Photo by 8in 世界一おいしい缶コーヒー #手書きnoteを書こう 37 新恒 杏子 2020年1月14日 10:33 2020年1月13日。朝5時に起きて夫と娘のお弁当を作り、娘の練習試合で使うポットと麦茶のキーパーを用意する。7時半から地区の集会がある。わたしは急いで朝ごはんを食べて化粧をした。寝室で夫はまだ寝ている。その横で静かに着替えて、地区の公民館へと出かけた。予め決まった役員の紹介と一言あいさつがあるくらいで、すんなり集会は終わった。帰ると夫が車に乗って出かけるところだった。娘もその後部活の友達の両親が迎えに来てくれて、(わたしが行けるかわからなかったのでお願いしたのだった)出かけていった。わたしはそこから洗濯を2回して干した。9時過ぎだったか。朝からの疲れが一気に出てきた。もともとPMSがあるので体調も万全でなかった。ものすごく眠くて、ベッドに横になり昼まで休むことにした。コンコン、とドアをノックする音で目を覚ました。息子だ。「お母さん?ごはんは自分で食べて、1時になるから○○くんの家に遊びに行ってくるね!」「…いってらっしゃい」…え!?1時!?息子は3年生。事前に「体調が悪いんだ」と話してあったから、きっと彼はわたしに「ごはん作って」と言わずに自ら動いてごはんを食べたのだろう、と思った。たくましいな、と思いつつ、やはり申し訳なかった。…わたしもお昼ごはんを食べて薬を飲まなくては。正直、食欲はなかった。鍋にお味噌汁が残っていたのでそれを飲むことにした。飲んでからぼーっとしていたら、息子が帰ってきた。遊びに行ったお友達が不在で、帰り道に農家の方からみかんをいただき、帰って来たのだと言う。そしてゴソゴソとかばんを探り、缶コーヒーを取り出した。「はい!お母さんにプレゼント!」少しぬるくなった、ホットのブラックだった。自分のお小遣いで買ってきてくれたのだった。「ありがとう!」「今日、お昼ごはん作れなくてごめんね」と言うと、「いいよ~」とやさしい笑顔を向けてくれた。その後、息子は「今度は○○君ちに行ってみる!」とまた元気に出かけて行った。早速、その缶コーヒーを飲んだ。缶コーヒーのブラックは、正直あまり好んで飲まない。金属っぽくて苦手なのだ。けれど。息子が買ってきてくれた缶コーヒーは、やわらかくてやさしい味がした。こんなにおいしい缶コーヒー、飲んだことないなぁ。それが、心からやさしい息子みたいで、わたしは泣いた。 杏子だいすーけさんの『手書きnoteを書こう』企画に今回も参加です。前回は内面を外に出す、けっこうずっしりした内容を書いたのですが、今回はほっこりエピソードです。心なしか、文字も前回よりゆるっと力が抜けてる感じがします。そのときにしか書けない、オリジナルフォント。うん。いい感じ。だいすーけさん、また素敵な企画をありがとうございます。 ダウンロード copy #子育て #息子 #手書き #缶コーヒー #手書きnoteを書こう 37 倍にして返すくらいの文章を書くよ!!!!! サポート