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素敵マダムに学ぶ、洋服の選び方

■ その1

ある時、私にこんなことを教えてくれた素敵マダムがいました。

失敗しない洋服の買い方のコツは、ショッピングに着ていった服に合う服を買うか、必ずその場でひとつのコーディネートを完成させてから買うこと。その時には、試着をすることも忘れずにね。

これはあくまで私の経験ですが、洋服を買いに出かけると、マネキンが着ている洋服がなぜかとても可愛く見えたり、セールなどで値段が下がっている洋服をついつい買ってしまったりしませんか?

ショッピングの時の試着はするって方も多いと思いますが、「今着ている洋服に合う服を買う」っていう買い物の仕方は、どちらかというとあまりしないような気がします。

素敵マダムの主張はこう。

一目ぼれで洋服を買ったり、あのアイテムに合うはずと想像したりして買うと、クローゼットに合わせられる洋服が無いとか、実際に組み合わせてみるとどこかしっくりこないという状況が生まれる。

そうすると、結局その洋服に合う服を新たに買わなくてはならなくなる。だから、買い物に行くときには、買い足したいアイテムに合わせる服を身に付けた状態で買い物に行くべき。

つまり、私がよくやっていた衝動買いや想像力を働かせた買い物というのは、余計なお金を使い、クローゼットをパンパンにする原因だったということです。

コーディネートを完成させてから洋服を買ったり、今着ている洋服に合う服を買うというサイクルを繰り返すと、買わなければよかった!って後悔することは無くなるし、クローゼットで遊ばせておく服もなくなります。また、自宅でいちいちコーディネートを考え直さなくていい点でも、この方法は凄くオススメです。

■ その2

本当に気に入っている服だけを着よう。自分によく似合って、自分らしいと思える服を着よう。自分のスタイルを確立すれば、どんな服を買うべきか迷わなくなる。古い服や似合わない服は、処分するか手放すこと。

これはジェニファー・L・スコット著「フランス人は10着しか服を持たない」というパリの素敵マダムを題材にした本の一部を抜粋したもの。

自分のスタイルを確立する。そうはいっても、自分にどんな服が似合うのかって、意外と自分では分からないことも多いから困ってしまいますよね。

「自分をどんな人間として印象付けたいか」を考えて、服を着る。

私は上品で、出来るだけ身体に合ったコンサバ系のファッションが好きなのですが、そういった洋服に身を包んでいると、周りから”素敵だね”って言ってもらえることが多くあります。

私が上品かどうかは置いておいて、印象としては"上品そうに見える”のがこのコンサバ系のファッション。自分からも周りからもしっくりくるこのファッションが、自分らしいスタイルってことなんだろうなって私は思っています。

ライフスタイルに合わせて、ファッションの好みや着られる洋服というのは変わっていくものだろうけれど、自分のスタイルを分かっておけば色んな系統の洋服に手を出してクローゼットを洋服だらけにしてしまうことはなくなるような気がします。

洋服の系統選びに迷った時には、どんな自分に見せたいか、そんな視点で洋服選びをしてみるのもいいかもしれません。

■ その3

いくら自分らしいスタイルが分かったからといっても、別のスタイルにも挑戦したくなるのが人の性。イメージを壊さない程度のちょっとした”遊び”は、ファッションを楽しむ秘訣のようにも思います。

ファッションには流行というものがありますので、そういったアイテムから探してみるのもひとつ。ただ、最近はパーカーだったりダボっとしたデザインの洋服がとても多くて、私としては、自分のイメージする洋服に出会えないのが悩みの種。

以前、靴選びの話を記事にしましたが、足のサイズが小さいという事は、もちろん身長(その他体格)も小さいわけで。丈やデザインによっては”洋服に着られている”ように見えてしまうことがあるので、身体にあったサイズというのが上品さに次いで、服選びの大きなポイントなのです。

「ダボっと着るのが可愛いんですよ~」

なんて、試着しなくても大きいと分かる洋服を目の前にして繰り出されるそのセールストークは、私にはナンセンスとしか言えません。もちろん洋服のブランドにはそのブランドのイメージがあるので、そういうお店ではあまり服は買わないのですけどね。

海外ブランドの方がサイズ展開が豊富なこともあり、私はよく輸入ブランド店を利用するのですが、とあるお店で、私は凄く素敵な店員の方に出会いました。

その方は、以前ニューヨークの支店で勤務していた経験があるという40代後半~50代くらいの女性。

たまたまスカートの試着をお願いしたのがその方というだけだったのですが、その方は「せっかく私に声を掛けてもらえたので、一人でのお買い物では選ばないような洋服の中から、お似合いになりそうなものを私が選んでみてもよろしいですか?」って仰ったんです。

その日は時間もあったし、私は”他の人から見て自分が似合うと思う洋服”というのに凄く興味を持って、「では、この白黒の縦ストライプスカートに合う洋服をお願いできますか」と頼みました。もちろん、嫌だったらスカートだけ買って帰るつもりで。

そのスカートとの組み合わせとして、その日着ていたような無地のトップスくらいしか思いつかない私。でも、その店員さんが私の元に持ってきたのは、まさかの青色に大きめの花柄が描かれたブラウスとオレンジ色のカーディガンだったんです!!!

…いやいや。まず、青とオレンジですよ。それに、柄と柄。正直頼んだの失敗だったかな、って思ってしまいますよね。でも一度頼んだ手前、とりあえず私はそのアイテムを持って試着室へ向かいました。

そして全てのアイテムを身に付け、鏡を見た私は衝撃を受けるわけです。

あれ…?意外としっくりくるんだけど…!って。

柄と柄を掛け合わせているのに決してうるさくなることはなく、カーディガンのオレンジも朱色に近いような深みのある色味だったので青色のブラウスと喧嘩をすることもない。ひとつひとつのアイテムの主張は激しいけれど、組み合わせてみると調和がとれて、上品さすら感じさせるコーディネートとなっていました。

私は、こんな提案をしてくれる店員さんと出会ったのも何かの縁だ!と思い、そのコーディネート一式を購入。(ボーナスがでたばかりでよかった!笑)

後日そのコーディネートで友人に会った時に、(私が選ばない組み合わせというのも分かるので)凄く新鮮だけど、とても似合っているよって言ってもらえて嬉しかったのを覚えています。

その後も、素敵な仕事をするそのマダムにスタイリングしてもらうために何度かお店に足を運んだのだけれど、しばらく行かない間に転勤されてしまったことが残念でなりません…。

洋服くらい自分の好きな服にこだわって着たいとも思うけれど、たまには他の人から見て自分に似合う服というのに挑戦してみるのも悪くないなって思いました。

靴選びはこちらの記事に書いていますので、よければ併せて読んでみてくださいね。

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