを交換した人はいました。
「会おう」と別日に食事に行った人もいたし、オールで飲むほど話してたい人も。
でも、本当の自分を出せないうちに終わった。
恋愛っぽくなる前に会わなくなる。

男は結局、抱きたいかどうかで見てるんじゃないのか?
腰をふわっと触ってくるようなことにどう反応するかみたいな。
サラダの取り分けなんてどうでもよかったんだ。
「うち近いけど来る?」みたいなことへのノリ。
そんな気にとてもなれず、「今日はちょっと…」と言えば連絡が来なくなる。
もしくは恋愛対象から急速に外されて、他の女との恋愛駆け引きトークを聞かされる。

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私より少し年下のアミちゃんとは何度も同じ合コンに行った。
彼女は友達の友達で直接の知り合いじゃないけど、いわば合コン仲間。
すっぴんの生田絵梨花みたいな、顔の整った子。
一見おとなしく見えるけど、意思ははっきり持っている。
アミちゃんも、「合コンがあまりに実らない」と嘆いていた。
こんな可愛いのに!

いや、美人だからと思う。
明らかにモテてるのに、彼らから朴訥さ・誠実さみたいなものを見出すのに疲れていた。
性とまったく関係ないとこから始まる関係を求める女は多い。
ってかほとんどじゃないの?
男性だってそうと思いたい。
でも合コンってやっぱトークが上手で見た目爽やかな人に惹きつけられやすく、それが罠となっていく。
罠ってのもひどいけど、back numberみたいに見せかけて、ゴールデンボンバーだったという話はよく聞いたから(そよ風・暴風みたいな勝手なイメージです)。

私が40に差し掛かろうとする頃、アミちゃんは37歳で、「合コンはこれで最後かも」と宣言をしてきた。
「こうなったら銀座のテニススクールに通うことにした」と。
「こうなったら」というのは最終手段ということか。
それがなぜ銀座のテニススクールなのか。
アミちゃんは何らかの罠にハマりかけてるのではないか?

「こうなったらとことんハイスペックを求める」とのことだった。
・・アミちゃんは結婚しただろうか。

合コンの思い出は山ほどあるので、また何か思い出したら綴ります。


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