居場所がない。

どこにも居場所がない感覚のこと。

自分だけアクリル板一枚隔てられている気がする。
うまく立ち回れているだろうか。
ノリに乗れているのだろうか。
浮いていないだろうか。
小さな頃からそんなことばかり気にして、
怯えながら生きてきた。
集団の中心にいるのが怖い。
ここにいていいのかなという存在不安が絶えず身体を貫く。
根無草である自分が寂しい。
でも。
寂しくて寂しくて仕方ない癖に、根を張らねばならない状況がいざやってくると、どうしようもなく息苦しくなるのである。

大学の時の部活然り。
新卒で入社した企業然り。
振り返ってみれば、私は同じ群に3年以上属したことがない。

貴方は定期的に人間関係を更新するから

かつての恋人から言われた言葉が胸に刺さる。
他人が自分を頼ってもたれかかってくるのは息苦しい。
自分に責任が積み重なってその地から離れ難くなるのが怖い。

居場所がないのではない。
居場所を作ることを自ら拒んでいる。
自由が消えてしまう恐怖から。

自由とは自らの精神を充足させる時間だ。
月を見て涙を流したり。
木漏れ日の中で呼吸をしたり。
遠く時間の隔った芸術家に想いを馳せたり。
孤独でないと手に入らない愛おしい時間。
群に埋没しては決して届き得ない愛おしい自由。

はぐれていたい。
でも、一人では寂しい。
その狭間でもみくちゃになりながら、今日も命を削って生きている。

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