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【霞ヶ関で働いてみた#1】内示の日はみんなソワソワ

民間企業からとある省庁へ転職し、実際に働いてみて、中央省庁ってこんなところなんだと感じたことを不定期・順不同で気ままに投稿します。

※この内容はあくまで私が勤務していた省庁においての話であり中央省庁すべてに当てはまるものではありません。

学校のクラス替えを思い出しました。
というかこれはもうクラス替えと同じだと思いました。

人事異動の話です...笑

今回はとある省庁の人事異動における「内示(ないじ)」についての体験談を書いてみました。

まず人事異動の流れを具体的に説明すると下記のようになります。(7月1日発令の場合で例えます)

<7月1日発令の場合>

発令日の1週間前:【内示】

課長から口頭で「7月1日付で〇〇課△△係に異動です」と伝えられます。(厳密には※5営業日前)

内示〜発令日:【引継】
異動先の前任者と連絡を取り合い引継ぎを行います。

7月1日:【発令】
実際に〇〇課△△係の席に座る日で、いわゆる異動日です。

※2019年度より内示〜発令の期間は2週間(10営業日)あるそうです。




内示前のソワソワ

内示とは、次の配属先がどの部署か事前に知らされることです。

7月1日発令であればその5営業日前のだいたい午後3時頃に内示があります。だから、みんな6月後半になるとソワソワし始めて

「6月●日に内示だよな。次どこになると思う?」

「あのポストはAさんで、こっちはBさんが有力じゃないかな、そうなると俺がここかもな...」

「Cさんは(あの席に)もう2年いるからそこが空くよな、じゃあ次は誰かなー?」

「(一番過酷で残業が多い)D係は嫌だなー。Eさん仕事できるし適任でしょ」

みたいな話で盛り上がります。




内示当日のソワソワ①

いよいよ内示当日

所属している課の課長から1人ずつ呼ばれて、課長席にて口頭で「7月1日付で〇〇課△△係に異動です」と伝えられます。

内示当日の午後になるともう業務どころではないです。一見みんな作業をしているように見えてもアンテナは課長に張っています。いつ課長から呼ばれるかソワソワし始めます

課長が封筒から紙を出したらいよいよ内示の時間です。課長が人事から受け取ったその封筒の中に課内の職員の異動情報が書いてあり、それを各職員に個別に伝えます。

課長から名前を呼ばれ、口頭で「7月1日付で〇〇課△△係に異動です」と伝えられます。呼ばれない人は、7月2日以降に異動するか、そもそも異動せず残留するかのどっちかです。




内示当日のソワソワ②

(以下のエピソードは人によりますが、私が体験したのは以下のような感じです)

内示が始まると、課長席から戻ってきた人が自分の席の近くの人に

「A課のB係でした〜」

と話します。

その後じわじわと課内に広がり、内示情報をキャッチした人が他課の親しい人たちに

「AさんはA課のB係らしいよ」

と速報をメールで共有します。

そのメールの宛先に入っている人たちがそれぞれキャッチした内示情報を、続けてメールに追記していきます。

知る限りの情報を次々と投げ合います。一通り情報が出尽くすと、誰かが一覧にしてまとめてくれたりもします。

また、廊下で親しい人を見かけると

「どうだった?内示出た?次どこいくの?」

「Aさんはどこいくか知ってる?」

みたいな話で盛り上がります。




内示後のソワソワ

最初に異動するのは課長・幹部以外の職員です。課長と幹部の異動はその年の国会の状況などにより前後しますが、課長補佐以下の職員が異動してから数日後になるケースが多いです。

したがって、課長と幹部の内示は数日遅れます

課長補佐以下の職員の内示が出揃い、異動先の課のメンバー構成が確定すると、あとは課長と幹部が誰になるのかが気になります
めちゃめちゃ気になります。

課長が誰かによって、その課の雰囲気が変わります。人当たりがいい人もいればそうでない人もいます。課長次第で残業がかなり増えることもありますし、減ることもあります。

例えば課長がすごい用意周到なタイプの場合、

幹部への案件説明(「幹部レク」や「レク」と言います)のための準備を万全にします。聞かれることもなさそうな質問が万が一来た場合まで想定して120%の準備をしようとします。

そうすると、資料を準備したり根拠を調べたりするのに時間がかかります。その作業をするのは課長ではなく課長補佐や係長、係員です。それで残業が増えてしまうケースが多いです。

逆に、課長がイケイケドンドンなタイプであれば、

レクの準備が多少生煮えでも幹部室に突入します。80%くらい準備してレクをし、もし残りの20%のところを聞かれたら宿題として持ち帰ろう、その後もう1回レクをすればいい、というスタンスです。その場合は準備にかける時間も減り残業が減るのです。

同じようにレポーティングラインの幹部がとても厳しくて重箱の隅をつつくようなタイプであれば、

レクでなかなか了解を得られず1つの案件で時間がかかってしまいます。国家の重要案件ですので、厳しくなるのは当たり前です。でも、「そこはそんなに追求しなくてもいいんじゃないかな...」みたいなケースもあるので、そのような幹部の時は大変です。

このように、課長・幹部が誰になるのかは次の1年間を左右する重要なことです。自分の異動先がわかったら、あとはボスたちが誰になるのかが気になりソワソワします。




最後に

冒頭にも記載したように、これはまさにクラス替えだなと思いました。

課(=クラス)が、どんなメンバー(=生徒)で、課長・幹部(=先生)が誰になるのか...

なんだか懐かしい気分を霞ヶ関で働いてみて味わいました。

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