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先生からの別れの宣告、その直後

先生から別れを宣告をされた時、とにかくその出来事を信じることができなかった。
『結婚して、将来に渡ってずっと一緒にいる。』
先生は、はっきりそう約束してくれた。

別れの宣告を信じられなかった理由は、それだけ。
私は、無条件に、無批判に、無抵抗に、先生の言葉を信じていた。
17歳の自分には、人の心がこうも簡単に変わってしまうとは、到底信じられなかった。

私の頭の中は、『どうしたらまた元に戻れるのだろうか。』ということで一杯になった。

別れを宣告されたのは、高3の夏休み中の7月末から8月の頭くらいの時期だったと思う。
受験生として、勉強に励まないといけない時期だった。

当然のことながら、勉強が手につかない。
悲しくて悲しくて、辛くて辛くて、何もする気が起きない。

勉強をするどころか、食欲もなくなり、夜寝ることもできない。
幸い夏休み期間中で、特に塾にも行っていなかったので、自分の部屋にさえ居さえすれば、親から異変を察知されることはなかった。

この時には、まさかこの後自分が学校に行けなくなるとは思いもよらなかった。学校は行かなくてはいけないもの。嫌なことがあっても、我慢して行くもの。行くべきもの。行けるはずのもの。

不登校という状態があることは知っていたけど、なぜ、どういう事情でそうなるのかという問いに思いを巡らせたことはなく、自分とは関係がない世界の出来事だと思っていた。

心の弱い人がなる者、未熟な人のわがまま。そんな風にも思っていたかもしれない。

そんな『イレギュラー』な出来事が、自分の人生に起こるとは思っていなかった。

そうこうしているうちに、2学期の始まりが日に日に近づいてきた。

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