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#ネタバレ 映画「ミナリ」

「ミナリ」
2020年作品
純文学な語り口
2021/3/31 21:51 by さくらんぼ (修正あり)

( 引用している他の作品も含め、私の映画レビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。) 

韓国映画は辛口の日本酒のようだと思っていましたが、この作品、私には辛口が過ぎ、少し貧血気味に感じられました。

しかし、そこまでを完全な長所として評価したのでしょうか、映画評の「ロッテン・トマト」、チラシによると100%の評価を受けているようです。

欧米人は、もしかしたら小津映画の再来として観ているのかもしれませんね。日本人の私には、どこか少々違うように観えますが、たしかに似てなくもありません。

いずれにせよ、伊達に100%を取ってはいない作品だとは思います。

★★★★☆

追記 ( 映画「テルマエ・ロマエ」 ) 
2021/3/31 22:01 by さくらんぼ

韓国系移民がアーカンソー州へ移住する話なのですが、末っ子が新しい友だち(西洋人)から、「なんで、そんな、平べったい顔をしてるんだ」と言われるのです。

その唐突な言葉からは、ご承知のとおり映画「テルマエ・ロマエ」を連想しました。

二つの映画はあまりにカラーが違いすぎますが、だんだんと、それは単なる偶然だと思えない気がしてきたのです。

オマージュか否かは現段階では分かりませんが。

追記Ⅱ ( 映画「テルマエ・ロマエ」② ) 
2021/4/1 9:26 by さくらんぼ

>その唐突な言葉からは、ご承知のとおり映画「テルマエ・ロマエ」を連想しました。(追記より)

映画「ミナリ」を観終わって、主題を考えていました。

そうしたら、キーワードとして、まず「水」が浮かび上がったのです。

続いて「穴」も。

主人公たちが一生懸命耕した畑の土が、ある日乾き始めたのです。農業用水が足りません。

井戸を掘ろうと当てずっぽうで穴を掘る主人公たち。

しかし水が出ないので水道水を使い、水道を止められてしまいます。

水脈を探そうとY字型の枝を持ちだす西洋人(魔法のような技)。

遠くの禁じられた場所で小川を見つけ、ミナリ(セリ)畑を作るおばあちゃん(主人公の母)。

どこかで汲んだ「ご利益のある水」を有難そうに飲む家族。

主人公の長男は、心臓に穴が開いており、血液が正常に流れないので運動が出来ませんでしたが、なぜかアメリカへ移住したら奇跡的に穴が小さくなってきました。

主人公夫婦は畑が軌道に乗るまでの間、ひよこの男女を選別する工場で働いていました。見たところでは、たぶん「肛門鑑別法」でしょう。肛門の穴を指で開いて隠れている生殖器官を見て判断するようです。ここにも「穴」というキーワードがありました。

そして「水」というキーワードはどこへ繋がって行くのかと考えた時に、「平べったい顔」がヒントになり、映画「テルマエ・ロマエ」と繋がったわけです。さらに、「穴」も同様です。

すると、映画「ミナリ」に「平べったい顔」の話が出てきたのは、単なる偶然ではなく、映画「ミナリ」は映画「テルマエ・ロマエ」のオマージュであるという、監督からのメッセージの可能性が高いと思いました。

共通として描かれているものは、「遠くまでやってきて、自分の為だけでなく、子孫のために、苦労して仕事をするという、スピリット」です。

追記

『 タイトルの「ミナリ」は、韓国語で香味野菜のセリ(芹)。たくましく地に根を張り、2度目の旬が最もおいしいことから、子供世代の幸せのために、親の世代が懸命に生きるという意味がこめられている。 』

(  映画「ミナリ」のチラシより抜粋  )

追記Ⅲ ( 「太極旗」 ) 
2021/4/5 9:11 by さくらんぼ

>そうしたら、キーワードとして、まず「水」が浮かび上がったのです。(追記Ⅱより)

忘れていました。

後からやってきた、昨日まで元気だったおばあさんが、突然、脳梗塞を起こし、寝小便や、認知症の症状もみせるようになったのです。

最後は、おばあさんの火の不始末で火事まで起こすのですが、あれは「水」と、対極の、とどめの「炎」だったのかもしれません。

それは、映画「テルマエ・ロマエ」だけでなく、太極旗の陰陽も連想します。

追記Ⅳ 2022.6.7 ( お借りした画像は )

キーワード「銭湯」でご縁がありました。きれいで、とても和む画ですね。少し上下しました。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)



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