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世界一おいしい缶コーヒー #手書きnoteを書こう

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2020年1月13日。朝5時に起きて夫と娘のお弁当を作り、娘の練習試合で使うポットと麦茶のキーパーを用意する。7時半から地区の集会がある。わたしは急いで朝ごはんを食べて化粧をした。寝室で夫はまだ寝ている。その横で静かに着替えて、地区の公民館へと出かけた。

予め決まった役員の紹介と一言あいさつがあるくらいで、すんなり集会は終わった。

帰ると夫が車に乗って出かけるところだった。娘もその後部活の友達の両親が迎えに来てくれて、(わたしが行けるかわからなかったのでお願いしたのだった)出かけていった。

わたしはそこから洗濯を2回して干した。9時過ぎだったか。朝からの疲れが一気に出てきた。もともとPMSがあるので体調も万全でなかった。ものすごく眠くて、ベッドに横になり昼まで休むことにした。

コンコン、とドアをノックする音で目を覚ました。息子だ。

「お母さん?ごはんは自分で食べて、1時になるから○○くんの家に遊びに行ってくるね!」

「…いってらっしゃい」

…え!?1時!?
息子は3年生。事前に「体調が悪いんだ」と話してあったから、きっと彼はわたしに「ごはん作って」と言わずに自ら動いてごはんを食べたのだろう、と思った。たくましいな、と思いつつ、やはり申し訳なかった。

…わたしもお昼ごはんを食べて薬を飲まなくては。
正直、食欲はなかった。鍋にお味噌汁が残っていたのでそれを飲むことにした。

飲んでからぼーっとしていたら、息子が帰ってきた。遊びに行ったお友達が不在で、帰り道に農家の方からみかんをいただき、帰って来たのだと言う。そしてゴソゴソとかばんを探り、缶コーヒーを取り出した。

「はい!お母さんにプレゼント!」

少しぬるくなった、ホットのブラックだった。自分のお小遣いで買ってきてくれたのだった。「ありがとう!」

「今日、お昼ごはん作れなくてごめんね」と言うと、「いいよ~」とやさしい笑顔を向けてくれた。

その後、息子は「今度は○○君ちに行ってみる!」とまた元気に出かけて行った。

早速、その缶コーヒーを飲んだ。

缶コーヒーのブラックは、正直あまり好んで飲まない。金属っぽくて苦手なのだ。

けれど。
息子が買ってきてくれた缶コーヒーは、やわらかくてやさしい味がした。こんなにおいしい缶コーヒー、飲んだことないなぁ。
それが、心からやさしい息子みたいで、わたしは泣いた。

                杏子

だいすーけさんの『手書きnoteを書こう』企画に今回も参加です。

前回は内面を外に出す、けっこうずっしりした内容を書いたのですが、今回はほっこりエピソードです。心なしか、文字も前回よりゆるっと力が抜けてる感じがします。そのときにしか書けない、オリジナルフォント。うん。いい感じ。

だいすーけさん、また素敵な企画をありがとうございます。

倍にして返すくらいの文章を書くよ!!!!!