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帰る場所

入院することになった。
明後日から、精神科へ。

1年間、頑張ってきた。
思い切って心療内科の玄関をくぐった。
思いが込み上げ、幾度も泣いた。
傷ばかり増えていった。
多くの人に迷惑をかけた。
カラフルな薬を何錠も飲んだ。
時に錯乱した。
それでも治療はやめなかった。

しかし一年が経ち、待っていたのは入院だった。

半年前、都内の改札の前でしゃがんで泣いていた。
友達に、もう無理かもと連絡した。
友達は優しかった。
泣きたい時に泣いていいと言ってくれた。
時に抱きしめてくれた。

はじめて緊急入院した時から、その友達と距離を置いた。大切ゆえに、これ以上迷惑をかけたくなかったから。

だが、どれだけ時間が経てどうつは治らない。
どれだけ薬を飲んでも、通院しても、先は暗いままだ。
そして一年がたち、入院が決まった。
長くて3ヶ月だと言う。

私には帰る場所が無い。
自分が自分でいれる場所。
ありのままをさらけ出せる人。
それを見つけられないまま、20歳になってしまった。

帰る場所を探している。
受け入れてくれる人。
抱きしめてくれる人。
それだけでいいんだ。

だから、どうか、これ以上、絶望は見たくない。
今だって布団に籠って泣いている。

おかえり。
優しいその四文字を聴くことを、今は望んでいる。

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