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#ネタバレ 映画「シンクロナイズドモンスター」

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

「シンクロナイズドモンスター」
2016年作品
人生で大切なことは近所の公園で学んだ
2017/11/14 9:20 by さくらんぼ

『 ( めざせ新世代怪獣映画 )

怪獣映画というと、人間ドラマがいまひとつになりがちです。子供の頃はそれでも良かったけれど、大人になると、どうも食い足りません。

そんな中感激したのが映画「ラブ&ピース」です。あれを怪獣映画と言って良いのか微妙ですが、あんな風に人間ドラマの中にゲスト怪獣が出てくる作品が、新世代怪獣映画になってくれないか、と思っています。

たとえば映画「釣りバカ日誌」の海釣りに、チラリとガメラが横切っても良いじゃないですか。ハマちゃんがガメラを見たと言って大騒ぎして、それを誰も信じないで…。

あるいは映画「ジェネラル・ルージュの凱旋」のバックでゴジラが暴れていても、映画「ハッピーフライト」にギャオスが出てきて緊急着陸をすることになっても面白いはずです。

映画「東京物語」は )

誤解の無いように付け加えます。私は“既存のドラマに怪獣をゲスト出演させてほしい”と言っているのではありません(ときにはそれも面白いです。実際、映画「釣りバカ日誌」にも映画「花のお江戸の釣りバカ日誌」というオモシロい時代劇バージョンもあったぐらいですから、そんなスペシャル企画にも賛成します)。

今まで怪獣映画と言えば、怪獣とのバトルが中心になり、人間ドラマには“添え物”感がありました。AVにおける人間ドラマみたいに。

でもリアルでは、まず私たちの平穏な日常生活があって、それぞれの人間ドラマがあり、そこにある日突然、力づくで怪獣が割り込んでくるのです。怪獣のせいで私たちの日常生活に波紋が起き、変形したり、壊されたりするのです。

その“怪獣による日常生活の波紋”を中心に描くのです。怪獣とのバトルではなく。

思えば、映画「東京物語」は“戦争という怪獣の波紋”を静かに描いた名作でした。怪獣映画だって世界の頂点に立つ作品になれるのです。自分自身でB級映画の枠をはめないでください。 』

上記は、私の映画「ゴジラ×メガギラス・G消滅作戦」レビュー追記に、加筆再掲したものですが、この映画「シンクロナイズドモンスター」は、まさにその願いに沿った作品でした。

アイディアも映像も、ラストの始末も良いですが、ストーリーが少し混乱しています。「アイディアをシナリオ化するときに、推敲が足りなかった」のでしょうか。そこが残念ですが、新しい怪獣映画の方向性を示す一本として、価値ある作品だと思います。

どこか石原さとみさんを連想する、アン・ハサウェイさんの、人間味あるキュートな演技も見どころです。

週末、場末の映画館で、少し酔っ払って、まったく予備知識なしで観たら、感激の涙を流したかもしれません。

★★★☆

追記 ( あおり運転 ) 
2017/11/14 11:17 by さくらんぼ

①昔からハンドルを握ると性格が変わる人がいます。そんな人が飲酒運転したら大変。

さらに最近では「あおり運転」問題もクローズアップしてます。高速道路では、常識では考えられないような事件も起こりました。

②一方では、免許を取っても、「私、運転が苦手だわ」とばかりにペーパードライバーに落ち着く人もいます。

この映画のヒロインは②ですね。対戦相手は①です。そういう意味でもタイムリーな作品でした。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)



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