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本の学び

ロマンシエ 原田マハ



原田マハさんなので
アート小説
のはずだけど

タイトル
『ロマンシエ』???



初っ端から
いきなり
昭和感満載の
書き出しに
ぐいぐいと
引き込まれる

どんな展開が
待ってるの?

テンポよく
にやにやしながら
読み進めてたら


パリのカフェで
出会ったふたりは

実は
現状に悩み
途方に暮れていた

だからこそ
お互いの
傷ついた気持ちが
とても敏感に
伝わりすぎる


”現実世界は
自分にとっては
不自然で
居心地が悪かった

社会が作り上げた
「常識」や「決め事」
がんじがらめに
束縛されてしまう
不自由な世界だった”
P344

ハルさんは
ただ静かに
耳を傾けてくれた

全部聞き終わると
とても静かな
けれど
熱のこもった声で言った


『君が生きている
その場所

そこは決して
世界の端っこなんかじゃない

君が叫んだ
その場所こそが
ほんとの世界の真ん中なのだ』
P345



そんなふたりが
それぞれのやり方で

それぞれの個性を
尊敬し

思いやり

守り合い

謙虚に
絆を深める

すてきな
すてきな物語


舞台は

100年以上の
歴史を持つ
リトグラフ工房

「idem」

天井には
大きな天窓
降り注ぐ自然光

大きなプレス機が
何台も並んでる

ピカソ、マティスなど
多くの画家たちが
この技法で傑作を
生み出してきた

現場の持つ力
その「場」の磁力
を感じる場所

マハさんの
アート愛を感じる


そして
パリのすてきな風景が
たくさん現れる

なるべくパリを
感じるために
目を瞑って想像する

セーヌ川

シャンゼリゼ大通り

プチ•パレ

グラン•パレ

凱旋門


パリから車で2時間
リゾート地
ドーヴィル
パリのセレブたちの
愛する場所


サン•ラザール駅
特急列車

田園風景が広がり
緑に輝く
なだらかな牧草地

まるで
モネの絵のような
風景の中を
走る列車の車窓が
流れていく景色


再読なのに

またもや
まんまと
引き込まれ

やはり
わたしの目も潤み
ほろほろと
涙が流れてしまう


最後は最高に
温かい気持ちに
させてくれる



”タタタタタ

タタタタタ

タタタタタ

聞き覚えのある
リズムカルな音が
どこからか聞こえてきた

あれ
この音は
••••••
なんの音?

軽やかで
楽しげで
ちょっと攻撃的で

踊るような

心地よくて

刺激的な
••••••”
P415


まさに

”五行に一回
笑っちゃうような

天下一品の
ラブコメディ”

タイトル
『ロマンシエ』

でした



最後まで読んで
原田マハさんの
小説と連動した
リアルな展覧会

実際に目にしたかったな
かなり残念な気持ちに
なった

その後
キュレーター目線の
原田マハさんの作品を
たくさん読んで

絵画に興味を持ち

わたしの町で
2019年
美術館で開催された

『サヴィニャック』
パリにかけたポスターの魔法

この本の表紙の絵にも出会える
すてきな経験になりました

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