自分のエネルギーは無限ではないことに気がつけたお話

ずっと勘違いしてた。頑張ればなんでも手に入る、と。

もしかしたらあの頃の自分は挫折らしい挫折をしたことがなかったのかもしれない。

そんなつもりはなかったけれど、クラスに1人は必ずいる優等生みたいなところがあったのかも。

でも、あの頃自分は大きな挫折を味わった。詳細は暗くなるので控えるが、自分の人格形成の中のちょっとしたディスオーダーが祟って、痛い目にあった。

分からなかった。どこにどう向かえばいいのか。自分の苦しみに毎日どう向き合ったらいいのかも。

それで私は富士山に登った。

日本一高いところに、答えが見つかるかもしれないと思って。

でも、何にも見つけられなかった。社会人になってから運動らしいことは一切していなかったけれど、若者の頃にスポーツに明け暮れた自分にとって、富士山登頂はあまりにも簡単だったのだ。

それで今度はフルマラソンを走ることにした。三ヶ月先の試合をめがけて、仕事帰りには皇居ラン、週末にはジム通い。コンディションは上々だった。

でも今度は富士山登頂ほど簡単ではなかった。試合前日、なぜか足の付け根が痛い。人生初のフルマラソンで調子に乗り、スタートからハイペースで飛ばしたのも悪かった。折り返し前あたりで、足が動かなくなった。

最後は這うようなゴールだった。フルマラソンがあんなに過酷だとは、やってみるまで知らなかった。

でも、その後、じわじわと気がついた。人のエネルギーは決して無限ではないということに。

挫折を失敗と位置付けて、失敗した自分を責め続けたけれど、そんなふうに感じなくてもいいのではないか。世の中には頑張ってもうまくいかないことだってきっとある。

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頑張れば、その先にきっといいことがある。

でもそれだけが全てではない。人のエネルギーは有限なんだから。

大事なのは、頑張る自分を優しく包み込んであげられる自分。

自分にもっと寛容になろう。

10年以上前のマラソンのゴールの先に、こんな宝物を見つけました。

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