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【エッセイ】胎内記憶


どうもりおママです。


今日は上の子が昔話してくれた
胎内記憶のことを話そうと思います。


胎内記憶。


それは産まれてくる前のお腹に居る時の記憶のこと。

話す子もいれば
忘れてしまって話せない子もいる。


毎日恒例の寝る前の時間のお話タイムでの事。

「お腹の中でね、こうやって寝ていたの」

と、上の子が4歳くらいになった頃
まぁるく小さく体を折り曲げて見せてくれた。


その姿は、エコー写真で見ていた光景で。

「覚えてるの!?」

と驚いた。


それから深堀していくと

「えいっえいっ!って
お腹の中で悪いバイ菌をやっつけていたの。
でもね、全部やっつける前に出てきちゃった…」

と話した。

息子が産まれるのが待ち遠しくて
予定日より少し前に、陣痛促進してもらって
出産していたのでこの言葉には驚いた。


「あとね、
紐みたいなおもちゃで遊んでたんだよ!」

と続けた息子。

それは恐らく臍の緒の事。

「お腹の中は暖かくてね。
ママの声が聞こえたんだ。」

あぁ、なんて尊い記憶だろう。

録音してなかったことを悔やんだ。

夫が仕事でいない時に話してくれたので
聞いていたのは私1人。


この喜びを夫と共有したかった。


そのくらい大切なお話だった。


まさか自分の子が胎内記憶を話すなんて
思ってもいなかった。


更には

「お空の上でね、ママがいいなーと思ってね
お腹に来たんだよ。」

と教えてくれた。


話し終わって満足したのか、
すーすーと静かに寝息を立てている天使を横目に
胸がひどく締め付けられた。


その数年後に
上の子との関わりに悩んでいた頃、
ある人にこう言われた。

「大丈夫だよ。
貴方がそういう人だって分かって
産まれてきてるから。
ママのこと大好きだよ、この子」


泣き崩れたのは言うまでもない。

本当かどうかは分からない。

でもよく聞く話だから息子が話したことは
きっと本当なのだろう。


無償の愛をくれるのは親ではなく
子供の方なのだと思う。


私がきつく当たったことはきっと遠い未来、
介護される時に返ってくる。そう覚悟している。

それでも自分自身を考え直して改めた結果、

今も尚、
ママ大好きと言ってくれるこの尊い命を
私はずっとずっと抱きしめたい。

恥ずかしがるようになって
純粋に抱かさってくれなくなった息子。

いつかは一緒に寝てすらくれなくなる。

私の中では可愛い可愛い赤ちゃんのままなのに
気がつけばもう立派な少年になっていて。

親離れが始まってきていることに
寂しさを覚えながらも彼の成長を嬉しく思う。

昔話してくれた胎内記憶は
私にとってかけがえのない思い出。


話してくれてありがとう。

私を選んでくれてありがとう。

私を母にしてくれてありがとう_____。



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