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経済理論入門メモ

日銀の目的...物価の安定 政府の目的...雇用の安定 目的達成手段...財政政策と金融政策 オークンの法則...経済成長率が上がると、失業率が下がる(負の相関) 経済政策→経済成長→株価上昇→名目賃金の上昇→物価の上昇→実質賃金の上昇という順序 失業率の下限は2%半ばほど。ゼロにはならない(NAIRU・インフレ非加速的失業率) フィリップス曲線...物価と失業率の負の相関性 インフレ目標...失業率が下限に達するときの物価上昇率の推計値 GDP...国内総生産

    • 「リキッド消費」まとめメモ

      バウマンの「リキッド・モダニティ」 リキッド消費の概念は、バウマンの提示したリキッド・モダニティの概念を下敷きにしている。 我々は、前期近代(固定的近代・ソリッドモダニティ)の硬直性を、自由の徹底により乗り越えた。しかし、後期近代(液体的近代・リキッド・モダニティ)においては、自由に伴う流動性により、不安定性や不確実性がもたらされ、解決困難な問題に直面することとなった。これが、バウマンの論の概要である。 こうしたリキッド・モダニティの不安定性のもとでは、軽さや流動性を受け入

      • 稲田豊史『映画を早送りで観る人たち』まとめメモ

        映画を早送りで観る現象の増加。その背景として以下の3つがあげられる。 ① 作品数が多すぎること   話題についていくために観るべき作品が多すぎるため、時短で解決しようとしている。SNSやLINEにより他者と常時接続することを余儀なくされる状況の中でグループの輪を保つため、多数の作品を観て話題についていくことの重要性が増している。これによりToDo過多に陥っている。 ② コスパを求める人の増加   普通・メジャーが失われた時代にあって個性を持ちコミュニティに属さなければ孤立

        • 2月の読書

          石田光規『「人それぞれ」がさみしい ――「やさしく・冷たい」人間関係を考える』 (ちくまプリマー新書) 萱野稔人『リベラリズムの終わり その限界と未来』 (幻冬舎新書) 松永茂久『人は聞き方が9割』 松永茂久『人は話し方が9割』 金森修『病魔という悪の物語 ―チフスのメアリー 』(ちくまプリマー新書) 松原仁『AIに心は宿るのか』(集英社インターナショナル) 森鴎外『高瀬舟』 柿埜真吾『自由と成長の経済学 「人新世」と「脱成長コミュニズム」の罠』 (PHP新書) 吉井雅之

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        記事

          ウクライナ危機(2022年)概要

          2019年 2月  ウクライナは、憲法改正を行い、将来的なEU及びNATO加盟を目指す国の方針を憲法に明記した(このときの大統領はポロシェンコ)。 2019年 4月21日  ウクライナ大統領選でポロシェンコを破りゼレンスキーが当選。第5代ウクライナ大統領となる。  当時の報道では、ゼレンスキーはロシアとの協議に前向きだとされていた。 2019年4月24日  プーチンが、ウクライナのドネツク州及びルガンスク州に住むウクライナ人の希望者にロシアの市民権を付与する大統領令に署名

          ウクライナ危機(2022年)概要

          ウクライナ危機(2014年)の概要

          ウクライナ危機(2014年)の概要 1991年 2月21日  ウクライナ共和国最高会議がクリミア自治共和国を復活させると宣言 8月24日  ウクライナ、独立宣言。 12月25日  ソ連崩壊。独立国家共同体(CIS)へと分裂(ウクライナはCISのオブザーバー参加)。クリミア自治共和国はウクライナが統治。  1994年7月10日  ウクライナ第2代大統領選でレオニード・クチマ勝利。EU・NATOへの加盟を視野に入れる政策をとった。同年、EUと「パートナーシップおよび協力協

          ウクライナ危機(2014年)の概要

          経済思想史①フランソワ・ケネー

          フランソワ・ケネー(1694-1774)  フランス。主著は『経済表』。  ケネーの経済理論は「重農主義」と呼ばれるが、それは、フランスの重商主義批判であった。 重商主義(マーカンティリズム)  重商主義とは、「富=金・銀」と考える立場である。重商主義においては、輸出高が輸入額を上回ることが好ましい貿易収支であるとされた。このような貿易収支を実現することにより、国内に金・銀すなわち富が増加するからである。そのため重商主義においては、輸出が促進され、輸入については高い関税をか

          経済思想史①フランソワ・ケネー

          西洋哲学史補論① キリスト教と天動説

          アリストテレスの天動説  西洋哲学史①において、アリストテレスの天動説について論じた。 すなわち、「アリストテレスの地球中心説的な世界観・宇宙観においては、地球が宇宙の中心にあり、宇宙の最外層には、その諸々の運動の原因となっている、何者にも動かされずに自足しつつ他のものを動かす「不動の動者」が控えている。アリストテレスは、これを「神」(テオス)である、とも述べている。」とまとめた。  これが、アリストテレスの天動説である。 トマス=アクィナスによる受容  上記のようなアリ

          西洋哲学史補論① キリスト教と天動説

          斎藤幸平『人新世の「資本論」』まとめ

          本書では、まず、環境問題について、経済成長とセット化されたSDGsやグリーン・ニューディールでは解決しないことを説き、脱成長こそが環境問題解決の唯一のカギであると説く。 そのうえで、成長を本質とする資本主義は、脱成長の思想とは相いれないものであるとし、コミュニズムの利点を説く。 ここに、本書が掲げる脱成長コミュニズムという思想が浮かび上がってくる。 以下、本書の概要をまとめる。ただし第8章については、個別的事例の話が中心であることから割愛する。 第1章 気候変動と帝国式生

          斎藤幸平『人新世の「資本論」』まとめ

          2022年1月の読書

          児玉聡『功利主義入門』(ちくま新書) 湯浅邦弘『超入門「中国思想」』 (だいわ文庫) 佐野 大介『孟子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 (角川ソフィア文庫) 草野 友子『墨子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 (角川ソフィア文庫) 湯浅 邦弘『荀子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』 (角川ソフィア文庫) 野村 茂夫 『老子・荘子 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 』(角川ソフィア文庫) 小林 亜津子『はじめて学ぶ生命倫理: 「いのち」は誰が決めるのか』

          2022年1月の読書

          パレスチナ問題まとめ②

          1970年 ヨルダン内戦  1970年、ヨルダン軍と、ヨルダンを拠点としていたパレスチナ人ゲリラが衝突した。この内戦はヨルダン軍の勝利に終わり、アラファト議長はレバノンへ亡命した。 1973年 第四次中東戦争・第一次石油危機  1973年、エジプトとシリアがイスラエルを奇襲攻撃し、第四次中東戦争が勃発した。アラブ諸国は、イスラエルを支援するアメリカへの石油の輸出を禁止し、第一次石油危機が発生した。 1979年 キャンプ・デービッドの合意  1979年、エジプトとイスラエル

          パレスチナ問題まとめ②

          パレスチナ問題まとめ①

          19世紀末 ユダヤ人のパレスチナ入植開始  19世紀末、ユダヤ人たちは、パレスチナに移り始めた。これは、民族主義、帝国主義及び社会主義に煽られたものであった。なお、この時代のパレスチナの統治はオスマン帝国が行っていた。 1914年~1918年 第一次世界大戦  1914年に第一次世界大戦がはじまった。これは連合国側と同盟国側の戦争であった。 1915年~1916年 フセイン・マクマホン書簡  連合国側のイギリスは、同盟国側のオスマン帝国を混乱させたかった。そこでイギリスの

          パレスチナ問題まとめ①

          法思想史まとめ①古代ギリシア

            ホメロスやヘシオドスの叙事詩には、法の女神テミスや正義の女神ディケーが登場する。 テミスとは、神の意志に基づく権威的決定を意味する。 ディケーとは、法をただちに正しいものとするのではなく、裁判を通じて「各人に各人のものを与えること」を本質的意義とする。ディケーは神格化され、ディケーに反するものは神々を冒涜することとなると考えられた。やがてディケーは、宇宙全体を支配する秩序であると考えられるようになり、代わりに、神(デウス)が人間に課した掟たるノモス(法)が、ポリスの法

          法思想史まとめ①古代ギリシア

          西洋哲学史まとめ④

          イギリス経験論vs大陸合理論  近代哲学は、基本的に中世批判であり、スコラ哲学批判である。 「近代哲学」には、〝イギリス経験論〟と〝大陸合理論〟という分類があり、これが延々と続いていく。この2つの流れ自身は、プラトン(合理論)とアリストテレス(経験論)の時代からあったと見ることもできる(西洋哲学史まとめ①参照)。 「知識をどのようにして獲得するか?」と言ったとき、大陸合理論の場合は、経験から学ぶこともあるが、一番基本的なもの、これを〝生得観念〟と呼ぶが、プラトンで言うところ

          西洋哲学史まとめ④

          西洋哲学史まとめ③

           今回は、中世哲学のまとめとなります。  この時代においては、主に神の存在証明が主題となっています。 アウグスティヌス(354~430)  アウグスティヌスは、ローマ帝国が衰退し滅亡に向かう頃に活動し、次の時代(中世)の中心思想を確立した。キリスト教はローマ時代にも認められていたが、あくまでも周縁的なものだった。中世になってはじめて、キリスト教は世俗的な力をもつようになる。その基礎を築いたのがアウグスティヌスである。  アウグスティヌスが悩み続けた問いのひとつは、”なぜ神

          西洋哲学史まとめ③

          アフガニスタンの現代史まとめ

          ※ 勉強中のメモです。誤りが多く含まれている可能性があります。  20世紀に入り、アフガニスタン王室は、イスラム教国であったアフガニスタンの西欧型近代化を進めようとした。  1928年、国王アマヌラー・ハーンは、イスラムの服装規範を排除し、女性にも近代教育を受けさせる政策を始めるなど、近代化を推し進めようとした。しかし、こういった政策は、保守的な聖職者を中心とするイスラム主義勢力と対立し、反乱軍が組織された。そして、国王はイタリアへの亡命に追い込まれることとなってしまった。

          アフガニスタンの現代史まとめ