#ネタバレ 映画「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」
「10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス」
(ヴェンダース「トローナから12マイル」)
2002年作品
天国
2004/2/7 17:03 by 未登録ユーザ さくらんぼ
( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )
うっかりドラッグの入ったクッキーを食べてしまった男。すぐ近くにある病院に、自らクルマを運転して駆けつける。しかしだんだんとドラッグの効き目は現れてくる。幻覚が彼を襲う。事故になるかもしれない。しかし、もうすぐ病院だから、もうすぐびょういんだから・・・。
幻覚で虹色に歪んだ景色の中、苦しみながら車を走らせる様は手に汗をにぎる。気分の悪さがこちらにも伝わってくる。
そしてラストの病院のシーン。あれから何時間経ったのか。ベッドで気が付く主人公。幻覚は消えている。目の前には助けてくれた若い女性がすわって見守っていてくれた。そして綺麗な笑顔を見せて「奥様にも連絡しました」と言う。安どする主人公。主人公が独身なら恋が芽生えてもおかしくない、いい雰囲気のラストである。
でも、なぜこのシーンに良い笑顔が必要なのか・・・それはもしかしたら「ドラッグで味わう天国よりも、女性のほうが貴方を幸せにするよ」というドラッグ撲滅へのメッセージなのかもしれない。
そういえば、どこかで「女性は天国ではない、天国の代わりにあるものだ」という言葉を聞いたことがある。この作品、それが妻の笑顔ではなかったところに少しひねりもあるが・・・。
ヴェンダース「トローナから12マイル」
追記 ( 「危険ドラッグ」が無かった時代の記憶 )
2014/9/26 8:44 by さくらんぼ
この映画「トローナから12マイル」では、誤ってドラッグを飲んでしまった男が、自ら自動車を運転して(きっと、かの地では、救急車があてにならないのかも)病院へ駆けつけるまでを描いた短編作品です。
「危険ドラッグ」が社会問題になっている現在の日本なら、薬物運転そのものが問題視され、ひょっとしたら上映禁止にもされかねない勢い!?ですが、公開当時、その点については、私の知る限り、誰も何も言ってませんでした。時代ですね。
幻覚の中で、必死に自動車を運転する人の、気分の悪さは映画を観る者に伝わってきました。あんなことは、お金をもらってもやりたくありません。
「危険ドラッグ」での自動車事故は、無関係な通行人が巻き込まれてしまう点で、とても怖いです。被害者からいえば、あれは、クルマを使った通り魔、にも等しい。抜本的な解決を模索する必要があります。
余談ですが、
最近、定期健診で、肝臓にイエロー・カードがでましたので、即日、断酒しました。
いつも缶ビール1本程度の小晩酌だったのですから「それでもカードなの?」と思いました。でもノン・アルコール・ビールもある昨今、アル中でもなければ、断酒するのは容易です。
そうしたら、断酒した翌日から急にパワーが体に戻り、断酒万歳な気分です。絶大な効果にびっくりしました。うそみたいです。
実は、いつもと違って「なぜ今年は夏バテするのだろう、もう歳なのか」とひそかに落ち込んでいました。でも今は、高校球児もつとまりそうに元気です。
このままなら、たぶん終身断酒も可能ですが、若山牧水の
「 白玉の歯にしみとほる秋の夜の酒はしづかに飲むべかりけり 」
の風流も、人生の楽しみとして、すてがたいので、もう、しばらく断酒したのち、飲酒を再開するか、否か、判断すると致します。
そのときでも、もう晩酌は、週末だけにするつもりです。
みなさま、夏バテにはノン・アルコール・ビールが効きますよ。
( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。
更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)
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