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相手に譲れる心の余裕は、自分の心を穏やかにする

ある日、私が改札に向かって歩いていたとき、こんな光景を目にしました。

私の目の前に人がいて、その人も改札に向かって歩いていました。ズンズンと。

そして改札の向こうからも人がいて、同じ改札に向かって歩いてきていました。ズンズンと。

このままお互いにこのスピードで歩いていたら、絶対に改札でガッチャンコするな。果たして、どちらか一方が譲るのか…。もしくはさらにスピードを上げるのか…。「見ものだな」と思って観察スタート。

そしたら両方とも譲らない。それどころか、2人ともめっちゃ早歩きになる。なんとなく鼻から息が出ているのが伝わってくる。白熱してきましたぁああーーー!!そして!!クイズの早押しのように、2人ともほぼ同じタイミングで自分の持っている電子カードを”ピッ”と。

勝者は……。




私の前を歩いていた人でした。向こう側の人は「はぁ…」という顔をして、首を斜め前に傾け、うなだれたような感じになっていて。お手本のようなリアクションすぎてビビりました(笑)。

結局、後ろからその様子を見ていた私の方がうなだれた人よりも改札を早く通れたという始末。

正直に言っていいですか?その勝負、見ているこっちがちょっと小っ恥ずかしい気持ちになりました。いや、ちょっとどころじゃない。めっちゃ恥ずかしかった。

そんな場面に出くわしたとき、負けたくない気持ちを持つのはすんごくわかります。でも自分が負けたときのことを考えると恥ずかしいし、何より、その場面で焦ったり、闘志をむき出しにすることの方が余計なエネルギーを使うからしんどくないか…?と思ったりしました。

そんなことを考えていたら、思い出したことがありました。自律神経の研究者として有名な小林弘幸先生が出版された『自律神経を整える「あきらめる」健康法』に書かれていた一説を。

その本が今は私の手元にはないので、私の記憶でここからは書きますが、大きく違ったことは言っていないのでご了承ください。

その本で先生は、焦っていたら呼吸が浅くなって交感神経が優位になるので、意識的にゆっくり動く意識をするといい、と述べられていたんです。確かそこで「スーパーのレジ」の話を例えに、こんなことも書かれていました。

自分と人と同時に列に並んだときに「自分が先なのに!」と思うのではなく、相手に譲るといいと。「相手に譲る=自分が先に行くのを諦める」ということですよね。自分の心にも波風が立たないし、相手も譲ってもらえて嫌な気はしない。結果WinWin!とね。

私、大学時代にこの本を読んでいたんですよね。(渋チョイス。)私はめちゃくちゃせっかち人間なので、これを読んだとき「なるほど!」と目から鱗でした。そして、それを読んでから十数年経った今、改札で観たバトルで本の記憶がよみがえり、「小林先生が言っていたのはまさしくこれだな!」と思いました。

大学時代にこの本を読んでいたにもかかわらず、私はのちに自分の自律神経と大喧嘩しました(笑)。今も鍼の先生から「交感神経に振り切れやすい」と言われています。だから最近”ゆっくり”を心がけるようになっていました。

そして改札でのバトルを目の当たりにして、一歩待って相手に譲れる心の余裕をを持ちたいなと、より一層感じました。きっと、その心の余裕が自分の心を穏やかにしてくれるはずです。

今日もゆっくりいきましょうね。

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