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アルゴランドガバナンス投票に関係する各社サービスの違いとメリットデメリット

第3回のガバナンス投票期間が始まると同時に、今まで参加表明の仕方が1種類だったのが、今回から公式1種類に加えてサービスを間に噛ませることができる選択が3社(AlgofiFolks FinanceGARD)出現し、アルゴランドチェーン中~上級者の方は日夜情報収集でお忙しくされているのではないかと思います。

Discordの方でざっくりとした下書き部分を3日前ほどに投稿しましたが、改めてなんでこういうサービスが出てきたのか、どのサービスがどういう人に向いているのかを整理していきます。

今回のnote、特に気を付けて頂きたいのが、どのサービスも今回のガバナンス投票で"初めて"利用可能になったサービスであり、利用した結果の部分が分からないものになります。
私自身も可能な限りテストはしていますし、取扱い説明やホワイトペーパーにも目を通しておりますが、経験上正しい、私は問題なかったなど言うことができませんのでお使いになられる際はご自身でも下調べとリスク管理のほどをよろしくお願いします。

なので、言葉自体は初級者にも伝わりやすいことを心掛けますが、内容自体は中~上級者向けであることをご了承お願いします。

なお、ガバナンス初心者向けのnoteは下記になります。

・第3期アルゴランドガバナンス投票に参加するべきか(全体像)
ガバナンス投票とはという部分からやった方が良いのかやらなくても良いのか、どういうメリットがあるか等の説明を(アルゴランド贔屓しない)ニュートラルな立場で書きました。

・第3期アルゴランドガバナンス投票への参加表明の仕方2選
上記noteでガバナンス投票をやってみようかなと思った特に初心者~初級者向けに画像付きでやり方の説明を行っています。今回紹介する比較的初心者でも扱いやすいAlgofiの使い方も含みます。

○そもそも何故サービスが複数登場したのか

「ガバナンス投票、公式のやり方があるんだったらそれを使えばいいじゃない」これはもっともな意見です。間に他のサービスを挟むということは、その間のサービス内で発生するリスクを引き受ける形になり、例えばサービス提供者がハッキングされた時などに資産を失う可能性のあるサードパーティリスクというデメリットが存在します。

これらのサービスが出てきた背景には、「公式で参加したALGOは各人のウォレットの中に留まり続けて仕事をしない」というものがあります。この場合通常"仕事"とは、一般的にはお金がお金を稼ぐということを指すのですが、アルゴランドの場合、必ずしもそういうわけではありません。

イーサリアムチェーンとか、バイナンススマートチェーンとか、ソラナチェーンとかこういうのレイヤー1と言ったりするのですが、これらのチェーンが過大評価されている、過少評価されている時にはある指標を使います。

ちなみにアルゴランドチェーンは過大評価されてるか、過少評価されているかどちらだと思われますかね?(突然始まるクイズ。一応答えがすぐに目に入らないようにどうでもいい話が続きます。)

昨年から様々なサービスがメインネットで稼働してきて勢いが出てきた

そういえばエルサドバドルのビットコインのインフラにアルゴランドが採用されているらしい(フォークしない性質とプライベートチェーンの作りやすさから政府系や金融系の利用がしやすい。)

エルサドバドル以外にも20を越える国や中央銀行がアルゴランドチェーン上で実験に採用している

各国の大学や教育機関と提携を行っており、若い技術者が育ち、現在2000を越えるプロジェクトが水面下で進行中である

カーボンネガティブなチェーンで環境にも優しく企業がブロックチェーン利用をする時に環境批判の対象になりにくい

昨年のETHやSOLのような価格の爆上げが起きていない

つまり、ははーん、過少評価だ!

と回答された方は残念、指標の基準に沿っていえば過大評価されている、になります。


この正解間違いはさておき、ここがアルゴランドにとって、この新しい3社のサービスの必要性が出てきた要因でもあります。体感(実際には過少評価されている)と、評価方法にギャップがあるため、このギャップを埋めよう!というのがアルゴランドにとって必要なことなのです。

この評価に使われる指標はざっくり言えば「どれだけトークン(仮想通貨)がブロックチェーン内で仕事を行っているかと価格との関係」です。

通常他のチェーンであれば、こういう投票を行う時、バリデータにトークンを賭けるステーキングを行います。(自分の票をバリデータに委任してる形。)この委任されたバリデータは投票等を行うとともに、預かったトークンをブロックチェーン内で働かせます。(お金を稼ぐではなく、実際にトークンはブロックチェーン内で割り当てられた仕事を行っています。)
また、参加者はどうせ同じ預けるのであれば金利の有利なDefiを通して賭けたりと市場にどんどん働くトークンが出回ります。それと価格を照らし合わせて評価が行われています。

アルゴランドはそもそも仕組みが違い、このバリデータが存在せず、バリデータを必要としないまま投票を行うことができ、投票に使われたALGOはそれぞれのウォレットの中に残り続けて仕事をさぼってるような感じになっています。(皮肉にもそれでいて投票率が高く、仕事をしていないトークンが増えてしまっている。とはいえ、眠ってるALGOであっても実際は割り当てられた仕事をしている。)だから、チェーンの評価を比較して行っている人には仕事してる量の少ないチェーンとして見えてしまい、金額は時価総額30位近くにいるため過大評価になっています。

これを、投票に使われるALGOがDefi内で仕事を行う状態にする、こういう目的のもとAlgofi、Folks Finance、GARDがアルゴランド財団やベンチャーキャピタルとともにテコ入れを行っています。

つまり、サービスを使うことで皆さんが直接金利で儲かるよ!というよりかは、アルゴランドの評価を見直させてトークン(仮想通貨)の価値を上げようぜ!という意図が含まれています。

ただし、新しいサービスには新しい不具合がつきもので、一番初めに登場した分散型取引所であるtinymanもサービスローンチから約3ヵ月後にバグが見つかり悪用されてハッキングが行われました。
Algofiなんかはこれまでレンディング等を行うプラットフォームから始まり、分散型取引所の運営などバグらしいバグなく金融サービスを運営しておりますが、それでも何が起こるか分かりません。

初期の参加にはインセンティブが設けられていることもありますが、第3期、第4期は特にリスクがあることを念頭に行動頂けたらと思います。(一応各サービスリスク面の評価も行います。)

○Algofiのメリットデメリット

・メリット

アメリカの名門企業家スクール出身で金融業界にも深い知識のある比較的規模のある企業が運営しているサービスで、既に数か月の仮想通貨レンディングプラットフォームを大きなバグなくサービス提供している実績があり、資産を預けるという面で一番信頼感があります。(チーム自体は3社とも信頼感高めですが、ハッキング耐性などの面で特に信頼感が高い。)

既存サービスとセットで使うことができるため、使うサービスを拡げることなく利用できる

ガバナンス関連の画面が公式以上に見やすくデザインされており、報酬がどれくらいとか、自分はちゃんと報酬もらえる枠組みに入れてるだろうかなどの情報が一目で分かる。

公式以外のサービスを利用する大半のユーザー(海外の方のアンケートだと7~8割ほど)がAlgofiを利用すると回答しており、情報が集まりやすい。

・デメリット

サービスを通して報酬を増やすためには、借入を行う必要があり(必ずしも借入をする必要はないが、その場合は報酬面では公式を利用するのと同じ)、サードパーティリスクが増える分のメリットを作り出すことが難しい。(現在借入を行うと金利を支払うのとは別に逆に金利がもらえる利用促進キャンペーンを行っているので利益は得やすい環境にはなっている。)

みんなが使うと公言しているプラットフォームであり、今までの既存サービス以上の資金がAlgofiに集まるため、ハッキング成功時のリターンが大きくなり、ハッキングコストをかけることができるようになるため高度なハッキングが仕掛けられる可能性が上がる。(ただし、既存のレンディングの仕組みを拡張させているだけなので、攻撃を仕掛けても穴が見つからない可能性も高い。)

また、同じく使うと言ってる人が多いということは借入される資産も大きくなり、借入の金利が上がって儲けを相殺される可能性がある。(資産借りる場合のデメリット)


デメリットは少ないものの、ユーザーインターフェース面以外でのメリットも少ないため、人によってはそれ公式で良くない?と感じる部分はあるという感じ。
ただ、同時に、使えるようになってても損はないサービスなので、1回は試してはおきたいサービスの1つではある。

○Folks Financeのメリットデメリット

・メリット

ブロックチェーン・イタリアという規模の大きな団体が母体で、またイタリアは創設者のシルビオ・ミカリ氏にも馴染みのある場所でありアルゴランドの開発が盛んな国でもある。

こちらはこのサイトを通じて投票するというよりもFolks Finance社に投票権を委託する形になるので、預けたらやることは全て終わりでガバナンス投票が終了するまでユーザーは何もする必要がなくなる

Folks Finance社はアルゴランドがより発展していけるだろうという方向に投票を行う(少なくとも私たち一般庶民よりは知識がある)ため投票権を委託しやすい。(バイナンス等の取引所も同じようにステーキングされた資産を元に投票を行うが、こちらの場合は投資者利益や取引所利益が優先されやすい形になる。)

・デメリット

信託になる分、少し手数料(報酬の5%)が引かれるためガバナンス報酬を全て受け取ることができない。(実は取引所を介したステーキングによる投票委託も同じ仕組みなので、ステーキングユーザーにとっては条件同じである。一応バイナンスはこの中抜きは行っていないらしい。)

メインネットのローンチがガバナンス参加表明開始に間に合っておらず、バグが残ってないかどうか心配がある。同様に、そのためユーザー側も調べる期間が短くなり今回は利用を見送る人も多くなるため情報量も少なくなり情報が探しづらくなる


公式とAlgofiとは明らかに性質が異なるため、サービスが安定してきたらズボラに放置したい人や色々調べたりするのが面倒な人にとっての受け皿になるというはっきりした棲み分けがある。

ただ、本来利用したい層(初心者や初級者)にとって、この情報量が少ないことは大きなデメリットになるので、色々試したい人以外には私はおススメしない

○GARDのメリットデメリット

・メリット

開発者が大学卒業したての若い人が行っているサービスであるものの、アルゴランド界隈の最大手ベンチャーキャピタルが出資とアドバイスを行っており、財団も助成金を出しており他2社には劣るものの会社としての信用度は比較的ある。(他2社も財団から助成金を得ているのでGARDが特別というわけではない。また、IT系では若い人が行っているのも珍しいことではない。)

GARDを使って資金をロック、投票を行うとこのGARDのガバナンストークン(正確にはガバナンストークンと引き換えるためのトークン。)がインセンティブとしてもらえることが確定しており、使うだけでの利益がはっきり打ち出されている。(期間中に提供したALGO2枚ごとに1GARDIAN。発行上限枚数10億枚。引き換え後のガバナンストークンのGAINは発行上限20億枚。)

ロックついでにGARDというドル連動のステーブルコインを鋳造した人には1GARDにつき1GARDIAN受け取れ、また、期間中1000GARDを鋳造した最初の1700人には追加で1000GARDIANがもらえる。

更に、GARDのサービス利用者(またはGARDの所持者。現状では詳細不明。)に毎週10人に10万GARDIANが当たる宝くじも実施される。

・デメリット

ユーザーインターフェースが悪く、アプリの作りも他2社と比べると甘いためそもそも安全なのかという不安が大いにある

現状モバイル環境に対応しておらず、パソコンから限定である。

GARDを鋳造しすぎるとALGOの価格下落時に自動清算される可能性があり、かけたALGO売られる危険がある。(今のALGOの金額帯だと鋳造枚数はALGOの価値にして40%未満が無難である。)

預けるためには最低1枚はGARDを鋳造する必要があり、GARD鋳造には1枚につき約0.03ドル、GARDを元の資産に戻すのに1枚につき約0.03ドルの手数料がかかる

正直上2つの仕組みが分かりづらく、しっかり理解してやらないと損失がかなり大きくなる。

最低1枚はGARDを鋳造する必要がある都合、チェーンを調べたら利用した人数(ウォレットの数)が分かるのだが、現時点において70人ほどしか利用していない


まさに仮想通貨という感じですが、デメリットが大きい反面、何もなかった時のメリットが一番大きくなるようなそんな感じです。
なくなっても構わない金額でやる以外は利用することをおススメしません

○実際どれ使ったら良いの?

この質問をされる方には私は間違いなく今回は「公式のみ」または「公式とAlgofiの併用」とお答えします。(来期は人によってはFolks Financeとお答えする可能性はあります。)

とはいえ、私の配分は
公式…気持ち程度
Algofi…30%
Folks Finance…20%
GARD…50%
という形でいこうと考えています。(まだ期間ありますので、特にFolks Financeは本番環境でテストしたい。)

これは私が資産ロックをあまりしない人なのでそもそもガバナンス投票に使う割合が大きくないこと、日頃から有名どころ以外のASA取引(いわゆる魔界)を行っているのもありリスク専行型の人であること、海外の情報を含めて情報集めが得意で何かあった時でも自分で対応できることなどが要因です。(また、3社ともガバナンストークンを現時点で発行していないのですが、わりと最近過去にサービス利用した人にエアドロップを行うという手法があるため、その辺りを狙いにいってるのもある。なので、ただただガバナンス投票というよりかは利益を出すための投資として考えてポートフォリオ組んでる部分があります。)

性格や目的によって戦略が異なりますので、ご自身の場合ではどうだろうかというのを元に上記の情報であったり、操作方法を調べる労力であったりを踏まえて選ばれると良いかなと思います。

個人的には最初に述べましたが、サービスを使うことで仕事するトークンの割合が増えるのもあり、チェーンの発展としては使ってもらいたいかなと思っていますが、無理に個人がリスクをとってまで第3期や第4期でやる必要はないと思うので、サービスを利用しないというのも普通におすすめします

○最後に

結構ガバナンス関係って今まで分かりづらかったので、こういう色々な選択肢が出てくるようになったのは良いことかなと思います。

ハッキング等何事もなくこの第3期を無事に乗り切ってもらえたらと願います。この辺りサービス使ってない人にもリスクはあり、結局大規模なハッキング(今回であればAlgofiでのハッキング)が起こるとALGO自体の価値が下落するので使ってないから無傷、とはいかないところが悩ましいところです。(もちろんALGOの枚数が減るわけではないので、枚数面だけで見れば損失はない。)

また気が付いたことなどありましたらDiscordで共有していきますので、よろしければそちらの方の登録もよろしくお願いします。

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