#2 神経可塑性の話

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今回は、アプローチする上で重要な神経可塑性の話をしていきます。
ちなみに、訓練する上で「良い」も「悪い」も神経可塑性を誘発します。
なぜならトレーニングする上にあたって変化を与えているからです。

どうせだったら「良い」「狙った」神経可塑性を誘発したいものです。
そんな基本となる神経可塑性について話をしていきます。

~目次~
①神経可塑性について
②Hebbの法則
③加重について
④神経可塑性においては何を考えるべきか


①神経可塑性について

「これが上手になるように」「自立できるように」という目標を立てて、訓練する上では、運動学習は避けて通れないほど重要です。

運動学習や行動様式の変化を導くことは,神経の可塑性を誘導し,神経系の変化を生じさせる。またこの神経系の変化が適応能力や運動スキルの上達を促すため,結果として新たな運動学習や行動様式の変化を導く。このようなポジティブに働く循環を促進させることが機能の回復にとって重要な過程となる。          石田 和人ら:脳の機能回復と神経可塑性.2013

つまり、「神経可塑性のもとで、運動学習が進む」と考えられます。


②Hebbの法則

Hebbの法則とは何か。
神経可塑性の話をしていきます。


「細胞Aの軸索が、細胞Bを活性化し、繰り返し、または持続的に発火を引き起こすと、ある種の発達の過程または代謝の変化が、いっぽうまたは両方の細胞に起こり、Bを活動させるさいぼうとしてのAの能力が増強される」
Eric R. Kandelら:カンデル神経科学.メディカル・サイエンス・インターナショナル.1466-1467

つまり、細胞Aが繰り返し発火し、それに次いで細胞Bも繰り返し発火されると、この神経回路(細胞Aから細胞Bの神経回路)は強化されるということ。

「狙った動作」や「良い動作」などを繰り返し行い、その「狙った動作」や「良い動作」の神経回路を強化します。

もっといえば、「質の高いトレーニング」を「たくさん(量)」することで神経可塑性は進み、運動学習は進んでいきます。


③加重について

さらに神経可塑性を促すには「加重」というものがあります。
加重とは、「空間的荷重」と「時間的荷重」があります。
下のイメージ図の方がわかりやすいと思います

時間的荷重

時間的荷重は「シナプスを繰り返し刺激する 」ことで、シナプス伝達の効率を上昇させ、シナプス間の結合を強くしていきます。
やっぱり、運動量も大事ですね・・・

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空間的荷重は、「別々のシナプスが同時に興奮する」ことで、シナプス伝達の効率を上昇させ、シナプス間の結合を強くしていきます。
例えば、電気刺激(脊髄興奮性の向上:1つ目)と運動療法(運動意図・運動遂行:2つ目)を併用して運動する際に空間的荷重が起こります。


④神経可塑性においては何を考えるべきか

上記を要約すると・・・
質の高いトレーニング」を「量を担保」して提供すること。

例えば、なにかスポーツがうまくなりたいときには、「良いコーチに指導してもらい」、それを基に「たくさん練習」するからうまくなりますよね。

また、神経可塑性を有利にするには、物理療法を併用することも良いです。

前回と話は大きく変わりましたが、少しずつアウトプットしていきます。
よろしくお願いいたします!

さよなら


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