ビジネスパーソンの4タイプ
ビジネスパーソンを分類するやり方は色々ありますが、少し前にクライアントから聞いた分類の切り口(軸)が面白かったので、それをアップルなりに多少のアレンジを加えてご紹介します。
クライアント曰く、ビジネスパーソンの分類軸は2つあるとのことでした。
軸①:何が仕事の原動力になるか?
これは大きく、社会・顧客重視 か ミッション重視 かに分かれます。
社会・顧客重視の人は、自身が所属する会社・組織というよりは、事業が向き合っている顧客、さらにはその先の社会に対してどのような価値を提供するかを重視します。目の前の顧客の満足度を重視する人(お客さんからの感謝の声が最もうれしい)、あるいは、事業を通じた社会課題解決、社会価値の提供を重視する人です。価値の源泉は、組織の中にではなく、組織の外にあります。
一方、ミッション重視の人は、所属する組織において自身に与えられたミッションの遂行を重視します。例えば、販売ノルマを課された営業マンで、手段を問わずノルマ達成を目指すような人がその典型例です。また、売上・利益目標を死に物狂いで達成しようとする事業責任者もこれに該当します。与えられたミッションを達成し、組織の中で評価されることが、このタイプの人のモチベーションです。
軸②:どのリソースを重視するか?
これは大きく、ヒト重視 と カネ重視 に分かれます。
ヒト重視の人は、社内外問わず、ヒトとの繋がりを重視します。部下の面倒見の良い中間管理職や、社外に人脈を多く持つビジネスパーソンがその典型例です。
一方、カネ重視の人は、ヒトよりもお金を重視します。投資家やバンカーがその典型例です。サラリーマンの中だと、経理、財務部門の仕事を好んで従事する人は、どこかお金重視の傾向があるのかもしれません。
ビジネスパーソンの4タイプ
以上の2軸でマトリックスにすると、ビジネスパーソンは4タイプに分類されます。
左上:社会・顧客重視×ヒト重視
右上:社会・顧客重視×カネ重視
左下:ミッション重視×ヒト重視
右下:ミッション重視×カネ重視
社会・顧客重視×ヒト重視(左上)
起業家が典型例でしょう。解決したい社会課題や顧客課題が明確にあり、その解決のために事業を起こす。事業を立ち上げ、拡大するために、次々と仲間を集める。こうした行動原理は左上の価値観が背景にあってのことだと思われます。
社会・顧客重視×カネ重視(右上)
投資家が典型例です。例えばPEファンドで仕事をする人は、社会や顧客の課題を、ファンドの資金を通じた事業投資によって解決したいと考えていると思われます。
ミッション重視×ヒト重視(左下)
多くの典型的なサラリーマンが該当すると思われます。昔ながらの日本企業は、未だこの象限に該当する社員が多い印象です。
ミッション重視×カネ重視(右下)
前述のとおり経理・財務担当者が一つのペルソナとして該当します。P/Lの数字へのコミットが殊更に強い中間管理職や経営層もこの象限に該当すると言えるでしょう。
コンサルタントはどの象限に分布するのか?
最後に、「コンサルタントはどの象限に分布するのか?」という点についてアップルの見解を示しておくと、
・左下が最も多い
・一部の人が左上。近年、左上が増加傾向
・右象限にはあまりいない
となります。
コンサルティングはヒトと向き合う仕事です。プロジェクトチームのメンバーとも密なコミュニケーション、協働が必要ですし、クライアントの人々とも丁寧に向き合う必要があります。そのため、ヒト重視のマインドをもっていないと長続きしない仕事だと思います。
ミッション重視か、それとも社会・顧客重視かは、個々のコンサルタントの価値観によりますが、一般的には、ファームにおける役職によって変わるというのが見立てです。
ジュニアのコンサルタントは、プロジェクトチームの中でのミッションが明確に定められ、そのミッションの遂行(与えられたパートの論点群に答えを出すこと)がまずもって求められます。社会や顧客以前に、PMの下でミッションの遂行ができないと一人前として認められません。
一方、シニアのコンサルタント、ファームの階級で言えばSM以上になると、社会・顧客重視に少なからずシフトしていきます。まず、クライアントに対するアカウント責任者、案件責任者の立場になるため、クライアント=顧客のことは否が応でも重視せざるを得ません。
また、パートナーレベルになると、目の前のクライアントの枠を超えて「クライアント支援を通じて、どうやって業界、産業、社会に価値を付けるか?」ということを少なからず考えている人が多いと思います。
アップル自身も、コンサルタントの初期から中期(シニアコンサルタント~マネージャー)は左下の象限でしたが、シニアになるにつれてクライアントおよびその周辺の社会課題への関心が高まり、今では左上の象限で仕事をしている感覚があります。
あなたは、4タイプに照らしたとき、何タイプでしょうか?その理由は?
あなたのまわりのビジネスパーソンはどうでしょうか?
こんなことを考えてみるのも、面白いかもしれません。
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