口を塞がれた自分

私は、かつて自分が口を塞がれていたのだと思い出す

そして、私に唯一残ったのは「言葉」だった
それだけを頼りに、今日まで生きてきた

世の中に、「私」を表す言葉がないとき
人はどのようにして生きていくのだろう
世の中の人の話していることが、まるっきりの逆さまで
私の話すことがことごとくそれに絡め取られてしまうとき

人は皆、大なり小なり自分を誤魔化して生きている
私には、それができなかった

「私」を離れた言葉は、無責任に漂い
全く違うものになってしまった……

医師はかつて言った
それは受け手の問題だったりもするんだよね
そう
あなたと違う私は、いつでもそれにぶつかる
全力で

彼らに私ほどの強さがないなら
それは私のせいではない
方便として、より伝わる方法を模索すればいいけど
それは私の問題

人は誰も他人には強制できない…‥

そう、本人が決めること
それが子どもであっても
決められない環境であっても
私は自分を見つめ、自分のしたいことをするだけだ
他人の意味づけには惑わされない

さようなら
再び……