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ALGOの価格についての歴史(Binance Japan上場記念)

Binance Japanより、国内取引所において初めてALGOが取り扱われることが発表されました。

これまで海外取引所を使わないとALGOを扱うことができなかったので、これからALGOについて興味を持つ方も出てくると思いますのでいつか書こう書こうと思ってそのままにしていた価格についての話を。正直、一番気になる話題だと思います。わりと急いで書いていますので、細かい数値の部分はうろ覚えで書いてますので、全体的にどういうことがあったかがつかめれば。

ちなみに私は、Algorand Japanの公式DiscordのAdminとAL-Dragonという日本のユーティリティNFTプロジェクトのDiscordのAdmin兼コミュニティマネージャーをしておりますaperです。
ちょっとだけ宣伝。(嫌な人は飛ばしてください。)

Algorand Japanのコミュニティチャンネルについて(宣伝)

Algorand Japanでは公式のコミュニティのチャンネルとして、TelegramTwitterDiscordの3種類があります。

TwitterはAlgorandの日本担当アンバサダーであるAkioさんが発信しているツールで、アルゴランド財団とかからのニュースが流れてくるチャンネルです。このTwitterではないですが、Twitterスペースでオールアルゴニッポンというラジオが毎週土曜日やっています。これもAkioさんが関わっているものですので能動的に情報集めたい場合は貴重なチャンネルです。

Telegramは比較的初心者が多く、Algorand本体の今の話題を中心に取り扱うチャンネルになります。今こういうことで困ってるんだけど、ということにはわりと早くレスがつくので頼りやすいチャンネルだと思います。

そして私が管理しているDiscordは、もっと能動的にAlgorandについて触ってみたいな、初心者からレベルアップしていきたいなという人向けに今は運営しています。情報量はかなり濃くしていますので、過去ログを読み込むだけでも非常に勉強になると思いますよ。初心者さんからの質問も歓迎していますので、是非是非ご活用ください。

チャートを見ながら価格の話

さて、ALGOがどんなものか気になって、Coinmarket Cap等のチャートサイトを見に行った時に「???」という衝撃が広がっています。

上の画像はALGOがローンチしてから、このnote作成時までの全期間でのチャートになります。とりあえず左端が「どういうことだってばよ」という状態です。これが価格分析する時に非常に邪魔になりますよね。

期間を分けて見ていきましょう。

2021年のバブル頃まで

ローンチから、2021年7月のバブル頃までのチャートです。

まず、2019年7月頃に何が起こったかと言います。ALGOはローンチ(メインネットも稼働)とともに、バイナンス等複数の取引所への上場をしています。そして、この下落には当然初期の投資家が絡んできます。他の通貨同様、初期の投資家にトークンセールが実施されたのですが、通常こういうトークンセールで得た通貨ってロックアップ期間があって売却できないですよね。
ALGOも当然ロックアップ期間があって、たしか2030年頃まであったと思う(配布スケジュールが後に変更されている)のですけども、なぜか一部の初期投資家で売却可能な人がいて(多分プライベートセールで直接受け取ってる人)、その人が上場で上がったところにダンプを仕掛けました。

たしかトークンセール価格が2.4ドルくらいだったかと。それがローンチの瞬間3ドルくらいに上がってそのままいくと思いきや1日2日程度でパニック相場になり、初値を割って売りが売りを呼んで1/10くらいの価格になりました、と。

これだと初期のトークンセールで持ってた人はほとんど損していることになるのですが、実はそうでもなくて、初期投資家には返金が実施されていました。なので、この期間でのポイントの1つは、初期投資家が全員損をした、というわけではないということです。(上場で買った人にとっては最悪でしょうけど…。)

後はイーサキラーブームの流れでレイヤー1として他の通貨と一緒に価格が上昇していきました。
この7月頃の噂で、エルサドバドルのBTC支払いの裏でアルゴランドが使用されているという噂がありましたが、そちらは複数の情報と推測が絡まってできたデマになります。エルサドバドルはBTCのライトニングネットワークを使っていますね。

バブルからテラショックへ


イーサキラーの有望株として、価格が上昇したALGOですが、その後価格が下落していきます。
この期間での大きな出来事の1つはわりとサイレントで初期投資家のロックアップスケジュールが変更されたことです。段階的なできごとですが、2025年頃までのスケジュールになったりしたのですが、このバブル的な上昇を見て財団側がこの2021年頃までに初期投資家へのロックアップを全量解放を行いました。つまり、今現在において、ALGOには初期投資家ロックアップ解除売りは終わった後の環境になります。

上記の図では存在しないですが、ロウソクチャートを使った時に2021年12月頃に急に3ドル以上になる上髭が確認できると思います。それはALGO特有のものではなく、一部の銘柄でバイナンス上の買い板のほとんどが喰われるという現象が発生したうちの1つです。

2021年12月頃にややパフォーマンスの良いところが見てとれますが、2021年10月か11月か頃にAlgorand上でトークンを発行することが可能になり、Algorandの元祖DEXプラットフォームであるtinyman(現在でも知名度高く、取引量1,2位を争うDEXです)が稼働します。これを機に、Algorandの中でバブルが発生しました。

また、これまでALGO全体のロックアップ解除として、ALGOの所有者に一定%自動でALGOがエアドロップされるという状況から、Algorandのガバナンスに参加することで報酬が配布されるという形態に変わりました。(Algorandの情報調べるとこの、過去の所有するだけで配布されるという過去の話で止まってるものが結構ありますのでお気をつけください。)

しかし、2022年1月頃、このバブルを冷やすイベントである、tinymanハッキングイベントが発生します。流動性トークン(LP)の脆弱性が狙われたもので、当時Algorandで唯一だったDEXを使うことができなくなり、Algorand上で発行されたトークンを売ろうにも売れないという状況が起こりました。

2022年2月頃にはtinymanがver1.1になり取引が再開、2022年4月末にはあのサッカーのFIFAが公式ブロックチェーンに採用するというニュースが発表されます。FIFAはNFTコレクションもありますが、それで使うっていうのはおまけで、協会内部の腐敗改善、資金透明性の改善のためにチェーンを使用するというものです。(こういう対一般企業向けの分野が非常に強い。)

しかし、その直後にテラショックが発生し、多大な犠牲者を出しました。

暗黒の時代、そして今


2022年はわりとDefiLlamaのTVLが注目されていた時代でした。他のチェーンであればガバナンスに参加する時に基軸通貨をロックしたりステーキングしたりしてTVLの集計に含めることができるのですが、ALGOではロックをせずにガバナンスに参加することができるのでTVLが必然的に他のチェーン比で低いというTVL集計方法との相性の悪さがありました。

そのテコ入れの一環で、ALGOをDefiに預けてロックをしてガバナンスに参加することで追加のリワードを得ることができるという仕組みが導入され、それの活気がでてきたのがちょうど2022年の夏~秋頃になります。

TVLがぐんぐん伸びて他チェーンからの注目も集まってこれはいけそうだという段階になったところでFTXの事件が発生します。それがちょうど11月頃にある急落です。しかし、これに伴う一連の急落は他の通貨以上の下落幅がありました。

2022年の年末頃、まことしやかに「何もしていないのにアドレスから不正にALGOが抜き取られている」という情報が入ってくるようになりました。チェーンに慣れている人であれば、どうせ変なスマコンアプルーブしたんだろとか、ミスで秘密鍵が流出したんじゃないのとか思うかもしれませんが、Algorandの仕組みではスマコンアプルーブで資金抜くこともできなければ、ウォレット以外のDappsに接続した形跡のないアドレスも抜かれてしまっていたのですね。じゃあウォレットの脆弱性が、と思ってもそうではない。
これがMyALGOハッキング事件です。これの影響で2023年1月頃が暗黒の期間になりました。

まずMyALGOは当時2強のAlgorandのウォレットであり、モバイルのユーザーはPera Wallet(当時アプリ版のみがリリース)、PCのユーザーはMyALGOを使うという以外の選択肢がほぼありませんでした。
この文字通り大半のユーザーが攻撃対象となったMyALGOハッキング事件は非常に恐ろしいもので、攻撃手法は「DNS cache poisoning」と呼ばれるものの1つです。簡単に言ってしまえば、正規のURLでアクセスしたのに、フィッシングサイトに飛ばされるという感じです。これを攻撃者は6カ月潜伏してユーザーの秘密鍵を集めて、最初は原因となるサイトを特定させないような形で少人数から大金を抜き取り、原因となるサイトがバレた後は自動化ツールで全員に対して攻撃したというものです。(この件でMyALGOはサービス停止になりました。)
ちなみに、この攻撃、ブラウザのウォレットであればチェーンに関係なく全てのサービスに仕掛けることが可能です。ブラウザの拡張機能のウォレットを使っている、アプリのウォレットを使っている場合のみ防ぐことができます。それ以外のウォレットを使用している方はAlgorandのチェーンでなくてもすぐに使用をやめましょう。
攻撃されたサービスはMyALGOだったというだけで、実際に攻撃された場所は確かCloudFlareのCDNです。こんなのどこの企業も使ってますからなかなか衝撃的なものです。

そして、春にはSECから2度名指しで証券指定がなされました。(初期のトークンセールについて。)
そして、6月末にはATHの反対であるATLを更新し、底を探っているという展開で今に至ります。
だいぶ落ち着いてきましたね。

実際問題どうか

また別noteで書く予定ですが、10年後まで生き残るチェーンを3つ挙げなさいと言われたら、間違いなくその内の1つには入るチェーンです。

というのも、Algorandのチェーン自体がわりと暗号資産ユーザー向けのチェーンではなく、一般企業向けのチェーンであり、競争相手はどちらかと言えばビジネスでやってるコンソーシアムチェーンとかプライベートチェーンだからです。
価格としてもまさしくそのように動いており、今現在の暗号資産環境において価格を支えているのは暗号資産ユーザーであり、ミームの愛好者であり、熱があるところを好む人たちです。(これが悪いとは言っていません。)
AlgorandはEVM系のチェーンではないため、オンチェーンユーザー数でスケールすることは難しいし、ユーザー数を魅力にしてプロジェクトを誘致するのが難しいんですよね。一般企業向けだと、ブロックチェーンを使ってることを気づかせずにオフチェーンユーザー数が増えるみたいな感じです。

例えば、暗号資産ユーザー向けにサービスを開発をしなさいと言われた場合、私だったら高い確率でPolygonを使います。助成金とか取れるのであればSolanaとかAvalancheとか日本向けだったらAstarとか使うかも。しかし、暗号資産に対して悪いイメージを持っているユーザーを含めた一般層に向けたサービスを開発しなさいと言われた場合、コンソーシアムチェーンのCordaかAlgorandかICPあたりで検討するでしょう。
この性質でこれまで残念だったのがALGOが日本の取引所に上場していないことでした。会社の中で上層部とかに説明するのに、お墨付がないものってそれだけでハードルがあるんですよね。今回の上場というニュースはそういうものに対して非常に意味のあるものです。

価格に関してはBTCの連動安があるので、どこが底になるかは明言しにくいところです。ただ、今の時期から参入する人はとりあえずドルコスト均等法で入っておけば、結構いい位置を確保できるのではないかなと思います。

また折を見て、「PPoS」についての解説と「EVM系とAlgorandとの違い」についてのnoteを書きますので、興味がわいたら見てやってください。

これってどうなの?みたいな質問はDiscordで気軽にして頂いて構いませんので、興味ある人は情報収集に覗きに来てみてください。

https://discord.com/invite/84AActu3at


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