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▶︎ネイルとわたしの距離感

私が中高生だった頃は、かぎ爪のような長いつけ爪や、ストーンやパーツをたくさんデコレーションした爪がとにかく流行っていた。いや、爪だけではない。当時、JKの最先端的な存在だった「ギャル」と呼ばれた人たちはみな、あらゆるところを「盛る」ことに命を懸けていた。

髪の毛やまつ毛、携帯電話にカバン。

私は別に「ギャル」に染まっていたわけではなかったけれど、キラキラにデコレーションされた携帯電話に憧れていた節はあった。私が初めてセルフネイルに興味を持ったのもこの頃で、雑誌のセルフネイルの紹介ページを繰り返し読み漁ったりしていたように思う。

とにかく、頭の先から爪の先まで気を配るのが当たり前みたいな世界で育った私は、今でもやっぱり「爪の先まで手入れが行き届く」ことについては、自然と意識が向いてしまう。

■セルフネイル

学生時代、「大人になったら好きなだけネイルができるんだから、学校にはしてこないでください!」という先生の言葉を聞いて、私は早く大人になりたかった時期があった。でも実際には、会社に勤めると自由にネイルが出来るわけでもなくて、学生時代とさほど変わらない不自由さを実感している。

それでも一応、以前の職場は全くのネイル禁止というわけではなかったので、私の部屋には自然と、色味の違うさまざまなピンク色のポリッシュが増えていった。最近はポリッシュではなくて、ぷくっとした仕上がりが人気のジェルネイルが流行してきているが、私は一貫してポリッシュ派の人間である。

私はジェルネイルをしたまま伸びた中途半端な爪がどうしても苦手なのだ。綺麗な状態を維持しようと頻繁にネイルサロンに通えばお金がかかるし、ジェルネイルは削ってネイルをオフすることが基本なので、爪も傷みやすい。

「お洒落はしたいけど、爪を痛めてまでやりたくない…!」というのが私のモットーだ。もちろんポリッシュだって、除光液でオフした後に保湿などの手入れをしなければ、爪は傷んでいってしまうけれど。

それでもネイルを続けていたのは、綺麗に塗られた爪を見るとそれだけで気分が上がったからで、誰かに爪を褒められた日には、仕事も俄然やる気がでてきたからだった。

■休日の趣味

そんなわけで私は、社会人3年目を過ぎた頃から、平日は週替わりで色味の違うピンクのポリッシュを塗るのが習慣になっていった。そして週末には、ピンク色だけではなくて、少し凝ったネイルをすることがひとつの趣味になっていった。

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遊びに行く先に合わせて、ファッションのようにネイルを変えるのが楽しくて仕方なかったし、左下のフットネイルの青色のように、2色のポリッシュをブレンドして新しい色を楽しんだりもした。

最近、ネイルをあまりしなくなってしまったのは、薬指が赤で塗られた右下のネイルをしたことがきっかけだった。上海ディズニーランドに行くためにデザインしたこのネイル。自分でも結構気に入っていて、友人も褒めてくれたのでかなり満足な仕上がりだった。

でも、事件はネイルを落とした時に発覚した。なんと、薬指の赤色が色素沈着をおこしてしまう事件がおこったのだ。(もともと爪を整えたり、色素沈着をおこさないためにベースコートを塗るのが一般的なのですが、私は手間が面倒でそれを省いていたのです…。)

ただでさえ連日のネイルで弱っていた爪に赤色の色素沈着が起こり、さらには爪の表面に凹凸ができ始め、最終的には爪の3分の1が真横に割れる始末。

サラッと書いたけれど、かなり痛かった…。

そこで私はやっぱり「お洒落はしたいけれど、爪を痛めてまでするものじゃない」と再認識させられた。

■ネイルとの距離感

2020年のGW期間中、初めての自粛生活を余儀なくされたわたしは、友人の勧めもあってネイルチップを作って暇を潰していた。自分の爪にデザインするには難しくて諦めていたステンドグラス風ネイルだったり、花を描いたネイルだったり、これまで挑戦しようとして諦めてきたデザインを中心にネイルチップを作った。

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自分の爪はその後、オイルを塗ったり、爪用の美容液を取り寄せたり、本を読んだりして痛みきった爪の修復に全力を注いだ。爪が生え変わるまでの辛抱だとは思いつつも、見るたびに心が痛んだのだ。今ではすっかり元通りの爪に戻ってくれて、安心した気持ちでいっぱいである。

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noteを始める前、これからの自分のやりたいことを考えたときに、いつも頭によぎったのはこのネイルのことだった。一時は真剣にネイルの勉強をしようかと思ったこともあったけれど、私はどうも発想力に欠けるところがある。

これは文章を書く時もそうだけれど、お題をもとに書いたりする方が書きやすい。ネイルについてもそうで、他の人のデザインを参考にしてネイルをすることはそれなりに出来るけれど、ゼロから生み出すことはあまり得意でない。

ネイリストを目指してみたらと言ってくれる友人もいたけれど、私はたとえ他人の爪であったとしても、傷んでいく爪を想像すると心が痛む。

だから私はきっとこれからも、趣味として適度にネイルを楽しんでいくのだと思う。自分の爪へのネイルも、手入れをしながら適度に行っていくつもりだ。これが私の、ネイルとの程よい距離感。

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■あとがき

仲良くさせてもらっております、だいふくだるまさんよりバトンを受け取りまして、今回はこちらの企画に参加させて頂きました。

◎【オススメマイカルチャー】
本でも、漫画でも、音楽でも、映画でも、考え方でも、推しの人物でも、なんでもいいです、ご自身が薦めたいマイカルチャーをnoteに書いてください!表現や書き方は、もちろん自由です!

まずなんといっても、だいふくだるまさんがこの企画のために書かれた記事が秀逸すぎて…!この記事の次にバトンを譲り受けて、一体何を書こうかと、いい意味で勝手にプレッシャーを感じておりました。

悩んだ挙句、今回はいつかnoteに書きたいなと思っていた趣味のことを書かせてもらいました。カルチャーというのとは少し違うのかもしれませんが、noteでまだ見せていなかった一面を出せたのかなあと思っています。

「異文化」と聞くと、まず思い浮かぶのが海外のこと。私はほとんど海外に出たことがないので、記事などを通して海外のことを知ると、私の知っている世界なんて、ほんのちっぽけなものにすぎないんだなあといつも感じてしまいます。

そしてきっと、この閉鎖的で安全な国に住み慣れてしまったおかげで、私には外の文化を頭で受け入れることは出来ても、実際に適応する力はあまりないかもしれないとも思っています。

だから私は、きっと私が体験することは出来ないであろう旅での様々な出会いを楽しめる人に本当に憧れる。そんなわけで皆様もぜひ、この素敵な記事に目を通してみてください。

では、次のバトンを誰に渡すかについてですが。

一旦、主催者チェーンナーさまにお返しすることにします!

というわけで。

主催者さんにバトンが返ったところから、また素敵なカルチャーへと繋がっていくことを祈っております。最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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