ディケンズの『クリスマス・キャロル』を愉しむクリスマス

今年もクリスマスの季節がやって来た。チャールズ・ディケンズの『クリスマス・キャロル』を愉しむのに、これほど適した時期はないだろう。

『クリスマス・キャロル』は原作の英語版小説は勿論、翻訳本、映画やミュージカルでも物語に触れることができる。

ディケンズは19世紀ヴィクトリア朝のイギリスの文豪として名高い、道徳感を示すような作品を数多く残した小説家である。『クリスマス・キャロル』以外にも、『オリバー・ツイスト』や『大いなる遺産』など、世界名作文学といった全集で読んだことのある人も多いかもしれない。

私は大学の学部時代に、教授主催の英文学の読書サークルで初めてディケンズを読んだ。参加者は事前に課題本(基本的には翻訳版可)を読み、当日は院生が作品背景を説明し、教授主導でディスカッションをするといった形式だったように記憶している。そこで『オリバー・ツイスト』を読み、『クリスマス・キャロル』を読んだ。物語が展開する速度や結末の納得感が読んでいて心地よく、当時のイギリス社会に思いを馳せるだけでなく、ディケンズの道徳感に何だか心が救われたような感覚を抱いたのを覚えている。

それから数年経って、昨年12月、久々にディケンズの『クリスマス・キャロル』を読む機会があった。ほぼ毎日3年間ほど続いているオンライン英会話で、気の合うイギリス人講師(なんと、オックスフォード大卒!)と『クリスマス・キャロル』を10回程度に分けて一緒に読んだ。

とても優秀な先生で、オックスフォード大学では英文学を専攻し、現在は南米で学校教育のボランティア中だとか。志が高くて、話していて刺激を受けられる、いい先生に出会えてラッキーだった。原文を一緒に音読しながら、質問したり、感想を交換しあえて、とて有意義な時間過ごせたものだ。

今年は、クリスマス・イヴの昨夜に映画版の『クリスマス・キャロル』を見た。過去に見たことのある映画だが、何度見ても、心に染み入るものがあるように感じる。

こちらのバージョンはAmazon Prime会員だと見放題対象だ。クリスマスの今日は、こちらを見ようかと思っている。

2020年はいつもと違った生活をせざるを得なかったと思う。そんな中でも、クリスマスは心が温まる映画や本に触れたい方には、ディケンズの『クリスマス・キャロル』を愉しんではいかがだろうか。


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