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#ネタバレ 映画「天使のいる図書館」

「天使のいる図書館」
2017年作品
映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」を連想
2017/3/22 21:59 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

地元に大きくて有名なお寺があります。幼いころは父が境内の植木市に行くことがあったので、私もついて行った記憶がありますが、なぜか本堂には入ったことがありませんでした。威厳がありすぎたのでしょうか。

でも15年ぐらい前、仕事を休んでふらふらしていた時のこと、ふいに行ってみたくなり、意を決して本堂の扉を開けてみました。

テニスコート大の、畳の大広間は、ガランとして…

いえ、中央あたりにカバンを持った女子高生が一人座っていました。

信心深い娘!?…

いやぁ…そうではなくて、私には悩みがあって仏様にすがっているように見えました。ほかの客は誰もいなかったような。。。

そんな場面に、私が一人入って行くのがはばかられて、私は静かに戸を閉め退散しました。

つまらぬ話をしましたが、この映画「天使のいる図書館」は、もしかしたら映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」へのオマージュの可能性もあります。

なぜなら、白い羽が二度も舞うのですから。

ちなみに、なぜ図書館の映画なのにお寺の話をしたかというと、ヒロインの家もお寺さんなのです。

★★★

追記 ( 神社仏閣と図書館 ) 
2017/3/23 7:55 by さくらんぼ

>ちなみに、なぜ図書館の映画なのにお寺の話をしたかというと、ヒロインの家もお寺さんなのです。

正しくは神社でした。失礼しました。でも私が言いたいことは神社仏閣だったという事です。

映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」の話をする前に、その神社仏閣についてお話しします。

お寺に救いを求めた女子高生の行動は正しかったのでしょうか。

映画「天使のいる図書館」では、宮司の友人らしい地元の男たちが、境内の休憩所で毎晩酒を飲んでいるエピソードがあります。そこへ帰ってきた硬派のヒロインは「ここは居酒屋じゃありません!」と怒ったりしますが、宮司さんは、にこにこ一緒に飲んだりします。

神社仏閣には「人生とはなんだ」みたいな事を考えて悟りを開いた方もいらっしゃるはずですから、お忙しいでしょうが、ときには人生相談などしていただけるのなら素晴らしい事でしょう。

片や図書館、たいていは一人で本を捜し、秘めたる自分の悩み疑問を解決しようとしますが、優秀な司書さんたちのレファレンスサービスが本選びの力になってくれるのなら素晴らしいことです。

この映画「天使のいる図書館」は、神社と図書館を車の両輪とする、社会機能の再確認を描いていたようです。良い映画です。

余談ですが、最近わたしは腕を痛め、お医者さんに行く代わりに、薬局で薬剤師さんに相談して薬を買ったことがありました。病・怪我などに苦しむ中、自分ひとりで薬を選ぶよりも、親身になって相談に乗ってくれる人を介して買うことが、どれだけ安心感を与えてくれるのか、その有難さを痛く感じたところです。

おかげさまで全快しました。その時、ぜひお礼を申し上げたいと思いましたが、お忙しい中お声掛けしては逆に申し訳ないと思って行けずじまいです。この場をお借りして薬剤師さんにお礼申し上げます。

追記Ⅱ ( わたしの懺悔 ) 
2017/3/23 11:07 by さくらんぼ

あのときは、あまり余り思わなかったけれど、あれから15年も歳を重ねた今、ここにレビューを書いていて「彼女に声をかけなかったことは、はたして良かったのか?」とも思いました。変な意味ではありませんよ。寅さん的な会話が出来なかったのかという意味です。

運命とか、神さま仏さまのお導き、などと言う考えがあるのなら、「私は導かれた」のだとも言えるのですし。

では、今おなじシチュエーションになったとして、今なら声をかけられるのかと考えると、やっぱり、もうひとつ勇気がありません。せいぜい逃げずに、つかず離れずの距離を持って静かに座っているぐらいでしょう。目が合えば「こんにちは」ぐらいは言ってみるかな。

下手に話しかけると「へんなおじさんのナンパ」と誤解される心配があるし、そうでなくとも「アッチ行って!おじさんには関係ない話」と、最初は冷たい拒絶にあう可能性が高い。

そのハードルを越え、警戒を解いてもらい、信頼してもらって、そのあと初めて寅さん的な会話が可能になる(かも)。

たぶん高校の先生など、日常的に女子高生と接している人でないと、街でケンカのように大声を上げて口論をしている大人たちの仲裁に入るぐらいに難しいことだと思います。

それでなくとも寅さんキャラじゃなくて、私は木枯し紋次郎キャラだから…そう自分を慰めて、こんど神社仏閣に行ったときには、神さま仏さまに許しを乞おうかと思います。

ちなみに、もし私がそこのお坊さんなど、お寺の関係者であれば、職務上のお役目の一環として、客人にお声掛けすることは難しくないと思います。

そして話をしてみたら、何のことはない。たんなる「仏像マニア」の女の子だったりするのかもしれません。「○○女子」という言葉が流行ってますからね。

追記Ⅲ ( 映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」 ) 
2017/3/24 10:41 by さくらんぼ

映画「フォレスト・ガンプ/一期一会」では、感情は豊かだけれどもIQが低いフォレストが出てきます。これが → 映画「天使のいる図書館」では、IQは高くても感情に乏しい新人司書のさくらになっています。逆の設定ですね。

そして、あの名セリフ「人生はチョコレートの箱、開けてみるまで分からない」は、→ ヒロイン・さくらの家に常備してある奈良の名物・柿の葉寿司になっています。私も奈良で食したことがありますが、作りたては特に絶品です。笹の葉をむいてみないと中身が分かりません。弟が「あっ!サケだ」とか言って食べるシーンもありました。

フォレストが足で走り回るのは、→ さくらが自転車で走り回る、になっています。

フォレストと友人になる車いすのダンは、→ 亀になって登場します。後に恋人になるリュックサックの青年も亀のつもりかもしれない。

戦場でダンを救ったフォレストのシーンは、→ 自転車で走っていたさくらが道路のまん中にいた亀を救おうとして田んぼに落ちます。ヘルメットごと全身泥まみれの軽傷を負った彼女になっています。さらに、その亀を弟が家に連れてきました。

フォレストには初恋の相手がいましたが、いったん、その娘は逃げてしまいました。最後には寄りが戻りましたが、その時にはすでに娘は病で…は、→ さくらの仕事上のお客さんの女性は、病で余命いくばくもありません。だから最後に、若いころに逃げた男にもう一度会いたい(彼も本心は好きだったはず)。人生のラストはハッピーエンドにしたいと思っていました。

それらにさくらが尽力する中で、IQが高いだけで感情に乏しいと思われていたさくらの中の、詰まっていた何かが通り、感情が溢れだすのです。それは周囲の先輩たちよりも豊かなものでした。

これは、とうてい人生の成功者にはなれないと周囲に思われ、初恋の彼女もいったんは逃げだしたフォレストが人生の成功を収めるのと似ていますね。

他にも探してみると面白いです。

追記Ⅳ ( ひらめき ) 
2017/3/24 14:30 by さくらんぼ

他人の気持ちが分かる時があるのはなぜか。それは各自が自分の人生経験や本で読んだ知識に照らし合わせ、相手の気持ちを想像しているからだと思います。

その他にも気功では「気は情報でありエネルギーである」と言われており、「気」で情報(お互いの気持ち)が伝播するとも言われています。

さらにNHK・Eテレの「モーガン・フリーマン 時空を超えて・選『第六感は存在するのか?』」では、最新科学の研究結果として「地球磁場を伝播して思考は脳を飛び越える」とも言っています。

では、先日までただの木塊であった仏像に魂が入るのはなぜなのか。私は良く知りませんが、「拝むことで魂が入る」とも言われているようですので、拝むとどこからか魂が降臨して来るようですね。

ところで映画「天使のいる図書館」のフォトギャラリーで、ヒロインさくらがレファレンス・コーナーにおすましして座っている写真がありますが、彼女の実家が神社であることから連想すると、彼女は「仏像」のようにも見えます。彼女は「図書館の仏像」なのです。

そんな彼女の側に白い羽が舞います。

それは天使の羽でしょう(宗教がクロスオーバーしている感がありますが)。

映画では「他人の気持ちが分かる」とは、「天使の力添えもある」と謳っているようです。仕事で沢山の人から相談を受け(拝まれ)、それに真剣に答えていると、いつしか天使も降臨して力添え(ひらめき)をしてくれるようになる(何の仕事にしろ、時には神がかるほどに上達する)。

映画クライマックスの彼女には、それがありました。

これは、そんな話でもあったのでしょうか。

追記Ⅴ ( 映画「魔女の宅急便」 ) 
2017/3/24 14:40 by さくらんぼ

小芝風花さんが出られるものとしては、実写版の映画「魔女の宅急便」がありました。とても可愛らしい作品でしたね。

この映画「天使のいる図書館」も「見習いお仕事の映画」として、「魔女の宅急便」の匂いもする作品でした。彼女はホウキの代わりに自転車にまたがってました。こちらも可愛い作品です。

追記Ⅵ ( 村上春樹さんの小説 ) 
2017/3/30 10:47 by さくらんぼ

ヒロインに想いを寄せるリュックサックの青年は、なんでも村上春樹さんの、なんとかという小説の登場人物に似ているそうなのです。劇中にそんなセリフがありました。解釈のヒントになるかもしれません。残念ながら私はそれを読んでいないので説明できませんが。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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