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台所いっぱいに広がる土の香り(たけのこ)

朝起きて台所にいくと、土の香りがする。

昨晩アク抜きしておいたたけのこだ。

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どうやら、たけのこはそう簡単には食べさせてくれないものらしい。

山菜特有の「アク」を抜くところから始まる。


皮を数枚むき、土に埋まっていたであろう部分を切り落とす。アクが一番強いところらしい。先端を切り落とす。火が通りやすくするために包丁の刃を縦に入れる。鍋にはたけのこと一緒にたけのこが隠れるくらいの水と今回は米糠をいれる。沸騰させ、弱火で煮る。そして、冷めるまで一晩放置。


そう、一晩置いていた間に、土の香りは広がったらしい。
外に出ずとも山にきた気分になれる朝に心が踊る。

たけのこは米糠と一緒に贈られてきた。採りたて新鮮のたけのこの食べ方を教わり、人生で初めてのたけのこ調理。

始める前から緊張が止まらなかったが、、、


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できた。

輝いている。

こんな生き生きとしたたけのこ、これまでにみたことない。


調理する。

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まず、春巻きの餡。

片栗粉でつけるとろみは、春巻きを巻く時につけよう。今日はひとまず寝る。ワクワクが止まらない。


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一晩寝かせた餡にとろみをつけて、揚げた春巻きは、絶品だった。

たけのこ本来の甘みと、苦味を味わう。


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鶏肉と厚揚げと、たけのこと。

甘酢ソースで炒めた。こちらも絶品だった。
アクセントに入っているのは朝市で購入した採れたて新鮮ピーマン。

たけのこも、ピーマンも、人参も、どの食材も生きていた。


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味噌を溶くまえに味見をして良かったと思えるほど、出汁の効いたおすましはたけのこ入り。

たけのこと共に贈られてきた原木椎茸と朝市で購入したほうれん草。
少しの油揚げとしめじを入れてあげて、だしの素で味を整える。

素材一つ一つの力が試される、おすましであった。


まだまだたけのこが残っている。
たけのこを使った料理を考えるのも、作るのも、楽しみである。


土の香りを楽しめる食卓に感謝。

たけのこを採ってくれた人、贈ってくれた人。私の大事な家族。ありがとう。


2020.05.03




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