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第3期アルゴランドガバナンス投票の議題のまとめと投票方法

ブロックチェーン界隈の最大のDAO投票の1つであるガバナンス投票の受付が開始されました。
よく内容を吟味して事前に投票先を決定している人もいれば、とりあえずガバナンス投票報酬がもらえるからと参加された方もおられると思います。
情報を集めるのも英語、また専門用語も飛び交ってるしで、考えて投票しろと言われてもなかなか困る方もおられると思いますので、なるべく噛み砕いた内容で情報の共有ができればと思います。

私がどちらに投票するかは書きますが、中立的な視点で書くようにしますので、メリットデメリット比較したうえで、少しでも良いと思える方に投票頂けたらと思います。

なお、投票締め切りは6月16日(木)日本時間深夜1時で、投票が完了しないとガバナンス報酬もらえる権利が確定しませんので、忘れないようになるべく6月12日(日)頃までに投票されるのが良いと思います。(なお、投票宣言で宣言したALGOは7月1日(金)日本時間深夜1時まで保持しておかないと失格になりますのでご注意を。)

この第3回の議題は初の複数議題であり、また議題の1つ目はかなりもみ合う展開が予想されますので、なかなか面白い回になるのではないかと思います。

あ、ちなみに「第3期アルゴランドガバナンス投票への参加表明の仕方2選」にある参加表明を行った記憶のない方は今回参加資格ありませんので、7月1日から始まる第4期の分をお待ちください。

【議題①のおさらい】

議題の1つ目は「アルゴランドチェーンの貢献者であるDeFiの参加者(分散型取引所の運営者や分散型金融機関の運営者、また、分散型取引所に資産を預けている仮想通貨プロジェクトなど)に投票権を与えるべきか」というものです。(細かい正確な言い回しの情報や投票の内容を知りたい方はこちらのMeasure#1より。アルゴランドジャパン内の日本語での説明はこちら。)

この議題が出てきた背景として、現在のアルゴランドのガバナンス投票のシステムでは基本的にALGOを直接保有している、主に投資家しか参加することができません。
投資家は確かに資金の提供を行ったり、コミュニティに参加して盛り上げたりはするものの、チェーン上で開発を行ったりすることは普通なく、サービスを展開してチェーンの更なる発展に貢献しているわけではありません。
チェーン発展の功労者であるサービスの開発者はチェーンに自分の資本を提供するものの、自身でALGOを直接保有するわけではないので、チェーンのこれからを決めるガバナンス投票に参加する資格を得ることができず、大変不利な状況にあります。

ざっくり言えば「チェーンの功労者にチェーンのこれからを決めるガバナンスの参加者になって欲しい」という意図があります。
これらの参加者がガバナンスに参加することができるようになると以下のようなメリットやデメリットが存在します。

○メリット
・チェーンに詳しい人が投票者になるのでより良いチェーンになる可能性が高くなる
・プロジェクトがガバナンスから報酬を得ることができるようになるため、ユーザー還元のイベントなどが行いやすくなり、コミュニティが盛り上がる可能性がある
・チェーンに対する中央集権型取引所からの圧力が弱くなる(今現在最大規模の投票者は投資家でもプロジェクトでもなく、この中央集権型取引所である。中央集権型取引所は基本的には各チェーンが発展するより儲けが優先される。)
・仮想通貨の値段を決める指標の1つであるTVLというロックされた資産の量が増加する(つまりALGOの価格上昇が期待できる。)

○デメリット
・投資家のガバナンス投票の報酬が単純に減る
・DeFiの資産は大きなものになるので他の投資家の発言力が低下して、理念の1つである分散性に疑問が生じる

正直、この部分に関して言えば、確かにガバナンス報酬としてもらえるALGOの枚数は減りますが、価格単価が増加すれば投資家のメリットになり十分相殺することができるため、そこまで反対する人は多くありません。

では、何故今回拮抗した状況になっているのか。

○争点になっているポイント

・今回の投票はアルゴランド財団が内容を決めたものだが、クローズドな場で内容精査が行われたため議論がされ尽くしていない
・与えられる投票権は(2022年の間)普通の投資家は1ALGOにつき1票なのに対して何故か1ALGO価値(後述)につき2票である(あくまで発言権が2倍になっているだけで報酬は他の投資家と同じ条件。)
・投票の時点でそれらプロジェクトがTVLとしてロックしてるALGOだけが対象なのか、TVLの総額をALGOの値段で割ったものかなど、どのような計算式で価値の算出を行うのか表記されておらず未知の状態で投票しなければいけない
・上記にも関わらず、提案が通ればDeFiの力が強くなり、投資家がガバナンスに対して影響を与えられる可能性が大幅にダウンする

安易なものの見方で考えれば、アルゴランド財団は長期的な目線でチェーンの発展に目を向けた形で提案を行っているので不明瞭になってる部分もチェーンにとって悪い形にはなっていないはずです。
偉い人の言うことに従ってたらいいんだよという考えがある人であれば躊躇なく賛成に入れれますし、民主的な自立精神のある方々は考えには賛同できるけどこの内容じゃ反対だという人もいるでしょう。(実際英語圏ユーザーの多いredditというSNS上の議論では後者が多い。)

なお投票は
A:賛成←アルゴランド財団推奨
B:反対(現状維持)
です。

・参考(aperの考え)

気持ちとしては「B」です。貢献者に発言権やメリットを与えようという部分には大賛成であり、チェーンに貢献しよう参加しようという機運が高まるので非常に良いと思っています。また、TVLが上昇するメリットも文句なしです。なんですが、この内容は流石に欠陥じゃないか…と。今回否決して、次回第4回で再度練り直して投票にかけましょうと。
そういう気持ちなのですが、気持ちとは裏腹に「A」で投票します。ブロックチェーンにとっての3ヵ月って決して短い期間ではないです。投票の本質的な部分には賛同しているので、こんなところで立ち止まってても仕方ないだろうと。

【議題②のおさらい】

こちらは第2期のガバナンス投票の続きにあたります。前回の議題は「アルゴランドチェーンにより詳しい人に、投票の条件を厳しくする代わりに発言力を伸ばすことができる仕組みをつくろう」というもので9割越えの圧倒的多数の賛成により可決されました。
ここに肉付けが行われたのが今回の2つ目の議題でざっくり言えば「民主的に意見を募って議論や投票を行い、素晴らしい案が出来たらこのガバナンス投票の議題としてあげて投票を行えるようにしよう」というものです。
ガバナンス投票になる時にはアルゴランド財団ともブラッシュアップが行われるため、今回の議題①のように議論不十分だろと言われることもなく、かつ財団の目も通してチェーンの脅威になるものがあがってこないようにするという、まぁ最初っからその仕組みでやっとけば良かったのでは?というものです。

○メリット
・誰もが議題の提案を行うことができる(専用のアプリで行う。なおこの時点ではガバナンス投票は関係なく、草案の提案のようなもの)
・財団の影響力が弱まり、より分散化されて民主的に運用されるチェーンになる
・議論され尽くしたものがガバナンス投票にあがってくるため、チェーンの方向性を決めるガバナンス投票のスピード感が加速する

○デメリット
・理論上は悪意のある人や自分の利益の最大化だけしたいタイプのクジラ(大口投資家)も提案を行うことができてしまう

基本的にはチェーンに悪影響のある提案はアルゴランドチェーンに詳しい人たちの投票の中で否決され、上にあがってくることはないです。が、議論を行うのは人間のため、また、悪意のある人にカリスマ性があると見逃されてしまう可能性も当然あります。
ブロックチェーン界隈は民主的にやりたい人が多いからか、note作成時点では圧倒的多数をもって可決されそうな勢いです。

なお、投票は
A:賛成←アルゴランド財団推奨
B:反対(現状維持です。)
です。

・参考(aperの考え)

デメリットの心配もありますが、それは財団に任せてても同じであり、またスピード感がでてくるため開発者がより開発していきたいと思えるチェーンになってくる可能性が高くなりますから普通に「A」で投票します。議論の透明性も出てくるので、今のように裏で決められたものにガバナンス投票するより良いかなと。

【公式ガバナンスサイトでコミットした場合の投票方法】

それでは投票方法の説明です。
まずはそもそも自分が投票資格があるのかどうかの確認方法から。

・投票資格の確認

確認にアドレスを使いますのでまずはPera Algo Walletを開いて自分のアドレスを選択した後、右上の「・・・」を選んでメニュー画面を開く

メニューが出てきたら「アドレスをコピー」を選択

ウォレットのアプリを閉じてブラウザからガバナンスサイトを開く
自分が資格があるのか確認するため少し下にスクロールしたところにある「Show governors」を押す。

虫眼鏡マークのある検索窓口から先ほどコピーしたアドレスを貼りつける。
検索結果として自分のアドレスが表示されて左側に「ELIGIBLE」の文字があればOKです。
もし検索結果にそもそも表示されない、左側の文字が「NOT ELIGIBLE」になっている場合はそのアドレスでは投票資格はないです。(前者はそもそもガバナンスに参加する意志の表明をしておらず、後者はALGOの保持条件を破ってしまった状態。)

・投票方法

無事投票資格があることが確認できたらページトップに戻って「Connect Wallet」を選択

全て説明はPera Algo Walletで行っているので「Pera Algo Wallet」を選択

黄色いボタンを押すとPera Algo Walletのアプリが自動で立ち上がるはずです。

こちらウォレットアプリでの画面。
「接続」を選択する。

これで接続ができました。
ブラウザには自動で戻らないので手動でブラウザの画面に戻ってください。

ブラウザの画面。
接続ができたらブラウザの方でもこのアドレスを使うよというのを言ってあげる必要があるので「Use」を選択。

無事接続が完了したらConnect Walletと書いてあったボタンのところが自分のアドレスになっているはずです。
ちなみに接続したら自分が何ALGO分の投票券があるのか、投票資格があるのかの確認もできます。

少し下の方にスクロールすると今回の投票である「Period 3, voting session1」というところがあるのでそちらを選択。

投票画面。
下の方にスクロールしていくとMeasures(2)という項目があり、その項目のMeasure #1(これが議題①)の項目を下の方にスクロールしていくと「Cast your vote」というところからどちらに選択するかの項目があるのでどちらに投票するか選びます。
上の方がAで賛成、下の方がBで反対(現状維持)です。

議題①の選択が終わったら、更にそのまま下の方にスクロールしていくと今度はMeasure #2(議題②)があり、同じくどちらに投票するかを選びます。
先ほどと同じく上がAで賛成、下がBで反対(現状維持)です。
選び終わったら下の方に「Submit your votes」というボタンが出てくるのでそちらを選択します。

投票していいですか?の確認をとるためにウォレットからの承認が必要になりますので、黄色いボタンを押してPera Algo Walletに移動します。

こちらウォレットアプリ側の画面。
本当に投票していいですか?の確認。
大丈夫なので「確認」を選択。

本当にいいですか?の2度目の確認。
大丈夫なので「承認」を選択。

ウォレット側の操作はこれで完了なので「とじる」を押して、手動でブラウザに切り替えます。

こちらブラウザの画面。
成功してたらSuccessと表示されます。
これで投票は完了です。

といっても、本当にちゃんと投票ができてるのだろうかと不安な方へ、投票できてるかどうかの確認方法を。
トップページに戻って、先ほどと同様「Period 3, voting session 1」の画面を選択します。

するとその画面の下に「You've already voted.」と表示されます。
つまり、日本語で言うと既に投票済みですよ、ということです。
このメッセージが出てたら大丈夫ですね。
ちなみにやっぱり投票先を変更したい…!となれば下にある「Edit your votes」から変更可能ですよ。

以上です。
後は7月1日になるまで待って報酬をもらうだけです。といっても、公式からガバナンス投票行った人は数日後に自動で報酬が届きます。

【Algofiでコミットした場合の投票方法】

次はAlgofiからガバナンス投票に参加した人の投票方法を。
正直こちらの方が簡単です。

・投票資格の確認

Algofiのページにアクセスして左上にある「三」マークを押してメニュー画面を開きます。

「Connect Wallet」を選択してサイトとウォレットの接続を行います。

モバイル環境での説明なので、「Pera Algo Wallet」を選択。

「Algorand Wallet」を選択。
選択すると自動でPera Algo Walletのアプリが立ち上がるはずです。

こちらウォレットアプリ側の画面。
「接続」を選択。

接続できましたので「とじる」を押して手動でブラウザの画面に切り替えます。

こちらブラウザの画面。
無事に接続できてたら左上の「三」マークを押した時に自分のウォレットのアドレス名が表示されるはずです。
接続できてたら、豚さん貯金箱マークの「Vault」を選択。

緑マークで「ELIGIBLE」と表示されてたら投票資格ありです。
投票数は「COMMITTED STAKE」のところに表示されます。

・投票方法

無事に投票資格があることが確認できたので投票に移ります。
そのままVaultの画面を下の方にスクロールしていくと「VOTE」の項目があるのでそこを選択。

Measure #1(議題①)の項目でABどちらに投票するかを選択。
Aが賛成、Bが反対(現状維持)です。
下のABのバーは現時点でのみんなの投票の割合が表示されてます。ほぼ拮抗していますね。

続いて下にスクロールしてMeasure #2(議題②)の方でもAB選択します。
こちらも同じくAが賛成、Bが反対(現状維持)です。
ボタン選び終わったら下の「Cast Vote」ボタンが押せるのでそちらを選択。
ウォレットが自動で立ち上がらないので手動でPera Algo Walletに切り替えます。

こちらウォレットアプリの画面。
投票して大丈夫かの確認。(Algofiはガス代ちょっと高めで0.015ALGOほどかかります。)
大丈夫なので「すべて確認する」を選択。

本当に大丈夫ですかという2度目の確認。
大丈夫なので「承認」を選択。

ウォレット側での操作は終わりです。
「とじる」を押して手動でブラウザに切り替えます。

少し時間待つと処理が終わり、成功したら「Successfully voted」と表示されて投票完了です。
後は報酬もらうのを待つだけです。

Algofiは投票がちゃんと完了してるかの確認も見やすく、投票できてたらVaultの画面のVOTEのところがVOTEDになってるはずです。
これが出てたら問題なく投票できています。

【最後に】

Algofiの方はAlgofiに資産を預けているのであんまり間違えることないですが、公式サイトから投票する場合は、報酬もらうためにはコミットしたALGOの数を7月1日までキープするというのを自分で管理する必要があるので、うっかり下回らないように注意してください。

資産を外部に預けるというリスクはありますが、このnoteを書いていても、Algofiの方がユーザーインターフェース良く、間違いも起こりにくいのでこっちの方が便利だなと感じます。
投票にかかるガス代が公式が0.001ALGOに対してAlgofiが約0.015ALGOかかるのでそこだけが不便だなと。(アルゴランドは処理の混雑具合ではなく、処理の工数に対して費用が固定なので、誰が操作してもいつ操作してもそれくらいの費用がかかります。)

今回は投票結果もどうなるか分からないですし、投票報酬も今は7.7%と表示されていますが投票期間が終わると投票しなかったり忘れてた人が不適格になるのでどれくらいの報酬になるのか(特にバイナンスの120日ロックの年利8.24%を越えることができるのか)色々と注目が集まるところです。

ガバナンスに関して何か分からないことがありましたらアルゴランドジャパンのDiscordでgovernanceのページがありますのでそちらで聞いて頂ければ色々相談には乗れるのではないかと思います。

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