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自分にとって大事な時間とは?

何か月も前から予定していた1週間の休暇に無事に入れた。

最近、改めてワーママはるさんの「やめる時間術」を読んでいる。

そこには、「自分の理想の1日を書いてみて下さい」という項目がある。私は改めて自分が本当に過ごしたい時間とは何か?を考えてみた。

本当に過ごしたい時間とは?

答えとしては当たり前だが「自分が本当にやりたいこと」の時間ではないかと思った。私は普段、仕事が中心で、その周辺に家事育児があるみたいに1日の大半が「やるべきこと」で占めている。

でも、それは「本当にやりたいこと」なのか?

休みに入って振り返った所、全然そんなことはない気がした。普段の毎日は「やるべきこと」が大半であるために、「本当にやりたいこと」はほとんどできなかった。

私が本当にやりたいこととは?

休みの初日からアクシデントがあった。

初日は母が40年以上前に行っていた中華料理店に妹と連れていくことになっていた。

母は専業主婦だが、20歳の頃、約1年だけ会社員をしていた。会社は我々田舎者からしたら超都会、大阪市内のビジネス街にある。母は会社の人と近くの中華料理店にランチに行っていたそうだ。そこは華僑の人がやっていて、とてもおいしく、先日テレビで取り上げられていたので、また行ってみたいなと言っていた。

母はずっと大阪の田舎に住んでいて、足が悪くて体力もそんなにないから遠出はできない。片道1時間強の大阪市内でも行くのがやっとである。よく母が〇〇に行ってみたいなと言っても、いつか行けたらいいねという感じで終わっていた。でも、最近コロナ禍で、いつかできると思っていたことも突然できなくなることもあるのではないかと思い始めた。

そこで、私は半年近く前から休みの日に母をその中華料理店に連れていこうと思っていた。一人暮らしの妹も誘ったら仕事を休んできてくれことになった。世間はコロナ禍だが、普段めちゃくちゃ自粛しているので、1日ぐらい、平日の人の少ない時間帯に行ってもいいかなと思っていた。

何か月も前から予定していて、家族にも言っていた。にも関わらず、当日母から「父がコロナなのに行くのはおかしいと怒り出した」との連絡があった。

私と妹は「え、今…?!」と思った。父は仕事なので元々中華料理店には行かないことになっていた。父はコロナも心配だが、専業主婦の母が外出することに元々良い印象を持っていない(「仕事してない奴が遊びに行くな」という男尊女卑っぽい考えがある)。でも私は半年近く前から描いていた夢…そして緊急事態宣言もちょうど明けたのに…と愕然とした。

すると、妹も「実は私も行くのはちょっと心配やった」と言い出した。私たちは元々大阪市内で用事があったが、妹の言うことも一理ある。大阪市内はやめて、私と妹が実家に帰って弁当を買ってみんなで食べるか?と提案した。

それなら父もOKと即、満場一致。私と妹は実家に向かった。

女3人で弁当を食べながら、何気ないことを脈絡なく喋る。弁当も実家の近くに最近できた手作り弁当屋さんで、3人ともそこの弁当が好きだった。ビジネス街の華僑がやっている中華料理店とかどこへやら、田舎町の弁当屋の弁当はうまいうまいと言いながら、どうでもいい話で永遠に盛り上がっていた。

母はポツリと「家の方が落ち着くな」とこぼした。

妹も3人で喋れたらよかったみたいだ。私もそれがやりたかったのだと気づいた。

母がやりたいことについていく

母が私たちを最寄り駅まで車で迎えに来てくれた時、車内に街歩きのパンフレットがあった。母の実家がある街で街歩きのスタンプラリーをしているそうだった。

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歴史あるスポットを回ってスタンプを集めたら景品がもらえる、母はそれがしたいんだと力説した。私と妹は電車に乗ってきただけで疲れて、もうお昼ご飯が食べたいと思っていた。母がそのスポットに向かって車を動かし始めたので、慌てて止めた。

妹と私「なんでそんなにスタンプラリーがしたいん…?!」

でも、お昼ご飯を終えて、母が行きたいならということで、スタンプラリーに向かった。まずは前日母は行ったが、とてもいい所だから2人も見てと言われて蟻通神社という所に行った。

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(パンフレット。スタンプを貼る台紙は母が集める大事なものなので回収された…笑)

その神社で話題になっているものの1つに人面魚があった。前日母が行った時にはわからなかったが、たまたまいた神社のおばあちゃんが教えてくれて、私たちは人面魚を見ることができた。

おばあちゃんは3人も来て下さったので…と神社の土日しか開けない所を開けて、中を見せてくれた。その神社は紀貫之にまつわるエピソードがあり、紀貫之関連の書物や絵、また時期的に沢山の雛人形が飾られていた。

母は歴史好きなので、目を輝かせていつまでもその場にいた。母は足が悪いし、父が外出を好まないので、買い物とか最低限の外出しかしてこなかった。でも、田舎の家に引きこもっていても、よくテレビを観て、私や妹よりはるかに歴史や世界情勢のことを知っていた。

私も普段見られない歴史的な書物などが見られて、興味を持っていたが、母とは比較にならない。妹はとうに飽きて、母が背中を丸めてずっと書物を見ていた所、ふざけてお尻を蹴っていた。

その後も旧新川家という所に行って、2か所でスタンプをもらった。母はまだ行きたそうだったが、私と妹は疲れて帰ることにした。

母はなんでこんなにスタンプラリーにハマったんや…?
自分の故郷だから? 歴史が好きだから?
故郷×歴史×スタンプ集めて景品…そのかけ算にハマったんかな…?

その日は思いがけず、母の意外な一面も見れた。

大切な人との時間を大事にしたい

街歩きは私も楽しかったが、何より母が楽しそうだったことが一番だと思った。
母とは離れて暮らしているから、一緒に過ごせる時間は限られている。母ももう少しで高齢者。いつまでも一緒に過ごしたいと思っていてもそうはいかない。年齢的なこともあるし、いつ何があるかわからない世の中である。
妹も一人暮らしだし、仕事もあるから3人が集まることは本当にたまにしかない。

他の人から見たら何でもないが、母と妹は私にとっては何でも話せて受け入れてくれる、大切な存在だ。母と妹と3人で脈絡のない話をして、行きたい所を回る。一緒に時間を過ごす。たとえこれが生産性のない時間だとしても、私はこれが本当にやりたかったんだ…!!と一緒に過ごしながら揺るがない気持ちになっていた。

友達もそうだ。私は友達はそんなに多くないが、何でも話せる友達は数人いる。今はコロナで会えていないが、友達と連絡を取る時間、何でも相談する時間は何気ないように見えて、私の人生にはめちゃくちゃ重要な時間だ。

私が「本当にやりたいこと」はいくつかあるが、「私をわかってくれて受け入れてくれる人と一緒に過ごす」ことは私の中でかなり重要な位置にある事がわかった。

じゃあ、夫はどうなのよ?

「私をわかってくれて受け入れてくれる人」というのは「夫」も入れたいが、現状なかなか難しいなと思った。

私は元々コミュニケーションが苦手で、夫に言いたいことはあまり言えていない。夫はコロナ禍の自粛で疲れているようだし、私のことはどうでも良さそうに見えた。

私は先日、初めてのコーチングを受ける予定だった。

開始時間は22時。私はいつも息子と21時には寝て4時台に起きるので、22時まで起きておくのは至難の業である。息子を寝かしつけて、自分も寝ないように気をつけながら22時に備えていた。

22時直前となり、私は布団を抜け出して、別室でコーチングの準備をした。Zoomをつなげようとした瞬間、息子は私がいないことに気づいて騒ぎ出した。

22時3分前のことだった。とっさに旦那を探したが、旦那はなぜか外出していた。息子を何とかしないといけないので、コーチングは直前すぎるが、泣く泣くキャンセルさせて頂いた。

コーチング、なんで眠すぎるのに夜なんだろう?(日中にはしてもらえない)なんで眠すぎるのに受けないといけないんだろう? 頭も働いていないだろうに受けないといけないのか? 息子は夜、私が布団を抜け出したら気づくことがわかってしまった今、コーチングを受ける意味ある?

もうコーチング自体、やめようかなと思ったが、せっかく乗り掛かった舟、ここでやめたら、キャリアについて真剣に悩んでいたのに何も前進しなくなる。めちゃくちゃ悩んだけど、夫にコーチングの日は息子と一緒に寝てもらえないかと頼むことにした。

めちゃくちゃ大げさだが、私は誰に対してもそういう頼み事が大の苦手だ。夫は私が育休中に会社を辞めて転職活動をしていたので、私は結構迷惑を被っていた。でも、自分のことになると、夫に相談にしても「はぁ? お前の仕事の悩みに何で俺がサポートせなあかんねん。お前の仕事の悩みはお前が完結させるのが筋やろ。俺や息子がおらん時間にやったらええやん」などと言われるかなと思っていた(なんちゅうマイナス思考)。

翌朝、夫の部屋のドアを開けてちょっと相談があるんだけど…と言うと、仕事をしていそうだったので、「また後にするわ」とドアを閉めようとした。夫は全然いいよと手を止めて立ち上がってくれた。私は昨日コーチングの予定だったけど、息子が起きてできなかったこと、今後コーチングする時は息子と一緒に寝てほしいことを伝えた。

夫は「昨日やったんか。忘れてた」と謝り、事前に言ってくれたら息子と一緒に寝るし、寝かしつけもすると言ってくれた。私は「コーチングはやらなくてもいいんやけど」という感じで言ったが、「全然、事前に言ってくれたらサポートするよ」という感じだった。

あぁ、私は夫に性悪説すぎたわ、と思った(笑)。夫が疲れていそうなところや日々の言動から勝手に夫は私のことはどうでもいいんだと想像していた。

ちゃんと言えばわかってくれるんだ。結婚6年目にして初めてぐらいに気づいた。私は夫に対してモヤモヤしていても、夫の言い分があるんだろうと思って、あまり夫には言わずほとんど自分で解決してきた。妻(夫)がパートナーにモヤモヤするというのはよく聞く悩みだが、うまく自己開示できていないからかなと思った。

夫も「大事な人」になるために

私にとって夫は「自分をわかってくれて受け入れてくれる人」ではないと思ったが、うまく自己開示できていないからであって、これから少しでも相互に自己開示していったら、そういう人になるのではないかと思った。

だから、私が本当にやりたいこと=「大事な人(自分をわかってくれて受け入れてくれる人)と時間を過ごす」だが、そういう時間を設けるだけでなく、大事な人を少しでもつくっていくため、自己開示やコミュニケーションも大事だなと改めて思った。

コミュニケーションは一定の時間を設けるのではなく、日々の積み重ねなので、これからは日々の何気ないコミュニケーションも大事にして、「大事な人」をつくっていって、「大事な人と時間を過ごす」ことが増えていったらいいなと思う。

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