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#ネタバレ TV「しずかちゃんとパパ」 映画「 天国にいちばん近い島」の後日談か

2022.4.27

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

NHK・TVドラマ「しずかちゃんとパパ」を観ていて、ふと②映画「天国にいちばん近い島」を連想しました。オマージュかはまだ分かりません。

①の最初の頃、しずかちゃんの入浴シーンが出て来ました。彼女は一人で自宅の湯船につかり、やがて頭まですっぽり潜るのです。そして、それは次の回にもありました。なぜ、そのシーンが繰り返されるのか。往年のTVドラマ「水戸黄門」には、ヒロインの入浴シーンが(お色気)サービスとして挿入されていましたので、その類かとも思いましたが、(喜びつつも)それでも今ひとつ消化できませんでした。

そして、①の(映画並みに長い)エンドロールには、水と泡のブルーなスローモーション動画が映ります。そこには吉岡里帆さんの幼い頃の愛らしい写真が何枚も挿入されていました。あたりまえですが、吉岡さんは幼いころから吉岡里帆さんだったことが分かり、驚愕しました。そうこうしている内にカメラは水面に達し、青空と眩い光が。

この二つのシーンは、②へのオマージュだとしたら腑に落ちるのです。少女だった原田知世さんの、泣きながら潜る入浴シーンが、確かに名シーンとしてありましたし、ニューカレドニアの美しい海と太陽が舞台でしたから。

そして、あの原田知世さんは恋仲になった少年を島に置いたまま日本に帰りますが、何年かの後、大人になった彼が日本に訪ねてきたとしたら、今度は日本を天国にするために。つまり(深層的に)映画「天国にいちばん近い島」の後日談という世界観が、TVドラマ「しずかちゃんとパパ」の起点になるのかもしれません。

映画「天国にいちばん近い島」では、父が亡くなり、母とはしっくりいかない娘がヒロインです。彼女は亡くなった父と(心で会話)しながら、ニューカレドニアを彷徨うのです。TVドラマ「しずかちゃんとパパ」の父はご健在ですが、ろう者なので手話と(心で会話)します。そして、しっくりいかない母は、ヒロインがバイトしていたファミレスの同僚店員との冷ややかな関係に置き換えられていたのではないでしょうか。

①にはレゲエのミュージシャンみたいなヘアスタイルをした青年(リサイクルショップの店長)が出て来ますが、あれは南の島の男の記号なのでしょう。流れ着いた下駄からリサイクルショップが連想されたのでしょうか。②で、南の島の団体旅行でヒロインが問題を起こすエピソードは、①では、再開発反対住民の中で、開発業者と恋に落ちるヒロインになっているのかもしれません。

TVドラマ「しずかちゃんとパパ」のヒロインの恋人になる青年は、終始丁寧な口調です。この口調は、映画「天国にいちばん近い島」のヒロインに恋する、島の少年の口調を連想させますね。さらに、①のヒロインに対して「彼に恋しちゃだめよ。プロジェクトが終わると帰ってしまう人だから」みたいなセリフがありましたが、似たセリフが②にもありました。彼と彼女が逆転はしていますが。

追記 2022.4.27 ( お借りした画像は )

キーワード「天国」でご縁がありました。ニューカレドニアのようです。自動的に周囲が少しカットされました。手動で微かに上下しました。ありがとうございました。

追記Ⅱ 2022.4.28 ( 「グリーンフラッシュ」はここに )

映画「天国にいちばん近い島」と言えば、夕日が沈む瞬間、緑に見えるというグリーンフラッシュですが、TVドラマ「しずかちゃんとパパ」では、どこに登場していたのか。

先ほどTV録画を観ていて、エンドロールの、水と泡のブルーなスローモーション動画の、冒頭に登場していたのが分かりました。

水中から太陽を撮影している動画です。

ブルーの水を通して、白っぽい太陽がぼんやり、ゆれて見えています。それが、水の動きで、グリーンにも見える瞬間があるのです。「ああ、これでグリーンフラッシュの記号にしているのだな」と了解できました。

ならば、夕日の赤はどこにあるのか。

「しずかちゃんとパパ」のタイトル文字は、赤字で、印影のような丸の中に納まっています。私はなぜ印鑑かと思っていましたが、印鑑ではなく、夕日の記号だったのでしょう。

挿入される、幼いころからの吉岡里帆さんの写真は、写真館という家業と同じく、過去の思い出の記号でしょう。そして、子役にも(若き日の原田知世さんにも)思いを馳せて欲しいという願いかもしれません。

製作者側が、エンドロールまで使って、ここまで攻めている事を考えると、映画「天国にいちばん近い島」へのオマージュだと、思いたくなりました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)



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