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ファンドの運用方針

1. プキファンドの運用方針

我々は現在、プキファンドで13社の米国企業に投資・運用しています(投資信託は除外)。

ファンドの目的が、Leahの将来の学費ややりたいことの資金を稼ぐこと、ファンド運用を通じて、金融や世界に大きな影響を与えている素晴らしい企業について学ぶ機会を与えることであることから、アクティブ且つ各投資先企業の姿が見えやすい集中投資のスタイルを取っています。

運用にはジュニアNISA口座を利用しており、運用期間は20年と長期を想定しています。期中の売買によるキャピタルゲインでなく、長期間、厳選された企業に投資し続け、複利効果を得ることでリターンの獲得を狙います。

2. 投資先の選定方法

以上の通り、A. 集中投資B. 長期運用というファンドの運用方針を踏まえた上で、我々は以下の特徴を持つ企業を選定して投資を行います。

  • 外部環境:長期的に成長する、少なくとも縮小しない業界に属している企業

  • 参入障壁:長期的に競争優位性を維持することができる参入障壁を有している企業

  • 付加価値の見えやすさ、事業の面白さ:長期的に、目に見えるような分かりやすい付加価値を生み出せる企業、面白いと腑に落ちやすいビジネスモデルを有している企業

2-1. 外部環境

上述の通り、プキファンドの運用期間は20年と長期間を想定しています。20年もの期間があれば、社会は大きく変動し、それによって競争環境が大きく変わり、衰退する企業や業界もあるでしょう。
一方、長期的な外部環境変動を味方につけられるような企業、外部環境変動を受けながらも、強固なファンダメンダルを維持できる企業も存在すると考えられます。プキファンドでは、これらの外部環境変動を長期的に味方にできる企業、少なくとも大きなマイナスの影響を受けない企業を投資対象とします。

外部環境変動を長期的に味方につけられる企業の例として、人工心臓弁の世界トップシェアメーカーである、Edwards Lifesciencesが挙げられます。同社は開胸手術をせず、カテーテル手術によって心臓弁置換を行うTAVI (経カテーテル大動脈弁留置術 / Transcatheter Aoric Valve Implementation) という領域でトップシェアを有する、弁膜症治療のパイオニアです。
弁膜症は高齢者ほど発症のリスクが高く、先進国を中心に、人口の高齢化とともに治療ニーズは今後も高まっていくと想定されます。また、Edwardsが強みを持つTAVIは、患者の手術負担を大きく低減することで、患者のQuality Of Life向上にも貢献します。世界的に高まる、健康寿命延伸ニーズにも合致しており、今後は重症患者以外への低侵襲治療の方法として普及が期待されます。Edwardsは、このような外部環境の変化を味方につけ、長期的に成長していくことができる企業であると考えています。

2-2. 参入障壁

経済学の基本原理として、儲かる業界ほど競争が激しくなり、業界全体の収益性が長期的に低下していくとういう傾向があります。新興国企業の参入によって淘汰が進んだ、PC業界等が典型的な例といえるでしょう。
一方、一部の業界では、既存プレーヤーが強固な参入障壁を築き、ライバルの新規参入を防ぐことで、長期的に高い収益性を維持できるという特徴があります。あくまでも一般論ですが、そういった業界はイノベーションによる変化の影響を受けない、一見すると地味な業界である傾向が多いと言えます。プキファンドでは、イノベーションによって目まぐるしく変動する業界の勝ち馬を当てることよりも、イノベーションによって陳腐化しない業界の中で、強固な参入障壁に長期的に守られているような、一見地味ながら強靭な企業を選好します。

強固な参入障壁を有する企業の例として、米国の鉄道運営会社である、Union Pacificが挙げられます。同社は米国の西海岸で鉄道を運営し、穀物、資源、工業部品等を運搬しています。
米国の鉄道業界は過去の大規模な統廃合を経て、同社を含む大手4社に集約されており、さらに西海岸、東海岸でそれぞれ2社ずつでシェアを分け合う寡占的な構造になっています。仮にライバルが鉄道業界に新規参入するとしても、新たにレールを引いて、これらの寡占的な企業と競争していくというのは、必要となる投下資本や規制の観点から非現実的と言えます。また、輸送業界は自動運転技術や電動トラック等、革新的な話題も多い業界ですが、約200年もの歴史を有し、現在も付加価値を生み出し続けている鉄道業界に関しては、これらに代表されるイノベーションによって代替される、または現在の姿が大きく変わるようなリスクも低いと言えるでしょう。
革新のスピードが早い業界に属する企業に比べると華やかさはありませんが、Union Pacificは、20年という長期運用期間に耐えうる高い参入障壁を持った企業と言えるでしょう。

2-3. 見えやすい付加価値

冒頭の通り、我々はプキファンドの運用を通じて、Leahに企業が社会に与えられる素晴らしい影響を学ぶ機会を得てほしいと願っています。よって、投資先の選定では、企業が生み出す付加価値の分かりやすさ、興味を引き立てられるような面白いビジネスモデルを有しているかという点も重視します。

この項目の例としては、先述のEdwards Lifesciencesのような、人の生命に関わる企業もそうですし、大手証券会社のCharles Schwabような、顧客に付加価値を提供する為には、自己破壊を厭わないようなカルチャーと、その自己破壊を通して、むしろ付加価値を拡大していけるユニークなビジネスモデルを持った企業が挙げられます (Schwabについては、今後別途解説記事を掲載予定です)。
我々はこれらの企業の運用を通じて、Leahになるべく早くから、企業が果たす社会的意義を知ってもらい、将来自分のキャリアを決めていく際の選択肢を増やしてもらいたいと考えています。

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以上の通り、プキファンドでは資金面、教育面から、Leahに長期的なリターンを得てもらうことを目的としています。そして、その達成のための運用方法として、外部環境、参入障壁、付加価値の見えやすさや面白さの3点を選定基準として、厳選された企業に長期集中投資を行います。

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