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#ネタバレ 映画「プロヴァンス物語 マルセルの夏」

「プロヴァンス物語 マルセルの夏」〈デジタルリマスター4K版〉
1990年作品
この夏どこにも行けなかった人に
2018/8/20 22:01 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

40℃の記録的な酷暑の中、どこにも避暑に行けず、ただ、ただ、エアコンという名の「生命維持装置」にすがっていた庶民の私。

そんな私が、夏の終わりに出会った、田舎の避暑地の物語。

これで、やっと、夏休みの思い出ができました。

「 夢なんかどうでもよくて、

ほんとうの悲しみはまだ知らず、

永遠に続くと思えた幸福な季節 … 」

( チラシのキャッチコピーより抜粋 )

★★★★☆

追記 ( 名作のリバイバル上映です ) 
2018/8/21 8:14 by さくらんぼ

これは「シアトル国際映画祭・観客選出 最優秀作品賞」を受賞した1990年の名作を、デジタルリマスター4Kでリバイバル上映したものです。

追記Ⅱ ( 子どもは高いところに登りたがる ) 
2018/8/21 16:10 by さくらんぼ

「子どもは山で迷子になる」、

「子どもは高いところに登りたがる」。

そんな、どこかで聞いたような話も、

この映画のエピソードになっています。

ちなみに、私も迷子になって道を尋ねたことが…。

春、就職したてのお昼休み。

昼食にうどんを食べた後、会社の近所を30分ぐらい散歩していました。

毎日のように、東西南北。

まだ馴染めない堅苦しい事務所に、ずっと座っているのも辟易していましたし、陽光きらめくランチタイムぐらい、体を動かしたい青春にいましたから。

でも、気がつくと、道に迷っていたのです。

仕事のことでも考えていたからでしょう。

午後1時までに会社に戻らなくてはなりません。

恥を忍んで、そこにいた人に尋ねたら、方向を教えてくれ、事なきを得ました。

でも、その人は「早く戻らないと、1時になるよ…」と、なぜか意味深なことも言ったのです。

追記Ⅲ ( ワーク・ライフ・バランス ) 
2018/8/24 22:15 by さくらんぼ

映画「風の丘を越えて 西便制〈ソピョンジェ〉」の中に、「すべてのものは二つで対になる」というセリフがありました(今思えば、これは韓国と北朝鮮のことでしょうが)。

それを思わせる「羽は二枚ないと羽ばたけない」が、映画「プロヴァンス物語 マルセルの夏〈デジタルリマスター4K版〉」の 主題だったのかもしれません。

直接そんなセリフがあった訳ではありませんが、婉曲的に語られているように思います。

その羽とは、

「前編・後編」「夫婦」「親子」「兄弟」「家族と友人」「都会と田舎」「主と使用人」「仕事とバカンス」「二連発の猟銃」などです。

特に、映画のラストに出てくる、「丘の上で、少年が二羽の鳥を持っている写真」が、両腕、鳥、横の大樹が合わさって、巨大な羽のように見えるので、一番象徴的なショットなのかもしれません。

追記Ⅳ ( 「羽は二枚ないと羽ばたけない」 ) 
2018/8/25 8:08 by さくらんぼ

これもそうです。

主人公のマルセルと弟は、避暑地で、毎朝、「両開き窓」(二枚の羽)を開けて、新鮮な山の景色を見るのが好きでした。

窓開け役を弟と争うほどに(飛べる鳥)。

日中、マルセルの父たちは、狩猟に行くために、屋外にあるトイレの「片開きの戸」(一枚の羽)に的を貼り、散弾銃の射撃練習をしていました。

「この弾の威力では戸は貫通しないよ…」などと話しながら。

しかし何発か撃ったところ、

「もう出てもいいですか?」の声と同時に戸が開き、

トイレから使用人のおばさんが出てきたのです。

あっけに取られて顔を見合わせる父たち。

家族のようでも家族でない存在。

忘れられた家政婦さん。

かわいそう(飛べない鳥)。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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