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阻まれていても。#分岐点話

いままさに、わたしは分岐点でもがいている。


こちらの企画に参加することにしました。

3月の末だった。不毛な話し合いをした。というか、夫との話し合いはほとんど不毛なのだ。わたしがどんなに訴えても尋ねても、夫は自分の言いたいようにしか返さない、論点をずらす。そして簡単に「離婚」というワードを使う。覚悟もないくせに、だ。

そこからわたしは水面下で少しずつ、離婚した後のことについて考え調べ物をたくさんした。公営住宅、生活保護、精神疾患を持つ人の就労支援、保証人不要で初期費用の抑えられる物件がどんな感じなのか。など。

最近になって改めて話し合いの場を設けられた。夫婦の今後について、夫がわたしに求めることなど何回かにわけて話をした。

現在、わたしたちはセックスレスだ。わたしが拒んでいる。理由は、夫の性的欲望に嫌悪感があるから。夫は飲みすぎたときにわたしが嫌がるのにも関わらず性行為を無理やりする。なんとか断った後、睡眠薬を飲んで意識がうすくなった頃に、夫は寝ているわたしの体を撫で回して自慰行為をしていた。夫婦間であっても許されることじゃない。レイプだし強制わいせつだ。わたしの体はわたしのものだ。わたしは苦痛な時間が終わってトイレでいつも泣いていた。

それでも夫は言った。「週に1度くらい、杏子さんの体調が悪いときもあるから、でも月に2回くらいは求めたい」

わたしはそれは叶えられないと言った。そしてどうしてそうなったか、上記のことを伝えた。本人はまったく記憶にないのだという。謝罪はあったが、それでも彼は毎日欠かさずお酒を飲んでいる。


わたしにはふたりの継子がいる。夫の連れ子だ。ふたりとも我が子のように思っている。そして幼い頃に実の母親が自分たちを置いて出ていった経験をしている彼らに同じ想いをさせたくない気持ちがある。それがずっと離婚を迷う理由だった。継子がかすがいなのだ。

だからわたしはそれを伝えた。妻として役目は果たせない。
あなたとは話し合いがうまくできないし、ずっと寄り添ってほしいとお願いしてきたけれどそれも叶えられない。他責思考で自分が正しいと強い芯がある夫には、わたしが求めることがわからないようだから。ただこどもたちを守りたい、二度と同じ悲しみに遭わせたくないとわたしは言った。

夫は「仮面夫婦みたいな姿をこどもたちに見せたくない、そういうのを見ていたらこどもたちは夫婦はこういうものだと認識するようになる」と言って、わたしの意見を突っぱねた。

それなら交渉決裂、離婚しましょう。

となると思うんだけど。そうもいかなかった。

わたしは双極性障害という、躁状態と鬱を繰り返す持病と付き合っている。夫は「杏子さんは最近周りや自分を振り返らないで突っ走っている」と言うのだ。わたしが病気に後押しされて離婚したいと言っているとでも言いたいのだろうか。と思った。夫は自分に都合の悪いわたしの言動や行動を病気のせいにして主治医に「心配しています」と告げて自分の思い通りにしたい魂胆があるんじゃないかと思ってしまう。

昨日のことだ。夫が主治医に宛てて手紙を書いた。それを持っていって、離婚協議を進めていいか判断してもらってくれ、とのことだった。

手紙を読んで、さらにわたしの話を聞いて、主治医は言った。

「ここ1ヶ月くらいの杏子さんはちょっと動的というか、動き続けている感じがします」「自分がしたいことでいっぱいで、振り返ることをしていないんですね」「身寄りのない土地でひとりで生きていくのは大変なことです、今の杏子さんには無理だと思います」「こういう不安定なときに、社会的に大きな結論を出さないほうがいいです」「どうしても気持ちがはやるなら、家庭裁判所に行ってください」


こんな病気じゃなければ。わたしが一般的に働ける力があれば。結婚なんかしなければ。すべての自分の『お荷物』が、自由に生きたいわたしを全力で阻止してくる。自分が邪魔だと思った。死にたい、と思って泣きながら車を走らせてた。

家についてわたしは髪をざくざくと切り落とした。この前、肩につくくらいのボブにしてもらったばかりの髪が、どんどんなくなっていった。本当は手首を切りたかった。でも夫に牽制されている。「杏子が体を切ったら俺も同じところを切るからね」と。だから矛先が髪にいった。これを書いてる今、わたしはヘンテコな髪型をしている。明日ベリーショートにして整えてもらうことになっている。

わたしは主治医に言われた以上、すぐには離婚の決断ができなくなった。精神的に安定した、冷静なわたしでないといけないというのだ。離婚したい人物と繰り返される不毛な話し合い、生活。そんなものを続けながら精神は安定するのだろうか。疑問なのだけれど。

はやくひとりになりたい。と焦る気持ちも、やっていけるだろうかという不安も無いとは言えない。むしろいっちょまえにある。主治医に言われたこともわかってる。自分が必死になって動いているのは自覚してる。

ただしわたしの人生は有限であり、また、人生の決定をするのはわたしだ。無駄なことをしている時間が惜しい。わたしは離婚という選択肢を絶対に笑って「正解」にしてやるんだ。

倍にして返すくらいの文章を書くよ!!!!!