ハタチノコロ はじめてのヨーロッパ(13)コバルトブルーの海とマーブルの空と

3/9 今日はローマを出てポンペイを観光し、ソレントとへ向かう。旅半ばにしてだいぶこのツアーのペースにも慣れてきた。そして英語の思考回路ができ始めている。やはりいくら外国でも日本語を話せる人と常に一緒にいるというのではダメだ。たとえ母国語が英語でない人同士の会話でも、現況での意思疎通の手段は英語しかない。この「しかない」というシチュエーションは人間を大きく成長させるのだと思う。やる「しかない」、自分「しかない」など。これは充分感じた。さて、バスはガンガン走る。南イタリアに入っていくと、燦々と太陽が照らしつけていて本当に暑い。オレンジやレモンなどの柑橘類がとてもよく似合う。途中、ヴェスビオス山というなだらかなハゲ山が見えた。ポンペイもこの山系に属するらしい。オプショナルツアーでポンペイ遺跡見学がある。ベリンダが「これゼッタイ面白いよ!」と言っていたやつだ。昔の人々の生活をそのまま残しているのだとか。なにしろヴェスビオス山の大爆発で一瞬にして遺跡となった街なのだからとても興味深い。ポンペイに着いてまずは食事。多分菓子パンか何かを食べたような気がするw 横にカフェがあり、オープンエアになっていたのでそこに座った。私はその店で何も買わなかったので、またイタリア人のことだから「席料5000リラネ~~!!」とか言って来るかもしれない・・(てか、今まで一度も来たことないだろうよw)と思ったけど大丈夫らしいので、お日様が気持ちよく照らす中、ラヒシと一緒に清々しく昼食を済ませ、遺跡を目指した。結構山道が険しいのと暑い(この日ハイネックの薄手のセーターを着ていたからか?)のとで、喉が渇いて仕方がない。ペットボトルの水をカバンに忍ばせ、途中で何度も飲んだ。太っちょのジョンおじいちゃん、大丈夫かな?杖をついて頑張って登ってる。でも息がすごく切れてる。ジョンはとっても明るく優しいおじいちゃん。でもいつも奥さんのグロリアおばあちゃんと一緒に2人で3人分のシートを使って座ってる。バスではいつも私たちの前に座っていたから、少し視界が狭かったような気もするw 

なるほど、これは面白い!昔の人たちが住んでいた家が残っている。内部はわりと機能的に区切られていて、生活の知恵も満載だなと思った。特に壁には天井に近いところに熱気を逃す穴がある。そしてその下には水を貯める場所がある。これで煉瓦作りや石の建物の中では温度調節がなされるのだそうだ。歩いている途中に何か昔の人の化石というか白骨体のようなものが残っているところを見た。ちょっと気持ち悪いけど、珍しいので思わず写真を撮ってしまった。きっと出来上がった写真はドーンとミイラのようなものが浮き上がってとてもコワいと思う。そして・・部屋のつくりを見ていく中で昔も今もやっぱり・・と思ったことが夜事情。なんとH専用の部屋があり、その部屋の壁には体位の絵が描かれている。ダイニングというか、リビングのような部屋の横にすぐそのHルームがあるのも笑った。当時の人々は今よりもかなり開放的で動物的だったのね。ポンペイの町は高台にあるのでとても空気がきれいで眺めがいい。でも太陽がすごく近くに感じて暑い!ここからラヒシのカメラがイカれはじめた。何だかシャッターがちゃんと切れているかいないのかわからないようなヘンな音がする。ここからは私が代わりに撮ってあげることにした。最後にとても印象に残っているのが煉瓦造りの窯のようなもの。ここでパンなどを焼いていたらしい。昔の人々の生活の再現とか言って、パンを焼いて食べさせる体験とか面白いのに。でも、古くて貴重な遺跡には手をつけないのがイタリアらしいのかも。私にとってポンペイはイタリアの中で良かった場所ベスト5に入るくらいとても面白かった。下山したときにポンペイの歴史や解説文が載った本を買った。ロス&ジュリアンが後で見せて欲しいと言うので見せてあげた。帰国してまた本を読みながら復習して楽しもう♪ 時刻は15:00。これからソレントへ移動し、そこで2泊する。ソレントまでの道のりは本当に美しい。夕日が海や山を照らす光がオレンジ、ピンク、紫などの色に変わり、マーブル模様の空になった。ここでシャッターチャンス!!みんな立ち上がってカシャカシャ撮りまくっている。挙句にはコーチを路肩に停め、外に出て大撮影会になった。それにしても、なんてキレイなんだろう・・。何だか建物の雰囲気がギリシャとかシシリーに似ているような。地中海に面した綺麗な海、空、太陽を感じ放題。同じイタリアでも北と南はこんなにも違うのか。やっぱり半島の南は暖かくてのんびりしてて、魚がおいしくて・・という条件はどこの国も似ている。近くの寄木細工のお店や、アイスクリームショップを見ながら歩いているうちにホテルにたどり着いた。

今日はHotel Central Park泊。入口にまた世界中の国旗が立てられていたが、残念ながら日の丸はなかった。部屋に入ってみるとあまり綺麗ではないw 床はタイル貼りで結構寒いし。確か★2つだったからまあこんなもんか。毎度おなじみ備品チェックをしていたら、いきなりドスン!という大きな音がした。何だ?ベランダを覗くと、下の階でスコットとヴァネッサがやっぱりベランダに出ていた。どこかのベランダのイスか何かが倒れた音のようだった。しかしそれだけではない。下はパットとレックの部屋だったが、私たちのベランダから水がボトボトと下の階にしたたり落ちていた。ホントにこのホテル大丈夫かよ?ww ドアも一応鍵はあるけど、ノブの真ん中に押しボタン式のロックが付いているものなので簡単に開けられそうだし・・ま、ここは南イタリアのナポリ。細かいことを気にしていては楽しくないので、お得意の「ま、いっか」でw 部屋でベリンダに私のお気に入りのプリクラを見せ、「こういうのオーストラリアにもある?」と聞くと、あるけどやったことないと言う。やればハマるのに・・。友人の頭上にエンジェルの輪が乗っかったプリクラを見せると、「He's sooooo cute!」と言って笑っていた。さすがNYのワールドトレードセンターで撮ったものだけあって、外人ウケが良いw 食事までの時間にベリンダとメルアドを交換した。ベリンダのアドレスブックは花の妖精の絵でとてもラブリーだった。その中に私のも書いてくれて嬉しい☆夕食はパット、レック、ベリンダ、私の4人が同じテーブルに座った。テーブルには湿っぽいフランスパンが置かれた。おなかがすいていたので仕方なくそれから食べ始めたが、こんなもん?何かジメジメしたところに置いていたんじゃないの?って思ってしまうw 早くまともなものが食べたい。次にウェイター(というか実はそれフロントのおっちゃんなんだけどw小さいホテルだからww)がスープorパスタ?と聞いてくる。え?どっちか選ぶんかーーい!両方食べたいよー、選ぶのがコース料理の決まりなのは分かるけどもさw おなかすいてるのでもちろんパスタよ!しかしトマトソースなのにあまり味がないので、胡椒をたっぷりかけて食べた。メインは薄切りの豚肉三切れくらいとポテトなどの野菜がプレートに乗ってきた。味はいたって普通w テーブルにパットとレックがいると自然に会話が盛り上がって不思議。2人はとても話が面白いので、今夜もずっと笑いっぱなしだった。

夕食の後、軽く散歩がてら近くにコンビ二のような店があったら寄ってみようとパット、レック、ラヒシと4人で外に出てみた。ベリンダに「何か買ってくるものある?」と聞くと、「顔に塗るクリームがあったら買ってきて!」と1万リラを預かった。「OK!」ベリンダはもうシャワーを浴びるようだ。この人めっちゃ寝るの早い。22時にはもう寝ている。肌も髪もツヤツヤなのはこのおかげ?私も見習わないとー。外に出たはいいが、開いている店がほとんどない。ホテルの前の店はチョコレートショップ。そこでプラリネチョコとでっかいたまご型のチョコを買って帰った。ベリンダ、クリームないわ、ごめんね。ホテルのフロントでアイダホから来たサラとそのおじいちゃん夫婦のロイド&アムールに会った。サラは未成年のくせにガンガンビールを飲むし、かなりのヘビースモーカなワルであるw でもサラは悪そうに見えて実はすごく大人で物事を冷静に判断でき、決して差別意識や先入観を持たない賢い子だった。わたしのトロい英語も一生懸命聞いてくれたし、話しててすごく楽しい。おじいちゃんのロイドはもう70歳くらいになるだろうか?いかにもアメリカンなソウルと時折ウインクする青い瞳を見ていると、若い頃相当モテたに違いない。こんなステキなおじいちゃんのいるサラがすごく羨ましいよ。パットもいつもロイドのことをナイスガイと言っていた。ロビーに座って一緒に話したけど、みんなロイドのウィットが効いたギャグに夢中になっていた。部屋に戻るとベリンダはいつものように、ヒッピーっぽいピンクと紫の染物のショールを頭と顔にかけて眠っていた。私はいつもシャワーの音が彼女の耳にうるさくないか気になっていた。なるべく音を立てないようにそっと・・ベリンダ、おやすみ☆明日1万リラ返すの忘れないようにしなくちゃ~。


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