新 もういちど読む山川世界史1

前置き

前回の記事から結局10日ほど空いてしまった。
まだ労働者なんだから仕方ない、と自分を慰め甘やかしながら、やっとこさアウトプット第2弾。

遠い昔のことだが、私が高校生だったころ、今と変わらずポンコツ記憶力を誇っており、歴史はあまり好きではなかった。
当時の未熟な私にとって歴史はただの暗記科目であり、特に世界史なんてカタカナや難しい漢字が多すぎて絶対ムリ。。。と思っていた。
せめて日本史ならなじみがあるかもしれない、と日本史を選択し、某予備校の授業のおかげで何とかギリギリ試験を乗り切ったものだ。
もう少し立ち止まって振り返ってみると、当時の私は、世界を目の前のことに限定していたのだと思う。進学校でのハードルの高い勉強、息苦しくもあり本気にもなれた部活、うまくいかない人間関係の中でもやっとできた友人たち。割とキャパオーバーの連続だったので、”ままならない自分”という内側へと向き合うことの方に大いに興味がわいた。
そんな生活の中で、歴史というものには心の底から興味がなかったと言っていい。過去なんて知らん、今このときの私という現象に向き合うことこそが最重要である、と。

大学進学後、初めて歴史の重要性に気づいた(遅いね)。いくら自分の内側を覗いても得られない答えが、世界を広げると見つかることがあるのだと。あれも一つの自立した大人への階段だったと感じてよく覚えている。

ここで本題。重要性に気づいたからといって、特に今まで体系的な学びなおしをしたことはなかった。
ずっと心に引っかかっていたので、ありきたりな動機ではあるものの世界史の学び直し(というか実際は初めまして)をしてみようと思う。
導き手は定番のこちら。

ジャンル:教養(教科書)
編者:「世界の歴史」編集委員会 
発行日:2017/7/31
出版社:山川出版社
備考:『世界の歴史』(世界史教科書)の山川出版社が出した大人向け学び直し教科書

記事の書き方

いかんせん、自分の前提知識がなさすぎる上に、取り扱う情報の性格上、内容が濃くて長いものになってしまう。そのため、タイトルでナンバリングをしながら、少しずつ分割して記事を書いていこうと思う。
また、本文がすでに要約みたいなものなので、細かい要約はせずに興味を持った点と不明点などを記載していく。

序章:文明の起源(P7-12)

序章では人類の出現~旧石器時代~新石器時代を取り扱う。
最古の人類である猿人(約700万年前)から始まり、化石人類と呼ばれるそれらの人類とは異なる現生人類(新人)が現れた。いずれも打製石器を使って採集や狩猟を行っており、その時期を旧石器時代と呼ぶ。
農耕や牧畜を行うようになった約9000年前以降は磨製石器等を作るようになり、新石器時代と呼ぶ。農耕の発達により、単なる血縁の集まりからより社会的な繋がりを要するようになり、貧富や強弱の差が生まれた。前3500年ごろに現在の西アジアで青銅器が作られて以後、神殿を中心とした都市国家が成立する。生産しない貴族階級と生産する担い手の奴隷が発生し、王や市民といった階級と国家が誕生した。神殿への貢納等に用いた記号から文字が生まれ、文明が進歩していく。

また、人種・民族・語族といった言葉の定義がなされる。重要な部分のため引用する。

人類は新石器時代にはいるころから,その居住環境によって身体の特徴のちがいがはっきりあらわれてきた。人類を身体の特徴によって分類する場合に,それを人種という。現在の人種はほぼ3種(モンゴロイド,コーカソイド,ネグロイド)にわけようとする考え方がある。しかしこれらは、現生人類(ホモ・サピエンス・サピエンス)という同一の主に属し、根本的になんらの相違もない。

『新 もういちど読む山川世界史』 P12

民族は、言語や習俗等の広い意味での文化で分類する際の呼び名であり、「共通の言語から生まれた同系統の言語グループ(P12)」を語族と呼ぶ。

おもしろポイント

  1. 猿人から新人に至るまで、脳容積が次第に大きくなっているらしい。しかし何時から人類が言語を使い始めたかは不明とのこと。

  2. 化石人類の時点で火を使えていて、しかも死者の埋葬といった宗教的な風習もあったようだ。それでも我々現生人類とは異なるといわれるのはなぜなのか。

  3. 新石器時代に都市国家が成立し、その過程で記号から文字が生まれたとあるが、コラムには旧石器時代の狩猟採集民も各地の洞窟に絵画を残しており、その中に記号が描かれた絵画も含まれるという(スペイン・アルタミラ洞窟絵画)。

  4. 新石器の仕様とともに、犬の家畜化が始まっている。犬と人間のつながりは長いんだねえ~!

  5. 西アジアの人たちが寒冷期に野生の有用植物を自ら植えて栽培を開始したことが農耕の起源とされる。西アジアの後に黄河や長江、中央アメリカなどで農耕が始まっている。ティグリス川・ユーフラテス川流域から都市国家も始まっており、西アジア(オリエント)すごい。ティグリス川・ユーフラテス川はともに現トルコを源流として、ユーフラテスはシリアを通ってイランでティグリス川と合流し、さらにイラクとの国境あたりでペルシャ湾にそそいでいるらしい。

  6. 新石器時代の前3千年紀の中国大陸で発生した大集落都市は邑(ゆう)というが、教科書に書いている通り氏族(同一血族)が集まって大きくなったもので他地域と同様の都市国家のようだが、参考リンクなどを読むと、血族のつながりがより強いように読める。そのあたり他文明とどう違うのか。(参考リンク:邑 (y-history.net) 、邑 - Wikipedia

わからんポイント

  1. 旧石器時代がいつまでで、新石器時代・農耕牧畜が盛んな時代はいつからなのかが文章だとめちゃくちゃ読み取りづらい。いまだによくわからない。教科書という性格上結構クセがあるな。

  2. 金属器が使われるようになったことで、貧富の差などがうながされ、階級が生まれていくとあったが(P11)、その理由が書かれていない。

  3. 人種についての慎重な言葉選びはよくわかるところであるが、根本的になんらちがいがないのであれば、なぜ分ける考え方があるのかを書いてほしいところ。というか、XX学的には分けて考えている/いたが、教科書としては何か(例えば倫理的観点とか?)の理由があってこのスタンスを取るのだ、と明示してほしい。

たった6ページですごい時代が進む上に、それに反比例するように記事の執筆が進まない恐れがありますね。先が思いやられる……。
おわり。

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