#ネタバレ 映画「愛と哀しみの果て」
「愛と哀しみの果て」
1985年作品
母なるアフリカ
2017/6/14 14:27 by さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
たぶん女性から見ると、つかみどころのない男に見えそうなデニス・ハットン(ロバート・レッドフォードさん)ですが、男の私から見ると、「なんか、わかる」と言いたくなるのです。
デニスは「アフリカの大地を流れる風のような男」でしょう。
彼とて寂しいのです。
そして女性が嫌いではありません。
でも、お酒に例えれば「ほろ酔い加減の恋愛」が好きなのです。
もしかしたら、彼は母親に愛されたことが無いのかもしれません。
その核がないから人に向かえないので、決して裏切らないアフリカの自然を母として女として愛していたのでしょう。
だから飛行機で墜落したという訃報は、ある意味「母の(女の)胸に帰って行った」という事なのです。
★★★★★
追記 ( 「汚れっちまった悲しみに」 )
2017/11/14 15:19 by さくらんぼ
久しぶりに映画の冒頭を観ましたら、中原中也の「汚れっちまった悲しみに」を思いだしました。
デンマークの財産家の娘カレン(メリル・ストリープさん)が、「似た者同士」と踏んだスウェーデンのプロア・ブリクセン男爵(クラウス・マリア・ブランダウアーさん)に、「ねぇ、私たち結婚しない!?」と逆プロポーズしているのを見つけたからです。
世間体のための「愛に基づかない結婚」。
事の発端は彼女が作ったのです。
ある意味、カレンは人生を舐めていた。
そんな彼女は、未開の地だと思っていた移住先のアフリカで、「キラキラ光る、汚れのない宝石のような冒険家・デニス・ハットン」を見つけてしまったのです。
デニスのそばで浄化される喜びに浸るカレン。
しかし、それは同時に不倫という汚れに染まることでもありました。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?