#1 Motor Activity Logとは?
今回は、Motor Activity Logについての伝えていきたいと思います。
皆さんは、脳卒中後の上肢麻痺に対して訓練をしている時に、
「どこまで麻痺手を使えているんだろう?」
と、疑問に思ったことありませんか?
それならMotor Activity Log(通称:MAL)を使ったらいいと思います!
最近は、MALを使って症例報告することも多く見かけます。
臨床で私も使っているMALを解説していきたいと思います!
~目次~
①MALとは?
②MALを使うことのメリットは?
③MALって使いづらいの?
④やっぱり使ったほうがいいMAL!
①MALとは
結論は、「麻痺手の使用頻度や動作の質を数値化した主観的評価」です。
つまり「ここ1週間で手をどのくらい使ったの?」を数値化したものです!
もともとはTaubらによって開発されました。
そして、高橋らが日本語版を作成し、私は日本語版を使っています。
また、MALはAmount of Use(AOU)とQuality Of Movement(QOM)を評価します。AOUは使用頻度、QOMは動作の質(どのくらいうまく使えているか)を示します。
ここは、MALの評価方法を見ていただくとわかりやすいと思います。
そして、気になる評価の信頼性ですが・・・・
「MALは信頼性・妥当性共に高く,また 従来のADL評価法のFIMなどと異なりADL における患側上肢の運動機能を評価できることが示された」
高橋香代子ら : 新しい上肢運動機能評価法・日本語版Motor Activity Logの信頼性と妥当性の検討.2009
要するに、「信頼性や妥当性も高く、麻痺手の使用頻度や動作の質を数値化できる評価である」ということかと思います。
②MALを使うことのメリットは?
私が思うのはこんな感じです・・・
・麻痺手の使用頻度は長期予後を予測できる要素で、これを評価できる
⇒麻痺手の使用頻度を評価する重要性です!
・数値化で変化が捉えれる。つまり治療に活かしやすい(前後比較)
⇒変わらない・低下したなら治療内容の転換が必要!
・MALを使って、対象者とセラピストが共通認識をもてる
⇒ここは使えるよね!とか。使える手だと思っていなのに使えていないの
か・・・と気づくことも
これを、MALを評価することでとらえることができます
③MALって使いづらいの?
基本的にはそんなことはないかとおもいます。
ただ、失語症や記憶障害などをはじめとする高次脳機能障害や認知機能障害の種類や程度によっては工夫が必要です。
そういった場合には、デモンストレーションなどを行い、理解してもらえるのであればありだと思います。
「失語や高次脳機能障害により設問の理解が困難な場合は,各動作項目をセラピストがデモンストレーションするなど視覚提示をしてもよい」
高橋香代子:新しい上肢運動機能評価法・日本語版Motor Activity Logの信頼性と妥当性の検討.2009
大事なのは
・麻痺手の使用頻度や動作の質について評価できること
・それが「対象者もきちんと理解して、評価結果に妥当性がある 」こと
・それができない場合には、方法に捉われずに、客観的に観察すること
(歯磨き動作や食事動作、着替えなどの手の使用や上手さを観察する。それを元にさらに治療を構築して、治療を実施し、変化を確認する。など)
また、加速度計を用い、”客観的”に麻痺手使用を観察する報告も多いです。
しかし、まずはMALなどの簡単に麻痺手使用を評価することから初めてもいいはずと思います。
④やっぱり使った方がいいMAL!
評価は一番といっていいほど大事かもしれません。
それを、麻痺手の使用について簡単に評価できるし、なにより有用です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?