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#ネタバレ 映画「ファントム・スレッド」

「ファントム・スレッド」
2017年作品
香り立つ銀幕
2018/5/31 8:14 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

映画「初恋のきた道」を連想します。

あるいは、NHK朝ドラ「半分、青い。」。

もちろん、「ファッションショー」であり、

香り立つものがありますから、130分の「オペラ」と言いますか、「名曲アルバム」のようでもあります。

★★★★☆

追記 ( 相手を支配するという「愛」 ) 
2018/5/31 8:44 by さくらんぼ

花嫁衣裳の「白」は、「あなたの色に染まります」という意味だと聞いたことがあります。

男なら誰でも、大なり小なり、お嫁さんには、そうなって欲しいと思っているもの、ではないでしょうか。

この映画も、恋人(途中から結婚)にそれを強要する男と、だんだん我慢ができなくなり、逆に、力づくで男をコントロールし始める女が出てきます。

女がグリーンのドレスを着ているチラシを見てください。

ドレスは、天才的な仕立て屋である男の作品です。男はその中に恋人を入れようとしました。

しかし、その恋人は男の影の中に入っています。

恋人は、自分のアートである、手料理で反撃したのです。少量の毒キノコを混ぜることで、男を一時的に病気にし、心をこめて介抱する事で、深く男の心に侵入したのです。

追記Ⅱ ( エロい話 ) 
2018/5/31 8:58 by さくらんぼ

私にはあまり経験がないので良く分かりませんが、料理を作って人に食べさせるという行為、自分の料理が、他人の口から体内に入って行く行為は、ある意味、とてもエロい事だと、どこかで読んだことがあります。女性は日常的に感じているのでしょうか。

この映画は、高品位の作風でありながら、そんなものが混然一体となっている、希なものなのでしょう。

追記Ⅲ ( 姑と小姑 ) 
2018/6/4 8:16 by さくらんぼ

「 小姑一人は鬼千匹に向かう 」。

こんな“ことわざ”もあるのですね。

ところで、男の母が幻覚として登場します。そして、男の側には、秘書として、いつも姉がいる設定を考えると、どうやら、姉は母の記号なのかもしれません。つまり男はマザコン。

毒キノコを食べた男は、なんども嘔吐します。しかし、「ムカつく」のは、「嫌悪感」のボディーランゲージでもあります。

つまり、表面上は毒キノコ中毒でありますが、深層的には、(男に言わせるならば)女が異常接近してくる事への、悲鳴なのでしょう。

男の中では、そんな戦争も起こっていたのです。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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