戯曲 こじらせプリン⑦

愛希 え、そうなの?なんか意外。

まみ 好き勝手生きてたつもりだったけど、心のどこかでは目に見えないなにかにいつも怯えてた。いったい何にそんなに怯えてたのか今でもよくわからないけど。

愛希 目に見えないなにか・・・。なんかわかるような気がする。

まみ 世界を裏切ってやっと、怖いものなんてなーんにもなくなった。怖いものがないふりなんてもうしなくていい。神様にめちゃくちゃ怒られたけど死んでよかったって一番思うのはそこかな!(笑)

愛希 私も世界を裏切れたら、怖いものなくなるかな。

まみ どーだろ。でも愛希ちゃん泣き虫そうだし、神様に怒られて号泣して、こんなに怒られるなら死ななきゃよかったーーーって言って後悔してそう。

愛希 あながち間違いではない。

まみ 後悔しちゃった時点で神様の望みを叶えられなかったわけだから、多分天国には行けないね!地獄行き?(笑)

愛希 それだけはいや・・・。地獄ってなんかマグマとかドロドロ湧いててヤケドしそうだし。

まみ あはははは!うんうん、たしかに湧いてそう!

愛希 でもさ、まみちゃんは後悔せず人生を終えて神様の望みを叶えたのに、どうして私に会わないと天国に行けないの?

まみ それがね、世界を裏切った人間をそのまま天国に行かせるのはなんとなくポリシー的にヤダとか言い出したの!ほんとワガママすぎ!幼稚園児か!

愛希 神様って精神年齢低いんだ。意外。

まみ それでなんか、愛希ちゃんにちゃんとプリンを食べさせるっていう意味わかんない任務与えられたってわけ。てか、この任務未だに意味わかんないわ。

愛希 うーん・・・なんで私なんだろう。私一人でちゃんとプリン食べられるんだけどなあ。

まみ もー全然わかんない!ちゃんとプリン食べさせるってどういうこと!愛希ちゃんなんか変な食べ方してんの?醤油かけたりとか?なんかあれでしょ、プリンに醤油かけて食べたらウニの味になるんでしょ。もーそんな変なことしなくていいから普通にプリン食べてよー。私の天国行きがかかってるんだから頼むよ愛希ちゃん〜。

愛希 醤油かけたことない。

まみ あああああああもうじゃあなんなのーーーーーーーわかるわけないよーーーーーー神様のバカヤローーーー(急に)あ、わかった!

(続く)

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