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対話型鑑賞(その3)

聴くとは

下記ルールのもと、1対1での対話ワークを行った。

ルール
・話し手の内容を、聞き手が確認する。
・確認内容が正しければ、話し手はOKを出して、次の話に進める。
・確認内容が誤っていれば、話し手はNGを出して、聞き手は再確認する。
・NGが2回出たら、話し手は再度話す(これについての確認は不要)。

①正しく聞く
『好きなこと』というトークテーマで、下記のような対話が生まれた。

A 『好きなことは何ですか?』
B『好きなことは何かを聞いてますよね?』
A『OK』
B『好きなことはキャンプです』
A『好きなことはキャンプなんですね?』
B『OK』

互いに"情報を正しく聞く"努力はした。
もっとも、『キャンプ』という言葉で共通認識を持っているようで、キャンプをするのが好きなのか?テレビなどで見るのが好きなのか?テントをはって焚き火などをすることなのか?グランピングのことなのか?、実は全く解釈のすり合わせが全くできていなかったのだ。

そもそも確認というよりはオウム返しになってしまい、バカにされているような、あるいは誘導尋問を受ける容疑者のようで、心地の良いものではなかった。

②相手の言わんとすることまで聴く
ここで、もう1つルールが追加された。

オウム返しではなく、話し手の言葉を聞き手が言いかえて確認する。

トークテーマは『今の道を選んだ理由』だ。

A『今の道を選んだ理由は何ですか?』
B『...今の会社を選んだ理由を聞いてくれているんですね?』
A『OK』
B『今の会社を選んだのは、人材とITがこの先伸びるって聞いて、文系はIT業界だとやっていけなくて、文系が活躍できそうだからです』
A『今の会社を選んだのは、文系が活躍できるのは人材業界だからですよね?』
B『...NG?』

『道』という抽象的な文言を『会社』と具体的に言いかえたり、言いかえたからこそ、互いの解釈のズレに気づけた場面があった。

また、先ほどよりトークテーマの抽象度が上がったことで、答えが長くなり、確認内容がずれてしまったり、もはや話し手も結論がわからなくなってしまうという場面もあった。

③相手が言い得ることまで聴く
ここで、さらにルールが追加された。

自分の解釈を交えて、確認する。

トークテーマは『大切にしていること』。

A『大切にしていることは何ですか?』
B『最近大切にしていることは、考えるよりも行動することです』
A『最近何かきっかけがあって、考えるよりもまず行動することを大切にするようになったんですか?』
B『あー!たしかに!OK!』
B『逆に、Aさんが最近大切にしていることは何ですか?』
A『Bさんが最近何かきっかけがあって、大切にしていることがあるので、私にも聞いてくれたんですか?』
B『いい切り返し!OK!』

普段気軽にやりとりをする質問ではないからか、どう答えるか?に気を取られて、確認をする前に答えてしまう場面もあった。

また、何より解釈が加わることで、この2人だからこその話の深みや関係性が生まれたり自分自身が気づいていなかった視点に気づける楽しさがあり、計3回の対話の中で一番盛り上がった。

どのコミュニケーションの取り方が良い悪いというわけではなく、場面に応じて最適なコミュニケーションを考えて使うことがポイントだ。

私は法人営業なのだが、お客様や社内の協業者と話すときは、情報伝達だけでなく関係性構築のために、解釈を交えて確認するというコミュニケーションを試してみようと思う。

その4はこちら。

#アート #コミュニケーション #対話型鑑賞 #ワークショップ

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