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”独りでもやろうとするあなた=本物”というお話

僕が大好きな話がある。
「ひばりの引越し」というお話。
これは、”僕は独りでもやる=本物”というお話だ。

春先になって、ひばりが麦畑に巣をつくった。

初夏のある日のこと、大勢の村人たちが麦畑にやってきて、「そろそろ、みんなで麦を刈らなきゃいかんなあ」と話していた。

これを耳にしたひばりの子どもが「お母さん、麦刈りが始まるから、引っ越しをしようよ」と言った。しかし、ひばりのお母さんは「まだ、大丈夫よ」と答えて平然としていた。

数日たってから、三人の村人が麦畑にやってきて、「ぼちぼち、麦を刈らなきゃいかんなあ」と話していた。これを耳にしたひばりの子どもは「お母さん、もうダメだよ!麦刈りが始まってしまうよ」と叫んだ。しかし、ひばりのお母さんは「まだ、大丈夫よ」ととり合わなかった。

さらに数日後、今度は村人が一人だけでやってきて「じゃあ、ぼちぼちやるか」とつぶやいた。そこではじめて、ひばりのお母さんは子どもに言った。

「さあ、逃げましょう」

職場の掃除を「みんなでやろうね」と掛け声を出しているうちは、誰一人として動かないものだ。

そういう段階では、まだ現場は本気になっていない。「自分一人でもやる」そう言ってホウキを持ち出してくる職員が出てきたとき、現場は本気で掃除をやるつもりになり始めている。

でも、本気になっているのはごく一部のメンバーだけで、職場全体が本気になるのはまだまだ時間がかかりそうだ。

この話の教訓はこういうことだ。
「みんなでやろう」はあてにならない。「他の人はともかくとして、自分一人でもやる」。そういう気持ちが誰から出たときに、その現場は動き始める。

これに関して思い出すのは、検定試験の時の話。
同じ勤務の消防士メンバーみんなで、予防技術検定を受けることになった。合格率30%の、検定にしてはなかなかハードルの高い消防関係の試験だ。

みんなで受ければ勉強もしやすいし、勤務中に問題を出し合ったりもできる。のはずだった。

「そろそろ始めないとね。」
「何から始める?」
「○○君が詳しいから、彼に教師役をお願いしてみる?」

こんな感じで一向に勉強が始まらない。危機感を感じた僕は、誰にも相談せずに一人で勉強を始めることにした。こういうのを抜け駆けというのかな・・?と後ろめたい気持ちもあったが、そんなこと言っている時間はもうなかった。

ある勤務時間中、空いた時間に参考書を開いていると、メンバーが声をかけてきた。

👨‍💻「あれ?APOさんついに始めた?みんなまだ始めてないよ?真面目だねー。」

👩‍🚒「年もとって記憶力が落ちてるからさ」

するとどうだろう。みんな焦り出したように、勉強し始めた。それはすぐに大きなウネリとなって、何も言わなくても、講義が始まったり、問題集が配られてきたり・・・。急にみんなどうした?笑

思い返せば、「他の人はともかくとして、自分一人でもやる」僕はただこのように考えて、ペンをとったけだのに・・・。

このひばりのお母さんは、この性質を知っていた。
だから、みんなで声をかけているうちは行動をまだ起こさないことを知っていた。そしてある一人が、「ぼちぼちやるか」と言い始めた時。逃げるという行動を起こした。

この話を知って僕は、まずはリーダーが動き始めなきといけないと思った。指示ばかりしてはダメ。誰も動いてはくれない。まずは自分が動いて示す。すると周りが動き出す。次第にリーダーが何も言わなくても、仕事が動くようになる。

そうしたら僕は、そっと身を引いて、「みんなの成果だ!」と伝えたらいい。

僕が大好きな話がある。「ひばりの引越し」というお話。
これは、”僕は独りでもやる=本物”というお話だ。

僕の仕事スタイルは、このお話が軸になっているのである。


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