私が副会長になった話2

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「どうした?何かあった?」
食卓につくと、親に声をかけられた。
「Tさん生徒会やめるって。どうしよう、自分のせいだ....、辞めないで欲しかった」
「でもそれは選挙の結果だからりんごのせいでもないよ。でも、その方が良かったんじゃないの」
いいわけないじゃん。なんでそういうのかなぁ、と正直言っていることがよくわからなかった。

次の日、昼休みから一般生徒の入場が始まった。3年生に対しての整列指導は正直何もしないで終わってしまった。

あっという間に式が始まり、初めは私たち本部役員の認証だ。
「生徒会副会長 りんごさん」
「はいっ!」
体育館に私の声だけが響いている時、認証されることのないTさんは列から外れたところでポツリと座っていた。

昨日散々に言われた呼名は、あのあと家でもたくさん練習したおかげで、最低限のミスにすることができ、ほっとした。

放課後の反省が終わると、3年生の先輩とTさんはあっけなく生徒会室を後にした。

元々の知り合いはゼロ、一年の女子は私だけ、何より人見知りの私は、ただひたすらに1人で汚れた絵の具カップをスポンジで磨く日々を1ヶ月ほど続けていた。
あれ?生徒会って仕事自体は簡単で意外と地味なんだな。
私は大きな勘違いをし始めていた。

ある日、生徒会番組の3回目の撮影があった。番組内でのMCを副会長が二人で担当することになったのだ。
それまでの2回の撮影では、私ばかりが台詞を覚えられずNGを出してしまい、みんな笑って許してくれたが、明らかに迷惑をかけていた。
しかし、70%くらいの覚えで撮影に臨んでしまい、また私は同じ失敗を繰り返してしまった。
今まで私は先生に叱られたことがなかった。だから、いつも温厚な先生が低めのトーンで「りんごちょっといい?....」と私に注意をした時、まず最初に恥ずかしさそして自己嫌悪にかられた。
4回目の撮影はとても緊張しながらも1度もNGを出すことはなかった。やはり私にとってあれは効果抜群だったようだ。

私に欠けていた超基本のことをこれから、本当に少しずつ知ることになる。
でも私は、自分がとてもしっかりしている人だと思い込んでいたわけだ。

#副会長 #生徒会 #中学生 #学校 #学生

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