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偶然と必然のあいだに〜葉加瀬太郎を聴いて思い出す〜

*文中を通して葉加瀬太郎さんは全て「葉加瀬太郎」という表記に統一しております。愛と敬意を込めて。

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いつもならテレビを流したり、大好きなTaylor Swiftのアルバムを聴きながら帰るが、疲れ切っていた私は久しぶりに車内で葉加瀬太郎のアルバムをシャッフルした。

何曲目かに流れてきたのはSweet Melodiesというアルバムに収録されている「太陽の子供たち」(Little Laughters in The Sun)という曲。

疲れていた私の心が踊った。

小さい子供たちがニコニコ笑っている姿やキラキラ眩しい夏の太陽、ひまわりが目に浮かぶような曲調、旋律。聴いていて朗らかな気持ちになる。

私にとってこの曲はそんな風に感じられる曲である。




でも、同時にこの曲を初めて聴いたときのことを思い出していた。


それは葉加瀬太郎のコンサート。
大きなホールで、観客が静かに見守るなか、聞こえてくるバイオリンとピアノの掛け合い。オレンジ色の暖かい照明がステージを照らし、眠たくなるような心地よさ。


このときのこの思い出があるから、より心地よく感じるのだろうか。





もっと思い起こしてみると、



高校生時代、勉強に集中したいときはいつも葉加瀬太郎だった。
小学生になったばかりの頃にバイオリンを習い始めてから、毎年葉加瀬太郎のコンサートに行くことは家族の恒例行事でもあった。

特に、毎週末両親が仕事でいなかったことが当たり前の家庭で育った私にとって、家族揃ってコンサートに行くことはもちろん、週末のコンサートに行くために両親が休みということもとても嬉しかった。

このSweet Melodiesというアルバムのコンサートは、私たち家族にとって初めての葉加瀬太郎のコンサートだったし、初めて何回も何回も事前にアルバムをきいて予習したコンサートだったし、楽譜を買ってもらったコンサートでもあった。

「太陽の子供たち」は好きな葉加瀬太郎の曲の上位に入るし、買ってもらった楽譜の中から初めて選んで弾いてみた曲でもある。でも、それ以上にSweet Melodiesというアルバムに思い入れがあるから、よりいろんな感情が蘇ってくるのだろう。

朗らかな気持ちも、懐かしい気持ちも、嬉しい気持ちも全部。

どのアルバムも好きなのでいつも全アルバムをシャッフルして聴くのだが、疲れていたタイミングで大好きなアルバムから、大好きな曲が、家族との思い出が詰まった曲が流れてきたことは、私にとっては偶然で必然だったのかもしれない。





それにしても、耳に入ってきた音だけで、記憶が呼び起こされるのも面白い話である。
人間は全身を使って記憶しているのだと改めて思う。

敢えて本文中に紹介しなかったが、
最後に葉加瀬太郎「太陽の子供たち」をご紹介して締めくくる。


2024.07.24
ふく


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