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どちらが本当の自分? 自分の中に潜む二面性との向き合い方

こういった自分の中での矛盾に気づいた経験はありますか?
安定が欲しいけど挑戦もしたい、内向的だけど寂しがり屋さん。
誰しもがこういった二面性を持ち合わせていると思います。

私も就職活動を通して自分について考えたとき、こうした自分の中の二面性に気づきました。そして、自分との向き合い方が分からなくなってしまったことがあります。
今回は望月麻衣作京都船岡山アストロジー』から学んだ、自分の二面性との向き合い方についてまとめていきます。

私自身が気づいた私の中の二面性

二面性との向き合い方についてまとめる前に、二面性の具体例として私自身が気づいた自身の二面性をまとめていきます。

・明るいと思っていたけど実は根暗
私は今まで自分のことを明るくて外交的だと思っていました。なぜなら、目立つことが大好きで、過去を振り返っても小さなころから人前にでて活動をすることを好む傾向にあったからです。小学校のころは、クラスの代表である生徒委員を務めたり、体育委員に入り運動会の時に全校生徒の前でダンスをしていました。また、中学でも校外学習実行委委員長や合唱コンクールの伴奏をするなど、よく先頭に立って活動していました。このことから、人見知りをせず、先頭に立って物事を進めていく人物かもしれないと自分を分析していました。
しかし、就職活動を経て根暗な自分を発見し、根暗な自分の一面にも気づかされたのです。面接を重ねていくうちに、少しのことでおどおどしている自分に気づかされました。過去の経験を振り返っても、休み時間はあまり友達と話さずに自分の席で読書していたことを思い出しました。
 このように、明るくもあり暗くもある自分の極端な姿を発見したのです。

就職活動で自分は何が向いているのか考えていく中で私は自身のこういった二面性に直面し、葛藤していました。

そんな時に出会い、ヒントをくれたのが『京都船岡山アストロジー』という本です。

登場人物の葛藤

・あらすじ
憧れだった出版社へと入社した主人公高屋誠は、突然辞令を出されて大阪で占い雑誌である「ルナノート」の編集をすることになる。占いが嫌いな高屋だったが、京都にある船岡山珈琲店にいる正体不明の占い師との出会いを通して占いの奥深さを知っていく。

というお話でした。私が注目した場面は営業の先輩である朽木さんが、船岡山珈琲店で占いをしたときの回想シーンです。彼は、元々営業じゃなくて編集者の仕事をしたいと考えていたのですが、長期間営業の仕事を任されており、フリーの編集者になろうかと悩みを抱えていた時期がありました。そんな時に、占いを受けた場面です。

誰もが二面性を持つ

そもそも矛盾しているのも人間の一面です。そんな矛盾を抱えているから、迷ったり苦しんだりするのです。』
pp.196

これは、朽木さんが占い師に言われた言葉です。
彼は占いにて

安定した状態にいることで、良いパフォーマンスを発揮できる
pp.196

とも言われますが、また

自由な環境で仕事をすることで、あなたは能力を発揮する
pp.196

とも言われます。安定した環境と自由な環境という正反対の状況が、どちらも向いているといわれて彼は困惑していました。

一見、鑑定が間違っていると思ってしまいそうです。
しかし彼は、この鑑定から、「安定した状態でいたい心と、自由を求める気持ちを両方欲して、自分の中で綱引き状態だった」ことに気づきます。
そして、自分の状態に気づいた朽木さんにマスターがアドバイスをします。

マスターのアドバイスから学んだ二面性との向き合い方

マスターは朽木さんに、観葉植物の例を出して考えるヒントを伝えます。

・観葉植物の例

『あの観葉植物を購入した際、説明書にはこう書いてありました。「この植物は、光にあてるとよく育ちます。ですが、風に当てると弱ってしまいます」と‥‥』
『あなただったら、その植物をどうしましか?』
pp.198

風に当てると弱ってしまうが、光にあてなくてはならない。
これは、一見矛盾しているようにみえます。しかし、この観葉植物の場合、風がなく日当たりのいい場所を探せばいいのです。つまり、室内の窓際などです。
マスターによると、自分の向き合い方も同じように出来るのだといいます。

安定した中で自由に生きる方法を考えなさい。
つまり、マスターはこう言いたかったのでしょう。安定と自由を分けて考えるのではなく、両方同時に考えなさいと。

朽木さんはマスターのアドバイスを受け、自分なりに解釈しました。そして、マスターが観葉植物だったのに対して彼は魚の例を出してきます。

・魚の例

「ペットショップで売っているようなやつ。だから、海や川に放流されるとすぐきっと死ぬ。安全な水槽の中にいた方がいいんだって。それなら、水槽の中でいかに自由に泳ぐようにするか、その工夫をすればいいんだって」
pp.200

 この魚の例は、自身を魚に置き換えるとすごくわかりやすいです。安定した水槽の中でも、自由に泳げる方法があると気づかされました。

さいごに

この本から、自身の矛盾した要素をそれぞれ分けて考えるのではなく、両方を活かせる方法があると学びました。

自分との向き合い方のヒントが学べる本です。

紹介した本の場面は、この本のほんの一部の場面なので、読んでみるともっと様々な場面と出会えます。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。

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