闇金ウシジマくん the Final(2016年)

画像1 闇金ウシジマくん the Finalは小学館ビッグコミックスピリッツで2004年〜2019年まで連載された、真鍋昌平原作の漫画を実写映画化した作品。本作は全4作の映画版の4作目であり、原作の「ヤミ金くん」のエピソードが元になっている。綾野剛氏の出演はPART2、3、The Finalの3作となっている。
画像2 「薫ちゃんいる?」とカウカウファイナンスに突然現れた若者。最初は誰だ?と思った丑嶋だったが、母親が大事にしていたウサギを預けたという話で思い出す。竹本(永山絢斗)は丑嶋や柄崎、戌亥と中学の同級生。金を貸してくれとやってきたが、個人的には貸さないし、ウチはトゴ(10日で5割)だからたけーぞ!と追い返される。
画像3 お金も仕事もなく、上野駅で野宿していた竹本は、肉体労働の仕事を斡旋している男から「1日900円で住める部屋がある。仕事も紹介できるよ。」と声をかけられ、コンビニもない山奥にある「誠愛の家」という施設に連れて行かれる。誠愛の家の「つくしの間」には既に榊原室長(モロ師岡)以下3人の住人がいた。翌朝から早速仕事に連れて行かれ、朝礼が始まった。
画像4 誠愛の家は丑嶋や竹本と同じ地元で恐れられた「鰐戸三兄弟」によって仕切られていた。弱者を低賃金でこき使い、閉鎖的な環境に置いて逃げられない状態にして飼い慣らしているが、金と仕事と住む場所をエサに繋ぎ止められた労働者たちはそこで働くしかない。蟹工船とかカイジとか、そんな世界観みたい笑。
画像5 鰐戸三兄弟。左から順に一(安藤政信)、二郎(YOUNG DAIS)、三蔵(間宮祥太朗)。特に三蔵は過去に丑嶋が喧嘩で脳天をかち割って負傷させたことがあり、誰よりも丑嶋のことを憎み、殺意を抱いている。犀原茜に好意を寄せていた三蔵は、茜にキスしようと迫り、死のキッスの洗礼を受けて以来唇を失い(以下犀原の子供時代で説明)、口元をずっとバンダナで隠している。
画像6 今回のサイドストーリーには、美容界のカリスマ、今井万里子(真飛聖)が登場。化粧品の開発、美容アドバイザー、パーティー主催などで儲けていると思いきや、実は経営は自転車操業状態で、カウカウファイナンスに300万借金をする。返済出来なかった場合は風俗送りにするという条件で、下着のプロフィール写真を撮らせた。セレブ風だが結構ギリギリw
画像7 債務整理が専門の都陰法律事務所の都陰亮介を演じるのは八嶋智人。今井が主催するパーティーの参加者だったが、今井は都陰が弁護士と知って近づいて男女の関係になり、カウカウに借金があることを話す。この男、実は鰐戸三兄弟とも繋がっていて、借金漬けの誠愛の労働者たちを利用してカウカウを訴え、取り戻した金で一儲けしようとしていた。戌亥が債務者を装い、都陰の事務所に過払いの相談に行って内部事情を調査すると、弁護士の資格がない者を雇ってデタラメなカウンセリングで荒稼ぎしていることが分かり、最終的には都陰は懲戒処分になる。
画像8 竹本はつくしの間の同居人で、鰐戸に足を切断された黒田の治療費を借りに、再度カウカウファイナンスに足を運ぶ。後日、誠愛の家全員分の借金を返済に行くと丑嶋に連絡する。「カオルちゃん…強欲は罪だと思う。分け合う気はないか?」と静かに問うと、「それは金を貸したことのない人間が言うことだ。オマエも金貸しやってみろ。」と丑嶋。情状酌量の余地なく、切り捨てられる。
画像9 鰐戸は誠愛の家の人々に丑嶋を尾行させて情報収集する。そして丑嶋がいない時にカウカウを襲撃して、事務所のパソコン等を強奪し、柄崎と高田を人質に取って2億の金を要求。鰐戸たちのアジトにおびき寄せられた丑嶋は1人で乗り込む覚悟です。また、三蔵は犀原茜に唇を切り取られた恨みもあり、手下の村井(マキタスポーツ)も人質に取られた。
画像10 金を用意して現れた丑嶋。引換に柄崎と高田と村井は解放されたが、金を勘定すると1億5千万しかない。5千万は誠愛の家の人々が人生をやり直すために、竹本が丑嶋の隠し金の場所を見つけて抜き取り、鰐戸たちに奪われないようにコインロッカーに事前に隠していた。竹本はロッカーの鍵を榊原室長に預けて、村井を連れて下山し、村井を逃した。
画像11 鰐戸一に銃(実は丑嶋が持っていたのはモデルガン)を奪われて絶体絶命のピンチ?でも鬼気迫る形相で空の手で銃の引き金を引く仕草で、一の向けた銃口を目の前にしても決して屈さない。その気迫に負けて、一は丑嶋を撃てない。そのうちにパトカーのサイレン(戌亥によるフェイクw)が鳴り、外には村井から一部始終を聞いた犀原茜が、悶主陀亞(モンスター)連合の一行を率いて駆けつけていた。
画像12 悶主陀亞連合が鰐戸と戦っている間に、丑嶋はパソコン等を奪い返す。竹本、榊原室長、甲本(太賀)はアジトから逃げ出す。竹本は見つかって丑嶋の車に乗せられる。甲本から竹本に電話が入り、丑嶋は竹本を解放するかわりに金を返せと交換条件を出す。5千万を返せば借金も帳消し、誠愛の家全員に高時給の仕事を与える。竹本を裏切るなら、竹本を時給5万の危険な仕事に売ると。結局甲本だけ丑嶋を信じてロッカーの場所を聞くが、金を持って逃走!甲本は最終的に悶主陀亞連合に捕まり、五千万は奪われる。人間の醜さがモロに出ているシーンです。
画像13 甲本が金を持ち逃げしたことで5千万の借金を1人で背負った竹本。丑嶋は優しくて人想いの竹本を、危険な仕事に送り込むことはしたくなかった。でも丑嶋のポリシーは一貫している。竹本を送り出して別れたあと、柄崎に車を出すように言うシーンがめちゃくちゃ切ない。竹本が今のような元気な姿で戻って来れる保証はない。丑嶋の心はおそらく揺れていたでしょう。でも行くんです。The Finalはストーリーが複雑で、じっくり観ないとその真意を見逃してしまいがちですが、ウシジマ4作品の中で最も人間ドラマに溢れた作品だと思いました。
画像14 おなじみの駄菓子屋シーン。今回は中学生の頃の2人が出てくる。オートレストランというドライブインみたいなところでいつもうどんを食べている。どんな味のうどんなのか気になる〜!戌亥の口グセ「ウチのかあちゃんの店のお好み焼き食べに来てよ。かあちゃん、ウシジマくんが来ると喜ぶからさあ。」子供の頃から大人になるまで変わらず同じセリフ言ってます笑。
画像15 若い頃の犀原茜は玉城ティナ。鰐戸三蔵にキスされそうになった時に上唇を噛みちぎり(通称:死のキッス笑)、後日自宅に忍び込んで下唇も剃刀で切り落としたシーンは強烈!犀原茜は本当にヤバい恐ろしい女です笑。
画像16 中坊の柄崎。転校してきたウシジマくんに紙屑を投げて、拾って捨ててこいと命令するも、「あぁ、ゴミ?テメェのことか…」とあの低いクールな声でかわされていきり立つ。クラス全員を率いて丑嶋をリンチするが、全く屈さない丑嶋に困惑。喧嘩しても押されっぱなしで、口の中に電球を突っ込んで割られるなど、丑嶋のシャレにならない強さを見せつけられ、結局子分になる笑。今の上下関係はその頃から既に確立されていたのだった。
画像17 ウシジマくんの子供時代を演じたのは狩野見恭平くん。出演当時は17歳でしたが、ウシジマくんのクールさと孤立感をうまく表現できた演技がとても良かったです。残念ながら2020年3月で事務所を退所し、芸能活動から引退したようです。

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