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#ネタバレ 映画「ハンターキラー 潜航せよ」

「ハンターキラー 潜航せよ」
2018年作品
魂が震える、かも
2019/4/17 18:14 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「潜水艦版ダイ・ハード」、「宇宙戦艦ヤマト」、「ジパング」 そんな言葉が脳裏をよぎりました。

これは戦争アクション大作であり、熱き男たちのドラマです。

でも、それより、なにより、映画「眼下の敵」へのオマージュの可能性が、一番近いのかもしれません。

男性も女性も、週末のストレス解消に持ってこいです。

★★★★★

追記 ( イスも震える、かも ) 
2019/4/18 9:50 by さくらんぼ

映画館は、ほぼ満員で、最前列の2列だけが空いていました。しかたなく私はそこへ。

しかし、映画が始まってビックリ。

爆発音がすごくて、イスごと、体がビリビリ振動するのです。まるでボディソニックみたい。自分も潜水艦に乗っているような気分になります。

それでいて、耳につき刺さるような高音は、ほとんどありません。あの劇場は音量が大きめで、耳障りなことが多いのですが、多分、中高音は直進性が高いので、照準を合わせていると思われる、ホール中央へ飛んで行っているのでしょう。頭の上を。

でも、指向性のない低音だけが、波のように、最前列に押し寄せてくるのでしょう。

こんなオイシイ座席が空いているなんて、ラッキーでした。私の映画人生で、一二を争うぐらいの興奮です。

ちなみに、首や目も、そんなに苦しくありませんでした。

追記Ⅱ ( イギリスのEU離脱 ) 
2019/4/18 22:20 by さくらんぼ

映画「眼下の敵」で駆逐艦の新艦長になった男は、元、タンカーか何かの船長をしていました。それで、最初は乗組員からバカにされていたのです。

この映画「ハンターキラー 潜航せよ」の新艦長も、いわゆるキャリア組ではなく、現場叩き上の男でした。それで、能力を心配した部下が、自分が大切にしていた、お守り代わりのコイン(500円玉大)みたいなものを、渡そうとするのです。

無理もありません。無能なリーダーについた部下は不運だからです。特に潜水艦は「運命共同体」のようなもの。一人だけ海に飛びこんで助かることも出来ませんから。

すると船長は、自分のコインを見せ、丁寧に返したのでした。

このエピソードは映画のラストにも出てきます。(ひょんなことから)主人公の米潜水艦に同乗して共同作戦をしていたロシア軍の艦長に、米艦長は、映画「眼下の敵」みたいに、お互いの敬意を表し合ったのち、加えて自分のコインを渡すのです。

どうやら、この映画「ハンターキラー 潜航せよ」の主題は、「運命共同体」の様です。

丸いコインは、もしかしたら、地球を表していたのかもしれません。クーデターを起こした軍部に自爆させられたロシア潜水艦の破損個所は、内側からめくれた円形をしていました。あれは、もしかしたら「欧州旗」なのかもしれません。

つまり、イギリス映画であるこの作品は、やはり「イギリスのEU離脱」(EU内部からの爆発)と、「運命共同体の時代」(離脱への後悔)という、時代の空気を描いていたのかもしれません。

それは、まさしく戦争並みの有事なのでしょう。

追記Ⅲ ( チラシのキャッチコピー ) 
2019/4/19 9:14 by さくらんぼ

( 以下 映画「ローレライ」のネタバレにもふれています。)

「 パウラはその超能力ゆえローレライの心臓部になることを義務付けられました。しかしその豊かな感受性は敵を倒した心の痛みも感じてしまいます。まるで徴兵されて殺人を強要される青年の苦しみを代弁しているかのようです。

しかし原爆投下を阻止する為にはパウラを外すわけにはいきません。だから潜水艦の艦長たちはパウラを守る為に、敵をなるべく殺さない作戦をとりました。その結果、パウラを守る事が日本を守る事になるだけでなく、敵味方を含めて、すべての人の命を守る事につながって行きました。」

( 映画「ローレライ」私のレビューより抜粋 )

印象に残っている潜水艦作品と言えば、この邦画・映画「ローレライ」です。パウラという超能力少女が出てくる異色作でした。

この映画で刷り込まれたのは、「潜水艦は、潜望鏡以外に、直接外界を見る手段がない」というものでした。だから、超能力少女の力を無理やり使って、戦いに勝とうとしたのです。

ですから、映画「ハンターキラー 潜航せよ」のチラシのキャッチコピーである、「そこは 音だけが 《見える》 戦場」も素直に信じたわけです。

でも、音響ソナーのような物しか無かった、映画「ローレライ」の舞台である、第二次世界大戦当時と比べ、現代では電子技術の発達で、無人偵察機の水中版みたいなものもあり、どうやら「音だけが見える」わけではないようでした。

出口の見えない、「イギリスのEU離脱」の話なら、別ですが。

追記Ⅳ ( 男はつらいよ ) 
2019/4/20 9:23 by さくらんぼ

>無理もありません。無能なリーダーについた部下は不運だからです。特に潜水艦は「運命共同体」のようなもの。一人だけ海に飛びこんで助かることも出来ませんから。(追記Ⅱより)

主人公の潜水艦を攻撃しようと、ロシアの駆逐艦が近づいて来ます。

しかし、その潜水艦にはロシアの艦長も同乗しており、駆逐艦は、ロシア艦長が以前乗船していた船なのです。

主人公の依頼で、ロシア艦長は駆逐艦に、「潜水艦を攻撃するな」と伝えます。元部下の名前を一人一人呼んだ後に。

しかし、現艦長は、「すぐ攻撃しろ」と命令します。

間に入った部下たちは動きません。拳銃を突きつけられても、今は職務権限の無い、遠くのロシア艦長に従うのです。

(現実の戦場ではそんなことは無いのかもしれませんが)「運命共同体」である潜水艦では、無能で人徳も無い船長は、時に部下からも切り捨てられるのでしょう。

追記Ⅴ ( 忖度 ) 
2019/4/20 17:50 by さくらんぼ

>主人公の依頼で、ロシア艦長は駆逐艦に、「潜水艦を攻撃するな」と伝えます。元部下の名前を一人一人呼んだ後に。
>しかし、現艦長は、「すぐ攻撃しろ」と命令します。
>間に入った部下たちは動きません。拳銃を突きつけられても、今は職務権限の無い、遠くのロシア艦長に従うのです。(追記Ⅳより)

この直前の話です。

主人公はロシア艦長に、「お前の部下は信用できるか?」みたいな話をします。ロシア艦長が頷くと、(説得してみろ)とばかりに、無言で電話を渡すのです。

そして、駆逐艦の現船長が部下に拳銃を突きつけると、まるで見ていたように、潜水艦に乗っていたもう一人のVIPであるロシア大統領が、電話を代わり、「ロシア大統領だ。私はロシアの全権限を持っている。本艦への攻撃は、すべて国家反逆罪とみなす」とダメ押しをしたのです。

これには現船長も、拳銃をしまわずにはおれませんでした。

以上のエピソードがラストに効いてきます。

ロシアにいる、クーデターを起こした軍が、大統領たちを抹殺しようと、潜水艦に向けミサイルを発射したのです。

潜水艦は、すぐにミサイルを探知しましたが、米潜水艦が反撃すると、第三次世界大戦の恐れがあり、容易には動けませんでした。でも、主人公には強い勝算が。

勝算とは、すぐ隣にいる駆逐艦には、信頼するに足りる部下が乗船しており、「潜水艦に対する攻撃は、すべて国家反逆罪とみなす」との大統領命令も出ていることです。

案の定、駆逐艦は、そのミサイルが潜水艦に着弾する直前に、機関銃の様なもので迎撃し、加えて、発射基地へ向けてミサイルで反撃もしたのでした。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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