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フェミニズムの前に男女差別の仕組みを考える

某男性が女性の私物に体液を混入させた事件がネット上の話題になった。
そこでさまざまな意見や不満、そして暴言を言う人々を見て、6年間女子校に通っていた私が女性の人権について考えていることをここに記す。

女性差別は何故起こるか

私は男尊女卑はある程度あると思うが、
「男性の知識不足」と「女性の弁論能力不足」によって、この議題は一向に進展の気配を見せないと感じる。

まず、男性は女性を卑下する意図はあまりないと思う。

男性が「女性とはそういうものである」という環境で育てば、いくら暴力を振るおうが、人格を否定しようが、それはコミュニケーションの一環であると男性は主張するだろう。

そして、言い争いを見ながら私が注目した話題は
女性側は「男性の犯罪率の高さ」を主張し、
男性側は「男性の自殺率の高さ」を主張するやりとりを多く見かけることだった。

両方とも調べてみると以下のものが出てきた。

【令和4年度 犯罪統計資料】
https://www.npa.go.jp/toukei/keiji35/new_hanzai04.htm
【令和4年中における自殺の状況】
https://www.mhlw.go.jp/content/R4kakutei01.pdf

先ほど書いた双方の意見は正しく、
「男性は犯罪率と自殺率が高い」
と言うことが伺える。

つまりこれは
「男性同士のコミュニティが高ストレス環境である」
ということだ。

ストレスを感じた人間は、他害か自傷に走る。
精神疾患を思い浮かべればわかりやすいだろう。
抑鬱状態は自傷的になるし、統合失調は他害的になる。
いずれも脳の不調で発症する精神疾患だ。

それを元に私が言いたいことは
「女性差別の根源は、男性のストレス社会によるもの」
であることだ。

女性側は男性側の苦労なんて理解したくもないだろう。何故なら視界の容量に空きがなく、自分の悲劇で埋め尽くされているからだ。
私の実母もよく「男はダメだ」「男だから」と言っていた。
それは過去にあった昇進格差、給与格差、結婚の圧力、性的搾取による恨みが原因だった。

しかし私は6年間女子校で育ち、幼少期も男女共に仲良く、社会人になっても「その人が悪い」のであって男性全体がおかしいという状況に出会う事はなかった。

そうなると、
男性によって様々な被害を受けた女性は恨みを持ち弁論能力を失い、
被害があまりなかった女性は女性差別を実感しにくくなる。
この構図がさらに女性差別を助長する。

また男性側からこの状況を見ると
「男性を加害者とみなし暴言を吐く女性」と
「自分を加害者に仕立て上げない女性」
だったら後者を味方するのが当たり前であり、より被害を受けた女性の肩身は狭くなる。

女性差別とは
「不快感と恨みが先行する女性」と
「被害の実感が少ない女性」と
「異性であるが故に情報を持たない男性」
によってより強固なものになるのだ。

男性の立場に立つ

もちろん、女性という異性の存在を真剣に捉え、誠実性を探究し、より正確に物事を見定めようとする理知的な男性も多いだろう。

ただ理知的であるということは、それ相応の教育を受け、知識を蓄え、思考する能力を培うに至った恵まれた男性である。

しかしそうでない男性も多数存在するからこそ、必要以上に暴言を吐く女性が現れるのだ。

では、十分な知識を得る機会を失い、思考する能力を教育者から与えられなかった男性と話し合うにはどうすれば良いのか。

前提として、彼らは悪ではない。
何故なら知識を得る機会を奪われた被害者だからだ。
ならば教えれば良いのかというと、そうでもない。

人間は前提の価値観を崩されることに対して非常にストレスを感じる。
前提というものは考えを省略し、脳の負担を減らすものだからだ。

それを覆し、新たな価値観を噛み砕いて飲み込むには相当の労力がいる。
それ故に、おそらく知識を得る機会を奪われた男性たちは、今後もほぼ考えを変える事はないだろう。

では女性はどうすれば良いのか。

女性が女性の権利を齟齬なく主張するには

女性が男性に「それは人権侵害である」と正確に主張するには、まず暴言を吐かないことから始まると思う。

例えば、可愛がってるペットがいたとする。
ペットが突然立ち上がり、

「食事のバリエーションが無さすぎる。人間は我々ペットの食事の選択権を侵害している。愛玩搾取をやめろ」

と言い始めたら、どう思うだろうか。
当然驚くだろう。昨日までニコニコと頭を撫でていたペットが「私は辛い思いをしていた」と言い出すのは、理解し難いことだ。

これを男女に置き換える。

もし男性が
「自分は女性を守っており、生活に貢献しているため女性は幸せなはずであり、女性は男性に好意的な態度を取るのは必然である」
と考えていて、

突然女性が
「私たちは様々な差別を受けた。被害者である。加害者である男性は、謝罪と今後の態度を改め、女性を尊重するべきだ。性的搾取を即刻やめろ」
と言い出したら、男性はこの主張が理解できるとは到底思えない。

女性に必要なのは戦略であると考える。
確かに声を上げて意思を訴えることや、様々なポストにおいて女性比率を上げる事は重要であるだろう。

しかし、根本的な理解がないまま、権利主張を叫びながら仕事のポストをを奪ってくる女性を見て男性はどう思うか。
侵略と大差ないと私は感じる。

声を上げ、訴えることも必要だが、なぜ一定数の男性が女性差別をしてしまうのかという分析をする必要がある。

そして私はそれが「男性のストレス社会」であると思っており、何故男性同士のコミュニケーションでストレスが発生しているのか突き止めなければならないはずなのだ。

元を断たなければ歴史は繰り返す。

一定数の男性が女性に加害をしなくても良い、健全で安らかな社会とは一体何か。
それを考えることから始まるのではないだろうか。

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